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「かのん」と「カノン」と結ヶ丘のこれから

注:このnoteを書いている人は音楽の専門教育を受けていないため、用語の解説には誤りを含む場合があります。ご容赦ください。

はじめに

こんにちは。鱈と申します。

突然ですが、いよいよラブライブ!スーパースター!!3期の放送がはじまりますね。
初回放送を前に、本作主人公である「澁谷かのん」の名前について考えたことについて書きたいと思います。

私事ですが、今年の春に彼女の名前と同じ「カノン」という曲をピアノで弾く機会がありました。曲を弾く中でこの曲と結ヶ丘女子高校にはお互いに通じる点があると感じ、このnoteを書くことにしました。

「カノン」とは

そもそも「カノン」とは、同じ旋律を2つ以上のパートが異なるタイミングから始めて演奏し、追いかけるように重なってハーモニーを奏でるという音楽形式のことを指します。

カノン形式で書かれた曲はたくさんありますが、最もよく知られている曲がヨハン・パッヘルベルが作曲した、いわゆる「パッヘルベルのカノン」でしょう。この曲は3つのパートが同じ旋律をが2小節ずつずらして演奏するという構成になっています。まずは下の動画をすこしご覧ください。

動画の楽譜をよく見るとわかる通り、1番上の段のパートがスタートした2小節後に2番目のパートが同じ旋律をスタートさせています。そして2段目のパートがスタートしたさらに2小節後に3番目のパートがスタートしています。

3番目のパートがスタートした時には1番目のパートは先のさらに先の全く異なるフレーズを奏でており、それぞれのパートは一見バラバラに見えます。しかし曲を聞けばわかる通り、異なる3つのパートが見事に調和しながら重なって、1つの旋律では表現できない豊かなハーモニーとして移り変わっていきます。これが「カノン」という形式の魅力になっています。

「始まるタイミングの違う3つのパートが追いかけあいながらハーモニーを奏でる」と聞くと、これだけでも「え、それめっちゃLiella!じゃん。」と思われるかもしれませんですが、ここではもう1つの見方をしたいと思います。

「フレーズ」でカノン形式を考えてみる

「カノン形式」について、もう1つ別の見方をしたいと思います。それはパートを横断して1つ1つのフレーズがどのように繰り返されるかに注目した見方です。

はじめのフレーズ(レーラーシーファ#ーソーレーソーラー)は、1番目のパート、2番目のパート、3番目のパートと引き継がれながら3回繰り返されます。そして1番目のパートが4個目のフレーズに移るタイミングで楽曲からは抜けてしまいます。

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次の旋律は新しい旋律と重なり、また別の3層のハーモニーを作ります。その次も、そのまた次も同じように繰り返し、3回ずつ繰り返しては抜けていきます。ある3つの旋律が互いに重なるのはたった1フレーズ分の間。その時だけのハーモニーを奏でて、また新しい旋律にバトンを渡していきます。

そう、それはスクールアイドル部と同じです。
高校での生活は3年間ありますが、1年ごとに学年が入れ替わり、同じ3学年が揃って音を奏でられるのはたった1年しかありません。3年生が卒業すれば、また次の年には新しい新入生が入ってきてその1年間だけ「一瞬の輝き」としての音楽を奏でます。その輝きが、次の代、その次の代へと受け継がれ、それぞれのハーモニーを奏でてゆくのです。

結ヶ丘とLiella!のこれから

かのんたちは結ヶ丘という新設校の1期生として最初のフレーズを奏でました。2年目は2期生を加え、9人の響きで5人のLiella!を超えてLoveLive!優勝の夢を叶えました。いよいよ始まる3年目は新たに2人のメンバーを加えて、3学年11人で更なるハーモニーを響かせていくでしょう。

しかし、もうすぐ1期生は卒業の時がやって来ます。今の1期生、2期生、3期生の3学年が揃って声を重ねられるのは3年間の中でこの1年しか無いのです。

「カノン」が曲として続いていくのは、次から次に新しいフレーズが続いていくからです。
同じようにこれからLiella!や結ヶ丘が続いていくには、彼女達に続く者がいることが必要不可欠です。

「夢が夢を連れてくる」

1期生5人の歩んだ夢への軌跡は、4人の小さな夢の種を導きました。4人は「かのん」に手を引かれ、Liella!というハーモニーに重なることを選び、大きな夢を叶えました。9人の夢はきっとまた次の夢を呼び込むのでしょう。3期生はどんな夢を持っているのか。どのように導かれるのか。これから始まる3期が楽しみです。

そして9人のLiella!と同じように、11人が11人での新たな夢を叶えることができたなら、次の年にはその夢に導かれた新入生が入学し、新たな1年間のハーモニーを奏でることになるでしょう。そして次も、その次も、同じように続いていくのだろうと想像します。


カノンのように個性の異なるメロディがたまたま同じ場所で重なって、ひと時だけの音楽を奏でる。それは1年ずつメロディを入れ替えながら形を変えていくけれど、未来に向かってずっと続いていく。
Liella!は、結ヶ丘は、そういう場所になっていってほしいと思います。

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