マガジンのカバー画像

日々のこと・随想

33
日々の記録。
運営しているクリエイター

#宮脇俊三

7月26日 「行商列車」

7月26日(水曜日)  『行商列車 〈カンカン部隊を追いかけて〉』(山本志乃、創元社、2015)を読む。鉄道を使った鮮魚の行商についての本。「カンカン」というのは、かつて行商にブリキのカンが使われていたことにちなむ。伊勢および鳥取のエリアを部隊に、現在も行商をしている人やかつて行商をしていた人への聞き取りや、魚の行商の歴史を紐解いている。  表紙の写真は、当時日本で唯一の行商専用の貸切列車として、近鉄で定期運行されていた「鮮魚列車」。この本の刊行後、2020年に貸切列車とし

2022年に読んだ本 その2

(その1から続く) 『宮脇俊三の紀行文学を読む』小牟田哲彦/中央公論新社  2021年の刊行だが、元は2019年にNHKラジオで放送されたの同名の連続講座がベースになっている。10章に分けて宮脇俊三作品を論じていて、おそらくここまで真正面から総合的に宮脇作品を論じた本はいままでなかったはずだ。僕もかなり宮脇俊三作品を愛読している自負があるけれど、これはかなりよくできた本だと思った。入門にもいいし、ファンにも読み応えのある一冊だった。 『台湾鉄路千公里 完全版』宮脇俊三/中