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"The LEPLI" ARCHIVE 102/ 『故Christopher Némethの3回忌と "Club to Catwalk, London Fashion In The 1980's"展の案内。』

文責/平川武治:
初稿/2013年9月 2日:
写真/故Christopher Némethの手:

1)この様なご招待状を受け取った。/ 
 もうすぐ、僕が大好きで、彼の生前からリスペクとしていたファッションデザイナーで在り、家族を愛した自由人、その自由な発想と優しいこゝろで素晴らしい世界を創造して多くの、’90年代の日本の若いストリート系の
デザイナーたちへ過大な影響を与えまた、
コアなファッションファンから強烈な人気があった、
故Christopher Némethの3回忌が22日に来る。

 また、彼の事を思い出す時期だと思っていた矢先に、
彼のシドニーにお住まいのお姉上さまから
"Christopher Németh's Memorial Day"のご招待状を頂いた。
僕も参加させて頂く。誠に有り難く、たいへん嬉しい次第です。
ありがとうございました。
合掌。
 
2)そして、もう一つ僕にとっても嬉しい情報が記されていた。/
 その内容はロンドンの”Victoria & Albert Museum”で
7月10日から開催されている展覧会
"Club to Catwalk, London Fashion In The 1980's"展に
故Christopher Némethの世界も出展されているというもの。
(’14年2月16日まで開催予定。)
 この展観はJ.ガリアーノや V.ウエストウッド、B.ジャクソンそれに、
セントマーチン校で多くの素晴らしいデザイナーを育成創出した
Mrs.Wendy Dagworthy先生達、
そして、この時代のロンドンのストリートカルチュアーをリードした
雑誌 "i-D"マガジンなどが展観内容として盛り込まれた
ロンドンならではの”ストリートファッション展”。

 このオフィシャルなV&Aでの "Club to Catwalk”展に
僕も大好きで、彼に会った日のそのあとは
こゝろ豊かに嬉しくなった想い出しか無い
彼、「Christopher Némethの世界」が彼が好きだった、
ロンドンで展示されることは
ご家族の皆様もさぞ、誇りに、嬉しく思っていらっしゃるだろう。

3)僕が力不足で実現出来なかった、「Christopher Némethの世界」展/
 幾度か、思い立っていろいろな人に相談し動いたのであるが
僕の力不足で実現出来ずになってしまったのが、
「Christopher Némethの世界」展があった
東京のコレクションシーズンに合わせて
彼、”Christopher Németh”の世界を「展覧会+インスタレーション」を
企画し、スポンサー企業を探していたのだが見つからなく実現しなかった。
彼の「アトリエとショップ空間」を再現する企画であった。
 その会場で、彼のコアなファンたちが彼の服を着て集まるという
インスタレーションとちょっとした、キャットウオークを行うという
企画だった。

 従って、彼のこのような今回の母国での展観に、
僕は本当に嬉しく、彼を想い出してしまう。

 1985年6月、”i-D"誌上でマーク レボンの撮影でコレクションを発表し、デザイナーデビューをした。
 翌年の’85年6月には表参道に伝説のセレクトショップ、”ゼクトア”を
オープンさせその後、拠点を東京に移す。
 ’90年代始めには、多くのChristopher Némethファンが
東京の路上に現れた。
そして、多くの若い日本人デザイナーたちが彼の世界に影響を受け、
”東京ストリート ファッション”を賑わせた。
 その彼の影響力は、S.アラカワ、川久保玲、J.ガリアーノや、
A.L.マックイーンたちは世界舞台へ
彼の素晴らしい、堂々としたオリジナリティとともに、
確かな服作りに強く共鳴し、インスパイアーし、それぞれが作品化した。

 だが不思議と、日本のメンズファッションメディアは
彼を取り上げなかった。
僅かに当時、“STREET"誌を独りでやっていた青木君と僕位で在った。
それが僕は残念で、悔しくも思い続けた。
 
 彼、缶ビールと優しい笑顔、家族想いだったChristopher Németh。
僕が大好きだった、そして数少ない、リスペクト出来た
ファッションデザイナーChristopher Németh。
 たくさんの笑顔ありがとうございました。
では、St Peter's教会で!

