コラム【もやい】39回目「貧しき者への施す心とは」
軽妙な風俗関連のエッセイストで知られる嵐山光三郎さんの本を図書館で借りた。「人生勝率五割」◆江戸時代、褌(ふんどし)に銭を包み、道端にわざと落として厄払いをした。光三郎さんによると、「ささやかな厄災を自身で用意して落とす」のです。こと厄年のかたは是非◆井原西鶴の「日本永代蔵」では、なんと、400両を厄落としに大奮発した大名もいたそうです◆豊臣秀吉にいたっては目に入れても痛くないほど溺愛した嫡男の秀頼の幼名を「拾丸(ひろいまる)」と称し、生まれてまもない愛児をいったん往来に捨て