ファミリーコンピュータやカセットビジョン等に関する雑学とか(不定期更新)
過去にTwitterでつぶやいた内容を中心に、世の中であまり取り上げられないこと、誤解されていることについて徒然に追記していきます。
※見出し画像は改造に失敗した初代ファミコンの成れの果てです。
更新履歴
2024.8.19:カセットビジョンの雑学5~8を追加
2024.8.8:カセットビジョンの雑学0~4を追加
2024.8.8:初版
ファミリーコンピュータの雑学
初めて縦スクロールをしたソフトは?
画面効果として縦スクロールを行った最初のソフトは『ポパイ』(任天堂)。ブルートが下の階に飛び降りた時に画面が揺れる。
次は『マリオブラザーズ』(任天堂)で「Pow」を叩いたときの画面揺れ。
いずれも少し揺れるだけであり、基本は固定画面であった。
初めて巻物的に連続して縦スクロールを行ったソフトは?
画面効果として「巻物的に連続した」縦スクロールを行った最初のソフトは『ファミリーベーシック』。BASICインタープリターのエディタ画面は、8ドット単位のスクロールであるが、スクロール機能(画面表示位置指定機能)を活用して表示を行っている。
初めて1画面以上の縦スムーズスクロールを行ったソフトは?
画面効果としてスムーズに1画面分の縦スクロールを行った最初のソフトは『ギャラクシアン』(ナムコ)のタイトル画面。
続いて『パックマン』『ゼビウス』(いずれもナムコ)のタイトル画面。ゼビウスはゲーム中にスムーズに連続して縦スクロールをし続ける最初のソフト。
初めて横スクロールを行ったソフトは?
画面効果として横スクロールを行った最初のソフトは『ホーガンズアレイ』(任天堂)。画面下部のスコア等の表示を固定しての、いわゆるラスタ分割スクロールを既に行っているところが心憎い。
次は『ロードランナー』(ハドソン)。続いて『ギャラクシアン』(ナムコ)。
初めて画面の一部を固定したまま縦スクロールを行ったソフトは?
画面効果として画面の一部(上下)を固定しての縦スクロールを行った最初のソフトは『デビルワールド』(任天堂)。同じ領域で、横スクロールも行っている。本作では縦は8ドット単位、横は1ドット単位でスクロールしていた。
初めて音楽に合わせてノイズでパーカッションを鳴らしたソフトは?
音楽に合わせてノイズ音源をパーカッション的に鳴らした最初のソフトは『ワイルドガンマン』(任天堂)。これ以後、ノイズでパーカッションを鳴らすソフトが散見されるようになった。
サードパーティでは『ナッツ&ミルク』(ハドソン)がBGMでノイズを刻んだ最初のソフト。
初めてDMC(DPCM)で音声を鳴らしたソフトは?
ファミコン音源のチャンネルのうち、サンプリング音源であるDMC(Delta Modulation Channel、DPCMとも呼ばれる)で音声を鳴らした最初のソフトは、『ワイルドガンマン』(任天堂)。「ファイヤ!」の声が、聞くものを驚かせた。
続いて、同じく光線銃シリーズの『ダックハント』でも犬や鴨の鳴き声で使われている。(STUDIO KENTさんの動画より)
初めてIIコントローラのマイク入力機能を使用したソフトは?
IIコントローラのマイク入力機能を使用した最初のソフトは『ギャラクシアン』(ナムコ)。
続いて『バンゲリングベイ』(ハドソン)、タッチの差で『ファミリーベーシックV3』」のサンプルプログラム(GAME 0)。
未発売だが『ドンキーコングの音楽遊び』(任天堂)で使用されていた可能性も?
ちなみに、ごく初期のファミコンと、そのあとのファミコンで、マイク入力機能のON/OFFが反転されているということで、ファミリーベーシックのサンプルでは、RUNした直後の値を保存し、それと異なる値が入力されたときにマイク入力とみなすという処理をしています。
初めてバッテリーバックアップによるセーブ機能が搭載されたソフトは?
バッテリーバックアップ機能が搭載された最初のソフトは『ファミリーベーシック』(任天堂)。カセット内に2キロバイトのSRAMが搭載されており、単3電池2本を用いてプログラムを保存できた。
次は『ファミリーベーシックV3』(任天堂)。
ゲームでは『森田将棋』(セタ)が初。
初期のカセット群と形状が異なる初めてのソフトは?
初期のカセットと形状が異なる最初のソフトは『ファミリーベーシック』(任天堂)。プログラム記憶用のSRAMや乾電池を入れるスペースが必要となり、従来の約70mmから約110mmに高さが増加している。
その次はカセットを自社生産した『ギャラクシアン』(ナムコ)。
ナムコより前にサードパーティとして参入したハドソンではあるが、任天堂にカセット製造を委託しているので、カセットの形状は初期任天堂のものと同一である。
サードパーティの参入トップ5は?(ソフト発売順)
ハドソン(『ロードランナー』『ナッツ&ミルク』)、ナムコ(『ギャラクシアン』)、ジャレコ(『エクセリオン』)、タイトー(『スペースインベーダー』)、コナミ(『イーアルカンフー』)の順。
3番目がジャレコ???という驚きがありますね!
