習慣化と非習慣化

何かを習慣化するのは難しい。特に大人になるとさらに時間がかかる様になる。習慣化されてたと思ったものが気を抜くと簡単に元に戻ってしまう。非習慣化も似たようなものでなかなか習慣化されている状態から外すことができない。結局人は居心地のいい状態に戻ろうとしてしまうという事を身を持って感じる。いや、すんなりできる人もいるのかもしれないが。

いくつか自分が上手く行った習慣化と非習慣化のコツを纏めておく。

習慣化についていろいろな本を読むととにかく小さなことから始めることが大事と書いてある。しかし、自分の場合ほんの小さなことでも始めるのが億劫でなかなか習慣化のスタート地点にも経つことができない。

そこで一つ気づいたことがあるのだが、習慣化したいことを始める以前に、そのタイミングで今やっている事を途中で止められない事が一番の問題であった事に気が付いた。例えばインターネットでニュースを見ている時に洗濯物が終わって干さないといけないわけだが、まずニュースをその場でスッと止められないのである。

頭の中で考えている事は、高々2,3分のニュースだしすっきりと読み終わってからやりたい、とこんな感じな訳である。しかし、そこで動かないともう面倒くさくて後回しにしてしまう。なぜかニュースは全部見終わったのに洗濯は頭から抜けて本を読み始める始末である。

なので、まず何かを習慣化したい場合は、今やっている作業が何であれ切り上げられる様になると良い。ついつい区切りの良いところまでと思ってしまうが、そういった発想は捨てて続きはまた後でやろうと考えられるとすんなり次の動作に入れたりする。

それが難しい時はキッチンタイマーが何気にお薦めである。作業を後回しにする際に、タイマーを2分なり3分なりをセットして、タイマーが鳴ったら切り上げると決めるのである。

最初の方はついついタイマーが鳴っても、わかったわかったと止めてまた元の作業に戻ってしまう。タイマーがなっても次の動作に移れない時は再度タイマーをセットする。タイマーは結構うるさいので今の作業に集中できない。これで徐々に自分を根負けさせて中断することに慣れさせるという次第である。

とは言いつつ、ニュースならまだ短くて良いが、映画なんかを見ている時はほぼ中断は不可能である。本も漫画も小説も映画もアニメもとにかく全部一気に見たい性分なので長いモノを相手にしている時はかなり厳しい。

一度自分のお皿を食後すぐに洗う習慣をつけたが、食事中に子供とアニメを見る様になると、面白いものもそうだが特に面白いと思ってなくてもついつい最後まで見ないと気が済まない。そうして見終わった後でお皿を台所まで持っていくのだが、なぜかそこまで来ているのに洗う気が起きずに水で流して後回しにしてしまうという事態が発生した。

どうも習慣化というのは身に着けたばかりだとその状態でないと起動しない様である。なので習慣化できた後も同じ状況を作り続けるか、新たに別のシチュエーションでの習慣化が必要みたいである。

非習慣化は徐々にその習慣を減らしていく方法でいくつか上手く行った。

ついついやってしまう事としては自分はPCで作業している時に少し詰まるとネットでニュースを見てしまうというものと、寝る前まで携帯を見てしまうというもので、これは色々な所でも話題として見るので、同じ悩みを持っている人が多い様に思う。

ネットでニュースを見る習慣を無くすのは非常に苦労したが、これは徐々に見るサイト数を減らす事でいくらか解消できる様になった。とは言え今でも隙があると既に見終わったサイトに更新されていないか見に行ってしまうという点で完全に改善はされていない。

逆に自分の必要と思う情報のみを見る様になったので社会面でのニュースが全く抜けており、他の人から驚かれるという場面に何回か出くわした。令和になった時に休みが増えたのを人から聞いてびっくりしたのにびっくりされたのは良い思い出だ。しかし、また見始めるとかなり時間を食うのでそのまま放置である。

携帯の方は先ずは寝不足覚悟でリビングで完全にやることが無くなるまで携帯をいじってから寝室に行くという所から始めた。やることが無くなったのにいじれるのが携帯であり恐ろしいツールだが、とにかく徹底的に寝室には持ち込まない様にした。

紆余曲折ありながら、今でもその習慣は続いている。たまに夜遅くまで携帯をいじってしまう事があるのはご愛敬である。

これらの習慣を無くす際に大切な事は失敗しても落ち込まない事だと思う。なにせ今まで無意識に身に着けた習慣だ、すぐに取れないのは当然の事である。ついついやってしまっても気にせず次回直せばよいのである。

もう一つはそのやってしまう事の内容を詰まらない事と認識することである。ニュースであれば、なんであんな使いもしない情報を一生懸命見てたんだろう、と思う事である。まぁ見れば見たで楽しいのだが、酸っぱい葡萄よろしくそういう事にしておくのである。

非習慣化のもう一つの方法は止めたい行為をする前に何らかの作業を追加することらしい。これは試していないので分からないが、例えばついついニュースを見てしまうなら、見る前に誰かに電話するとか、日記を書くとか少し面倒な作業をする義務を課すというものである。これはその行為自体は禁止しないが、だんだん前作業が面倒になって頻度が落ちてゆくという感じらしい。

何にせよ習慣化してたのもしなかったのも理由があったわけで、それはそれとして受け入れて、ついついやってしまっても自分は駄目だとかなんで止められないんだ、とか思わず根気よく付き合ってゆくのが精神衛生上も良さそうである。