最強のリモートワーク環境を目指して中古マンションのフルリノベをすることにした話
これは ZOZO Advent Calendar 2022 カレンダー Vol.7 の 18 日目の記事です。昨日の投稿は @kenz_firespeedさんの「角の丸い吹き出しをCSSで作るには」でした。
はじめに
ZOZOのエンジニア組織ではフルリモートワークが可能となっており、各々全国各地の好きな場所で働いています。
私自身がこの働き方になってまだ1年半ほどですが、かれこれ6年ほど住んでいる今の借家はペット(猫)可という条件を優先した結果、その他の様々な条件を妥協をして住んでいた部屋だったので、色々不便に感じたり設備の限界を感じるようになってきていました。
それならいっそより暮らしやすい&最高に働きやすい住処を見つけるタイミングなのでは?と思い立ち、妻とあれこれ悩んだ上で、中古マンションのフルリノベーション(スケルトンリノベーション)をして最強のリモートワーク環境を作ろう!と計画し、今年推し進めてきましたのでそのことを記事にしたいと思います。
まだ工事中で、来年2月末頃に引き渡し予定という状況ではあるのですが、自分と似たような境遇の方で、今後中古マンションフルリノベを検討中の方の参考情報になれば幸いです。
最強のリモートワーク環境とは!?
ルームツアー動画で見るようなオシャレなインテリア、昇降デスクにお気に入りキーボード、マルチディスプレイにゲーミングチェア、高音質マイク+高性能カメラ・・・etc
そんな話はしません。人それぞれ最高だと思うポイントが違いますからね。
とはいえ、例に挙げた要素は個人的に大好きです。
我が家(家族構成はDINKs+猫1匹で、それぞれがフルリモートです)独自のポイントとしては
夫婦それぞれがリモートワークしやすいように、十分な広さの個室がある(お互いサブカル+ゲーム好きというのもあるので趣味の部屋も兼ねる)
実際の環境は後々DIYでカスタマイズする!
リビングダイニングは仕事合間の休憩スペースのような使い勝手にする
部屋が増える分、室内窓やガラスドアで各部屋のつながり感を出す
猫が住みやすい部屋にする。猫ドア、猫ステップ、猫トイレ専用スペースを作る。ニオイ対策も万全に。
お互い物臭な性格なため、家事が最低限になるような設備導入や間取り、収納の工夫を行う
リモート会議や通話の頻度が高いので、防音に気を遣う
インスタのリノベ事例とかで見るようなおしゃれ感は出したい
という感じでした。さらに細かい要望も別途整理したのですが、これを初期コンセプトとして、物件選びをスタートさせました。
リノベ案の整理
Figma最高
Webデザイナーをしている妻のイチオシツールであったFigmaで整理しているのが圧倒的におすすめです。いくつか理由があるのですが、便利だなと思ったポイントとしては
画像の切り貼りがとてもやりやすい
リノベのコンセプトを考える段階では、インスタやPinterest、Google画像検索などから好みのリノベ画像を集めていったのですが、それを俯瞰できる形で集約でき、関わってる人全員で共有できる
写真の加工やオブジェクトの加工が細かくできる
写真を反転させたり少し加工して実際の部屋のイメージに近づけることも簡単
希望間取りや家具の配置案を考えて設計士さんに共有したり、設計図面を取り込んで、スケールを合わせて(1px=1cm)具体的な修正案を出すのに非常に役に立った
コメント機能がシンプルに便利
リンクを共有するだけで、ブラウザで閲覧可能
miroも便利ですが、デザインツールではないので今回はFigmaを使って大正解だったと思います。
最初はWebで見つけたいい感じのリノベイメージを部屋単位でまとめて貼るだけのものでしたが、平面図や展開図が出てくると凄まじい情報量の資料になってしまいました。
物件探しのポイント
理想を全て満たす中古物件は存在しない
よく不動屋さんがYoutubeとかでやってる中古マンションの選び方みたいな話は書きません。その辺りの知識は前提として、あくまで今回自分達がやりたいリノベができそうか?という観点が大事です。いくつか内見時のポイントを書きます。なお、今回カウカモさんに物件探しから契約まで諸々サポートしていただき、非常にお世話になりました。
希望が叶えられる間取りができそうか?
現状の平面図ベースに、間取りの草案を考えて大丈夫そうかどうか
まずこれがしっくりこないと申込できません!のでスピード感大事です
現状のまま使える設備などはありそうか
予算や部屋の状況次第では、部分リノベも選択肢となる(費用抑えられる)
現状の部屋と希望間取りが近ければ、一部壁をそのまま使うなども可能
浴室など水回りの交換は結構お高い
水回り(風呂、トイレ、洗面台、キッチンなど)はどこまで移動できそうか?
PS(パイプスペース)や、換気ダクトがどこを通過しているかを確認する
図面ではわからないケースもあり、実際に解体(躯体剥き出しにする)しないとわからないことも多い
配管用に、水回りだけ躯体の床スラブが下がっているケースもあります
躯体に開いている穴の位置は?
エアコンが設置可能な位置や、キッチンダクトが部屋のどこを通過するかに影響します
既存平面図を入手できれば書かれているはず。リノベ済の部屋の場合、穴が潰されている場合ある
天井を上げれそうか?
リノベ対象となる部屋は、配線や配管のために、下り天井になっていることが多いです
床は下げれそうか?