トーセが暗躍している予感。(根拠レス)
バッテリーバックアップ対応のカセットは必ずリセットしながら電源を切る必要があるか?
『ドラクエ3』で有名になった、「リセットボタンを押しながら電源を切る」お作法について。
『ファミリーベーシック』では、カセットについている物理的スライドスイッチをONにしてから、電源を切ります。その際にリセットスイッチを押したまま電源を切る必要はありません。
ファミコンゲームソフトでは初のバッテリーバックアップ機能搭載の『森田将棋』(セタ)についても、「リセットを押しながら電源を切る」旨の記載は取扱説明書には見当たりません。また、なんとなくですが、森田将棋については、セーブのためというよりは、将棋のCOM思考ルーチンのために必要なRAMを増やすために、SRAMをカセットに積んでいるのではないかと思われます。
ナムコットブランドのバッテリーバックアップ対応カセットについては、「リセットボタンを押しながら、電源を切らないで下さい!」と、取扱説明書で書かれています。なお、ナムコットソフトでのバッテリーバックアップ機能の付いた初のソフトは『独眼竜正宗』です。
ファミリーベーシック同梱のキーボードの正式名称は?
「ファミリーコンピュータ™用 キーボード」です。
型番はHVC-007です。
ナッツ&ミルクのエディットモードにはセーブ機能はあるか?
ナッツ&ミルク(ハドソン)には、面をデザインできる「GAME EDITOR」モードがありますが、エディットした面の外部記憶装置への保存機能はありません。一部に、ファミリーコンピュータ™用キーボードを使えばカセットテープに保存できるように誤解される記述(SDステーションの説明書等)が見受けられますが、誤りです。
なお、ほぼ同時発売のロードランナーの「EDIT MODE」には、カセットテープへのセーブ機能があります。ファミリーコンピュータ™用キーボードと、モノラルラジカセまたはファミリーベーシック専用データレコーダが必要です。
ファミリーベーシックと、ファミリーコンピュータ ロボットの関係性
ほぼ同時期に発売されたことから、ファミリーベーシックでファミリーコンピュータロボットを操作できると勘違いされている方がいらっしゃるようですが、公式的にそのような案内はありません。
とはいえ、ロボット操作のための画面フラッシュ(非公開情報)をファミリーベーシックで適切にプログラムを組んで再現してあげることで、ファミリーベーシックを使ってロボットを操作することは技術的には可能です。(やったことはありませんし、ブラウン管テレビも必要です)
ニューファミコンに、マイク入力機能はあるか?
ニューファミコンでは、汎用のマイク入力として使えるコマンド等はありません。
「コントローラーIIの十字下+Aボタン」がマイク入力の代わりになるとの記載が散見されますが、それは『たけしの挑戦状』(タイトー)の、マイク入力の代わりにコントローラIIのAボタンを使うためのコマンドにすぎず、ニューファミコンの機能ではありません。
ファミコン版ロードランナーの雑学
ランナーのドット絵は、あるソフトのドット絵を参考にして作られています。
無操作時に、きょろきょろ左右を見回すアニメーションがあります。ファミコンでは初めてではないでしょうか?(オリジナルのロードランナーにもこのような演出があったのでしょうか?)
カセットビジョンの雑学
0.ハードウェアの雑学
CPU(マイコン)はカセットに搭載されているIC μPD77x に搭載されている。Wikipedia等では 4bit CPUであるとの説明が多いが、開発者(小口哲司氏)によると、7bit CPUであるとされている。
「カセットビジョンの画像表示ICはテレビのチャンネル表示用ICを使用している」という俗説が流布されているが、開発者の小口氏も「ゲーム専用1チップマイコン」としているし、チャンネル表示用としてはオーバースペック。独特の荒いドットを見た誰かが妄想で書いたと疑われる。
そのほか、Wikipedia(2024.8.8現在)の記載は、色々と誤りが多い(下記画像等)。
カセットビジョンには二人プレイでレバーを2本使うソフトは存在しない。ベースボールでは左レバーを交代で使用し、右レバーは使用できないことから、左右のレバーが内部でつながっているという記載も誤り。
1.きこりの与作の雑学
元ネタは、新日本企画(SNK)の「与作」と思われるが、ジャンプができることで新たなゲーム性が生まれている。
残機がなくなるまで遊べるモードに加えて、1面クリア(2本の木を切り倒す)までにかかる時間を競う「タイムレース」モードがある。RTAの先駆けといえる。
タイムレースのカウンタは、1/10秒ごとに1増加する。
鳥、マムシ、イノシシは、ゲームスタート時からちょうどn秒のタイミングで出現する。タイムレースのカウンタでいえば、一の位が0の時にのみ出現する。
木に斧を入れた時に、枝が振ってくる(場合がある)。木が2本残っているときは、鳥のフンと木の枝は合計で1個まで、木が1本残っているときは合計で3個まで降ってくる。
