宇宙に関する誇大妄想

宇宙は多次元オートマトンである。2次元オートマトンのライフゲームをより複雑にした様な空間計算がされているのに違いない。

ビッグバンで発生した膨大なエネルギーが、どんどんと宇宙外の領域に拡散して行く。エネルギーはその空間におけるエネルギー状態から次の状態が決定され、一定条件を満たすと電子や陽子になり、原子になり、恒星や惑星になる。恒星のエネルギー余剰状態によっては生命が生まれる。

宇宙にとって生命はエネルギーを効率よく拡散するための存在だ。

宇宙は際限なく広がり、そのエネルギーを拡散し、薄まってゆく。恒星は爆発し、惑星は消滅し、ブラックホールは蒸発する。エネルギーが均一に拡散し終わると、完全なる静寂が訪れる。

全ての運動が静止し、宇宙の終わりが訪れる。

現在、物理学は線形で表現されているが、オートマトンであれば、ある空間自身の状態と隣接している近傍空間の状態によって次の状態が決まるので、実際には線形な関数ではなく、次の状態を計算するだけの関数である。そのため、その関数には時間の変数は存在せず、ただ宇宙全体が同時に次の状態に移行する。

宇宙はただ、クロックしているだけである。

また、セルオートマトンは不可逆計算である。ある状態から厳密に以前の状態に戻すことはできない。個々の空間にあるのはエネルギー量とその状態のみであり、混ざった水を全く元の水に分けることができないのと同じである。そのため、過去に遡るタイムマシンは作ることができない。

過去は消滅し、ただ一刻、いくらかの痕跡を残すのみである。

もし、我々の世界がシミュレーションであったなら、どこかに過去のスナップショットが保存されており、そこに戻れる可能性はあるかもしれない。しかし、スナップショットが固定状態であったり、再処理の対象でなければ、それは宇宙が進行しない世界である。もしスナップショットがあっても、自由に過去へ戻れるというのはやはり無理だろう。

未来は理論上計算可能である。しかし、実際には宇宙の進行速度よりも早く計算できる様な計算機は作れない上に、全ての要素を計算に入れることは宇宙そのものを計算することになるため、近似レベルでの計算しかできない。

一領域を切り取ったとしても、その外側からの影響が、どのレベルでマクロに影響するかは予測できない。遠い未来になればなるほどその影響は大きなものになる。またその要素も計算可能な範囲で省略せざるを得ないため、その精度は一定レベルを超えない。

未来はある範囲と精度で予測可能であるが、確定は不可能である。

このオートマトンを駆動させているフィールドは宇宙の外にまで広がっている。きっと宇宙はそのフィールドを伝わるエネルギーの共振と歪から宇宙が生まれた。宇宙が生まれる程の歪は非常に稀だろうが、きっとそのフィールドには、いくつかの宇宙が生まれているのに違いない。

宇宙外にはいくつもの宇宙があるのに違いない。

因みにこのフィールドにはダークマターとかダークエネルギーが関係しているのに違いないと思っていたが、どうもダークエネルギーは超新星爆発の光の強さの近似の仕方が問題で無いかもしれない説も出てきているらしい。

そのフィールドでの宇宙の広がりは、摩擦の無い机の上に水を垂らした様に際限なく広がってゆく。その最前線は内側よりも速いスピードで広がっている。光はあたかも波に乗ったサーフボードの様に、宇宙の広がりと同じ速度で飛んでいるのに違いない。そうでありながら、そこで観測した光の速度はやはり地球と同じ光の速度として計測されるのかもしれない。

空間がエネルギーで構成される以上、宇宙は光と共に広がっているはずだ。

さらに、銀河が衝突する様に、もしかすると宇宙も衝突するかもしれない。そうなるとぶつかってきた宇宙空間は我々の空間よりも速い速度で光を引き連れながらやってくるのである。ぶつかった宇宙同士はそれぞれの空間を構成する物理法則を混濁させ、全く別の道理を生み出し、我々の空間を変形させ、一瞬で地球を消滅させるかもしれない。

しかも衝突してきた宇宙空間は地球の光の速度よりはるかに速い速度で我々を飲み込むのである。そして、我々がもし、その宇宙を観測可能であったとしても、我々がそれを観測した時点で我々の空間はその宇宙の空間と混濁している。我々は認識する間もなく地球ごと消滅しているかもしれない。

宇宙についてそんな妄想的な確信を持っている。