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Eテレ「100分de名著・砂の女(安部公房)」(全4回)を見る

■source:アプリ「どこでもDIGA」番組表
■reason:安部公房作品をこの時代にどういった切り口で読み解くのか。番組内のイラスト・アニメーションにも注目

毎週毎週録画して、基本ひと月分4回、25分x4=100分いっき見で楽しんでいる番組、Eテレ「100分de名著」。これまで「絶対見るんだ」とチェックポイントに上げることもなかったが、22年6月は安部公房「砂の女」と知り、今月のチェックポイントに担ぎ上げてみる。つい最近、武満徹音楽特集上映でシネマヴェーラ渋谷にて再映されていた「砂の女」、この機会に鑑賞にしてこようと思っていたもののスケジュールが合わず逃してしまった。かなりメジャーな作品でもある「砂の女」だが、実はまだ未見であり、原作のほうも未読である。安部公房作品の映像化作品でさっと出てくるのは「砂の女」と同じ勅使川原宏監督作の「他人の顔」だ。読んだことのある安部公房作品も少ない。父に傑作、とすすめられながらも十代二十代に読むことがなかった「第四間氷期」、それと「人間そっくり」あたりをかじったことがあるかないかだ。「第四間氷期」はハイティーンのころの自分はその世界観に入り込むのに時間を要してしまって投げ出した。独特のひんやりした文体に馴染めない部分もあったのかもしれない。父がこの作品に何を汲み取ってほしかったのか既に他界して何年にもなる現在ではわからない。それでも「第四間氷期」の絶望とその先の知的生命体の未来は今も自分の脳内を漂っている。さて、そんな安部公房へのちょっと足りない思いもありつつの「砂の女」番組。原作も映画も見ていないが主人公の置かれた状況については知っている。今更ネタバレがどうこうという作品でもないし、この番組で見た上で映画も機会あれば見ようと思っているし、この番組からの視点の提供により手にとった書籍もいくつかある。書籍はストーリー展開だけが魅力ではないことをこの番組は教えてくれる。伊集院光のツッコミ方向が自身にひきつけての展開になりすぎて、自分の知りたい知識と違う方向に向かってさんざんなときもあるけれど。そのストーリーがどうこうではなく、「岸田今日子観たい」は不変である。小津安二郎の「秋刀魚の味」見たあたりからはこれはもう変えようのない気持ちなのだ。

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