上記動画、及び上記説明で「鳥のフン」としているが、実は説明書によるとフンではなく「木の実」というのが公式見解とのこと(笑)。
しかし、同じページのすぐ下には以下の記載が…フンに木の実が混じっているということでよいでしょうか。
2.ベースボール、7.ニューベースボールの雑学
単体ゲーム機『テレビ野球ゲーム』をカセットビジョンにポーティングしたもの。制作順としては2番目に古いこととなる。
バットは左レバー(LEVER-1)で振ることができるが、謎のボタン「AUX.」でも振ることができる(ちなみにどこにも書いていない)。
カセットビジョンJr.に挿しても動作する。ただし、パドルがないことから、守備を動かすことはできず、またCOURSEスイッチもないことからピッチャーの投球は常に内角攻め(見送ればボール)となる。
3.ギャラクシアンの雑学
ゲームファンには周知の事実だが、『ギャラクシアン』(ナムコ)というよりは『ムーンクレスタ』(日本物産)である。オープニング音楽もムーンクレスタを長調にした感じ(もしくは野球のテーマ)。
当時のシューティングゲームとしては破格の、3連射が可能。
4.ビッグスポーツ12の雑学
カセットビジョン唯一の4人同時プレイ可能なゲーム。
制作順としては一番古いゲーム。
スーパー10という、未発売ゲーム機用ソフトをカセットビジョンにポーティングしたものとされている)
4つのパドル(およびSELECT, STARTボタン)のみを使用し、レバーやPUSH-1~4ボタンは使用しない。
唯一の周辺機器である光線銃で遊べるゲーム。
カセットビジョンJr.に挿しても起動はするが、ラケットが動かせないので全くゲームにならない。当然光線銃を指す場所もない。
5.バトルベーダーの雑学
元ネタは、タイトーの『スペースインベーダー』。また、単体ゲーム機として作られた『テレビベーダー』のカセットビジョンへの移植版である。
カセットビジョンで、初めてオートプレイデモが実装されたゲーム。
ギャラクシアンのデモは、敵は表示されるがプレイヤーが表示されない。
インベーダーはゲーム開始時に8匹表示され、打つと色が変わって後ろに下がるように見えるが、実は最下段以外のインベーダーは「隠れている」設定となっており、48匹のインベーダーがいるという設定になっている。3Dゲームでは、Zソートにより向こう側が隠されるが、バトルベーダーではYソートにより向こう側(上側)が隠されているということとなる。
とはいえ、スペースインベーダーのように、手前のインベーダーを残したまま後ろのインベーダーを倒すことはできない。
6.パクパクモンスターの雑学
元ネタはナムコの『パックマン』(を元にしたエポック社の『パクパクマン』。パクパクモンスターの基板には「TVパクパクマソ」と書かれている)。
カセットビジョンで、初めて数字以外の文字(SCORE, GAME)が表示されたソフト。以後、8.モンスターマンション、11.モンスターブロック、12.エレベータパニックでもアルファベットが表示されるようになった。
左右2方向レバーと、横並び4つボタンしかないカセットビジョンで、どのように4方向操作をするかと思ったら、まさかの横並びボタンでの上下左右操作。viか!
カセットビジョンJr.では、ボタン1,2,3,4が左右上下の位置に十字型に配置されたので、直感的に操作できるようになったが、結果として簡単すぎるゲームとなってしまった。
各エサは3回食べないと消えず、連続して同じエサは食べられないが、最後の1つの餌は連続して食べることができる(そうしないとクリアできなくなるため)。
パクパクマンの口は左右にしか向かず、上下移動の場合も左右のどちらかを向いたままとなる。これは、カセットビジョンの平行四辺形ドットが、水平方向の平行四辺形しか表現できないためである。
7.ニューベースボールの雑学
2.ベースボールとの違いは以下の通り。
ベースボールでは1種類のゲーム(2人用野球)のみだったが、ニューベースボールでは、5種類のゲーム(2人用野球、打撃練習、守備練習、オートゲーム(いわゆるウォッチモード)、そして1人用野球(対コンピュータ戦)が選べるようになった。
ホームイン時に万歳(笑)をするようになった。
マウンドがなくなった。
8.モンスターマンションの雑学
『ドンキーコング』と同様に、ハシゴで片手を出していると、ゴロゴロ岩が梯子から落ちてこない(やりすぎると落ちてくるようになる)。
十字架を取ると、青くなった「おいかけモンスター」に反撃ができるようになるが、十字架で攻撃をせずにジャンプで体当たりをすると、タロウくん(主人公)は絶命する。
シーンNo.3をクリアすると、ハナコちゃんがタロウ君に歩み寄り、「LOVE」と表示されるのは有名だが、ROM内には、実際のゲーム中には表示されない「HELP」のパターンデータが残っている。ゲームスタートデモンストレーションが予定されていたのだろうか?
コマーシャル
筆者のYouTubeチャンネルです。主に、ファミリーベーシックを中心とした自作プログラムの映像・音楽を載せています。よろしくね!
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