これは天井の逆です
どんなネット回線が使えるか
自分で調べるのは前提ですが限界があるので、管理会社や家主にも確認する
できるならつよつよ回線引きたいですよね
インターフォン変更できそうか
オートロック連動型だと、リノベのタイミングでは変更できず、マンション修繕計画として全戸一括での変更しかできないようです(私は後で知りました)
築年数によっては、しばらく古くてサイズの大きいインターフォンを使うことになるケースもありますのでご注意ください
などなど。物件の申込までに、これらの情報を総合的に見て判断しないといけません。(並行してローンの仮審査も必要!)
立地とか周辺環境、将来的な価格の見込みとかももちろん重要なのですが、リノベするとなると見落としがちなポイントが結構あると思いました。
とはいえ、全てが理想的な中古物件はまずありません。ある程度良さそうと思ったら申し込まないと、人気がある物件はすぐ売れてしまうので注意してください。
工務店の選定
さて、無事に部屋の申込が終わり、本契約することになった段階で実際にリノベ工事をしてくれる工務店さんを選ぶことになります。
(なお我が家は、希望条件を満たす物件探しにかなり時間がかかりました。)
工務店さんは非常にたくさんあって悩むポイントだと思います。最近ではYoutubeやってるところもありますね。個人的に思う事前確認ポイントを書きます
HPなどで施工事例を確認し、自分のやりたいイメージのリノベができそうなことを確認する
実際に話を聞きにいってもいいと思います
得意な費用感を確認する
自分の予算に合ったリノベが得意かどうか?
工務店さん側の提案の引き出しがどの程度ありそうか?の判断になると思います
担当する場合の体制の確認
何名で、どんな役割の人とコミュニケーションするのか
どのような提案スタイルか
工務店さんにお任せなのか、一緒に考えていくのか
施主支給がどこまで許容されるか
私はかなり自由度の高い工務店さんを選びました。戸建ての注文住宅とはここが大きく違うと思います
図面のすり合わせ段階で、どのような資料を出してくれるのか
平面図が基本ですが、3Dパースや展開図(部屋を横から見た図面)を出してくれるかどうかでは、全く違います。事前に確認しましょう
私は全部屋の展開図を出しもらい、前述のFigmaを利用した情報共有で細かい調整を行いました
一度決めたら、しっかり相手を信頼し、任せるところは任せましょう。
そして、施主が考えていることを全て余すところなく伝えましょう。要件定義漏れが一番怖いのです。
設計の進め方
具体的な進め方は工務店さんによって違うとは思うのですが、以下のような流れで決めてきました。
現地調査・間取り仮決め・現況図面起こし
リノベ後の間取り仮決め
水回りのレイアウト決め
キッチンの形とサイズを決める
浴室のサイズと位置を決める
トイレのサイズと位置を決める
洗面台(造作にするか、既製品にするかも検討)
土間、廊下、リビング、書斎、寝室のレイアウト決め
造作家具、造作建具の検討
支給品の検討、決め
電気配線や照明・スイッチ・コンセント位置の検討、決め
内装の検討、決め
工事開始〜解体・墨出し後の実際の寸法を図面反映し、調整
実際はもっと細々と決めることがあり、設計初期段階では頻繁に再検討も発生しました。そして施主の要望を取り入れてはくれるのですが、合間合間に見積りが更新され、理想と現実の狭間を彷徨うことになります。
とはいえ施主が一番やってはいけないことは、実装開始後に要件追加や仕様変更する工事着手後にあれこれ要望を出すことだと思っていますので、設計初期段階でガンガン要望を出して、設計を叩きましょう。
施主支給品をうまく利用する
今回、工務店手配とは別に施主支給品(自分で設備買って現場に入れること)を数多く採用しました。私が契約した工務店さんが比較的施主支給品に寛容で、自由度が高かったからこそ実現できたのですが、実際やってみてメリットデメリットがはっきりわかりましたのでまとめておきます。
メリット
基本的に割安で購入できる。購入場所によってはポイントでなおお得
工務店手配だとどうしても工務店の利益が上乗せされる
好きなメーカー、デザイン、性能のものを導入候補にできる
ただし、他の設備の組み合わせや、母体となる設備の仕様次第で導入できないものもあります
個人輸入品も設備候補にできる。品物によっては塗装だけ工務店に依頼することもできる
デメリット
工務店に払うリノベ費用と別計上になるので、しっかり管理して油断すると総コスト膨らみがち
「施主支給にして費用下げたから、内装少しこだわっちゃお!」
→トータル変わらないどころか逆に高くなる
現場での受け取り調整や納期のスケジュール管理が大変
サイズが大きく重量が大きいものの場合、荷受けや預かりの手数料が結局かかる
メーカー直送の場合、4tトラック配送が多いので、搬入スペース確認が必要
故障品の対応を自分でやらないといけない
とまぁ色々書きましたが、せっかくリノベするのであれば細部に拘りたい派なので、デメリットがあってもメリットが大きいと感じました。
おわりに
はじめにも書きましたが、まだ工事中で来年2月末ごろに引き渡しのため、本記事執筆時点では、最強のリモートワーク環境構築計画が成功したかどうかはわかりません!が、部屋全体を0から設計したのだから、(私にとって)最強の環境になることは間違い無いでしょう。
設計工程を念入りに行い、具体的なイメージの共有をしながら進めてこれたため、追加要望や手戻りなく工事が進められております。
同じようにフルリモートでこれから引っ越し検討されている方、リノベしたいなぁとなんとなく考えている方の参考になればと思って書きました。
明日は @Alt70155 さんによる「現状のSwaggerスキーマとシリアライザの改善を行なった話」です。
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