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大滝詠一「ペパーミント・ブルー」マスターデータに関する幾つかの事柄(7) 1984年から1991年までのトラック

SONY期大滝詠一楽曲「ペパーミント・ブルー」のデジタルマスターについて今まで書いてきました。前回は1984年リリース EACH TIME の初版CD [35DH 78] と、1986年リリース Complete EACH TIME の初版 [32DH 555]、それぞれに収録されたペパーミント・ブルーが同時期にデジタル化されたものではないか、という話でした。

1989年までにリリースされたナイアガラ2期のCDで、ペパーミント・ブルーが収録されている盤は他に

  • 1984年 NIAGARA SONG BOOK 2 初版CD [35DH 111] (ストリングス)

  • 1985年 B-EACH TIME L-ONG 初版CD [32DH 250] (ストリングス+歌)

があります。これらと、EACH TIMEやComplete EACH TIMEの初版、また、1989年リマスターシリーズや1991年選書シリーズのペパーミント・ブルーとデジタル化時期が同じものがあるのでしょうか。

結論としては、上記2枚 [35DH 111] と [32DH 250] については、初版CDや'89、選書のどれとも一致するものがありませんでした。曲の頭でタイミングを合わせても、曲の終りではズレが生じます。

例としてEACH TIME初版[35DH 78]とB-EACH TIME L-ONG初版[32DH 250]の曲の頭(ドラム)の波形を並べてみます。この時点で波の形が微妙に違いますね。

上が[35DH 78] 下が[32DH 250]のペパーミント・ブルー 出だし

これらは曲の終りで60[ms]ほどズレていました。ちなみにこういった「ちょっと長さの違う音」を同時に再生すると、ジェット機のような独特のうねりのある音が聞こえてきます。


というわけで、1984年から1981年にかけてリリースされたナイアガラのCDのうち、収録曲ペパーミント・ブルーで同時期にデジタル化されたものは

  • EACH TIME初版[35DH 78] と、Complete EACH TIME初版 [32DH 555]

  • 1989年リマスター1991年CD選書「EACH TIME」「NIAGARA SONG BOOK 2」「B-EACH TIME L-ONG」6枚のストリングスパートと通常(歌入りパート)どうし。

であると考えられます。簡単な図を書いてみました。

緑色の2枚、青色の6枚のペパーミント・ブルーが、デジタル化の時期が同じと思われるものです。