 追記/2023年09月記。
 多くのファッションピープルが彼、”クリストファー・ネメス”の名前を
知ったのはルイ・ヴィトンの2015年春夏メンズ・コレクションにて
アーティスティック・ディレクターを務めたキム・ジョーンズが、
”クリストファー・ネメス”のアイコニック的な柄として知られる
”縄柄”をふんだんに取り入れたコレクションによってだろう。
 しかし、彼に大いなる興味を示したデザイナーは
前述したデザイナーたち、J.ガリアーノやA.L.マックイーンたちが
既に、’90年代には、コアなファンだった。
 中でも、CdGの川久保玲は、’09年に新たにオープンさせた
”トレーディング・ミュージアム”にて販売し
以後、彼が亡くなってからは
” DSMK GINZA"のパーマネントアイテムとして販売を続けている。


4)『Christopher Németh's Memorial Day』の案内/
Sunday 22nd September、11.30 AM  
Mass followed by Christopher's Memorial Service at St Peter's Church,
Clapham Manor Street, Clapham, London SW4 6BX.
2.45 PM〜 Victoria & Albert Museum (V&A). 
Exhibition: "Club to Catwalk, London Fashion In The 1980's".
6.30 PM 〜 Dinner  -  Venue to be advised.
Your suggestion of a suitable venue would be most welcome.
St Peter's Church/
Underground-Clapham Common and Clapham North
(both on the Northern Line) are 2 minutes walk away.
or Main Line Railway/Clapham Junction station.

5)『V&Aの展覧会告示案内』/
"Exhibition From club to catwalk. London fashion in the '80s."
V&A Museum of Art & Design/
Cromwell Road
London SW7 2RL, United Kingdom

Tel: +44 20 7942 2000.

 追記/
「"Christopher Németh's Memorial Day"LONDONに参加させて頂いて、」

文責/平川武治。
初稿/2013年9月 2日。

 この度は参加させて頂き、ありがとうございました。
僕にとっても、たいへんいい機会でした。

『 イギリスらしい天候の元で、
朝の教会でのセレモニィーは
僕が生前の彼に僕の立場で、
出来る事がもっとあったのにと言う
悔やみのこゝろが沢山、それなりにありましたが
あの教会に慣れて、あの賛美歌と香の匂いに
委ね始められるようになった時、
クリストファーのあの人なつこい、優しい、
僕が大好きだった彼の笑顔が現れました。
勿論一瞬ですが、賛美歌の向こうから微笑んで下さった
あのクリストファーの笑顔は
それ迄の僕の中にあった彼への僕の不甲斐なさや悔やみが
それを見た一瞬からスーウと晴れて行きました。
全てが、明解に軽やかになりました。

きっと、けいこさまもそうであったかのように。

ありがとうございました。

 また、午後からのV&Aで再会出来た、
あの素晴らしい”ステージ”の上で見ることが出来た
僕が好きだった彼のジャケットが
今度は輝き、その耀きと想いが伝わり、感動しました。
きっと、彼が生きていらっしゃたら
また、恥ずかしながらチャーミングな微笑みと共に
ご自分の創られてこられた世界に確実に距離を持って、
缶ビールで乾杯をなさっていらっしゃた事か?
ここでも彼の笑顔を僕はその秘められた
彼のシャイなるプライドと共に感じることが出来、
嬉しく、感動しました。
そして、今回のキューレーターの方の
お仕事にも感謝いたしました。
’80年代のモードが路上に落ち始めた時に
時のセンスを感じた”逃げ足の速い”若者たちが
その激しいナイーヴさを表現しようとした時、
他方の手で掴んでいたのが”音楽”だった事を
実証なさったキュレーションの素晴らしさでした。

勿論、けいこさまはもっと激しくご感動なさった事でしょう。

ありがとうございました。

 僕のようなもの迄ご招待して下さったディナーでは
沢山の皆さんがきっと、そのような安心なさった、
晴れ晴れしさを携えて
もう一つ、そこから現れ始めた彼のプライドを共有し、
席に着かれた事でしょう。
沢山のボトルを空けられ、お料理を会話を、
それらは全てクリストファーの微笑みの存在を
皆さんがご自心のこゝろの有り様の中に晴れ晴れと
確認が出来たからでしょう。
僕は時差ボケと共の疲れは彼の笑顔に中和され、
不思議なるここち良さとしあわせな一時を
みなさまとご一緒させて頂けた夕食会は
大切なまた新たな、エピソードになりました。

けいこさまは堆積された多くの彼とのノスタルジアが
あの食卓に溢れ出た事でしょう。

ありがとうございました。

 あんなにご成長為さったお嬢さまたちにも
ゆっくりとお会い出来嬉しく、安心もいたしました。
若い世代の彼女たちがこの2013年9月22日という日を
大切な彼女たちの大いなるプライドとして共有して行けるなら
彼女たちの未来にはいつもお父様の微笑みが、
彼女たちをより、うつくしく耀かし続ける事でしょう。

どうか、
おこゝろおおらかに、今日の会を実行なさって下さった、
参加して下さったみなさまに、
僕も、こゝろ深く、大声でありがとうございました。
僕のこゝろは久し振りで見せて頂いた
彼の笑顔で晴れ晴れとしました!!と。』

 先ずは、
感謝と御礼と僕の嬉しいこゝろの有り様をけいこさまへ。
合掌。

ひらかわたけはる。

文責/平川武治。
初稿/2013年9月 2日。

 

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