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C-KDI-1/              桑沢デザイン研究所ファッション科デジュメ2007年用テーマ;「ファッションと社会性」そのー1; モードに於ける、新たなる環境と風景-プロローグ編:

はじめに;
 この”アーカイブ デジュメ”は未だ、”ファッション科”2年生クラスのために制作したものです。確か、”月2回”程の講義だったと記憶しています。生徒数は二十人程度で、皆さん熱心に聞いてくださったことを思い出します。
 約15年ほど以前のものですが、ファッションの世界の根幹はさほど変革がないこともわかるでしょう。
この時に、”業界”と言われる一つの”閉ざされた世界”のファッションとはを説明したかったのです。

1)”ファッション業界とは?;
 まず、よく言われる”ファッション業界”とは?実際にどのような構造と職種があるのだろうか?

*ファッションビジネスのカテゴリー:
Haute Couture F.B./オートクチュールファッションビジネス。
Luxury mark brand F.B/ラグジュアリィーファッションビジネス。
Pret a Porte F.D.B./プレタポルテファッションビジネス。
Apparel F.I.B./アパレル工業ファッションビジネス。
S.P.A. F.I.Clothing B./ファースト&クロージングファッションビジネス。

*ファッション供給側のカテゴリー:
F. Creator/クリエーター
F. director/イメージングディレクター
F. Designer/トレンドデザイナー
F. D.J./ザッピングデザイナー
などなど、”見込みのある実験家”、”大胆不敵な冒険家”そして、”大博徒師かペテン師”。

*周辺ファッション業界人;
スタイリスト、ヘヤーメイク、フォトグラファー、編集者、記者、評論家、ブローカー

*僕の好きなクリエーター:
‘80年代:A.アライア、J.P.ゴルチェ、川久保玲、J. コロナ、J.ガリアーノ
‘90年代:M.マルジェラ、V.ルロア、L.オルタ、A.ドゥメルメスター
‘90年代後半;L.A.マックイーン、H.チャラヤン、J.渡辺、B.ウイリヘルム、V&L.

*モードの条件;
 制度的な条件:
 経済的な条件:
 社会的な条件:

*モードのコード:
 ”衣装”と”制服”と言う、「自由」の差異の元でカテゴリィライズされた
モード。
 ”衣装”としての、「歴史衣装」「民族衣装」そして、「舞台衣装」を根幹にした「女性服」のカテゴリィー。
 ”制服”としての、「軍隊」「労働着」「スポーツ」「学校」そして、「ビジネスマン」それから、「教会」「下着」などがモード化されたのが「男性服」のカテゴリィー。

*モードにもっとも敏感な社会層は「都市中間中産階級層である。」;
東京は、自己表現が大衆化した社会。消費が文化であり得る社会。
そして、東京は都市という名の「コンビニ化。巨大なる『大衆消費社会』」

*キーワード風に、;
[見世びらかしの消費]:消費者が主役化。-消費の新たなる環境。戦後の新たなる社会環境としての「階級化社会の形成化。」-ネオ・バブル構造。
[革新・進化のための保守化]:作り手は仕掛けを創造する。-創造の新たなる環境。「新しい均衡へ向かう動き。―確信のための保守化―ルーツを知る」
―「着てみたい!!」エモーションを与える。
[悪趣味化現象]:社会現象の新しさ。-総てのものがある。ポストモダン社会の末期的一面。「すべてが、オージー饗宴の後」-キッチュ・モダニズム/ "POP"の再確認化、ー’57年にロンドンの画家、”リチャードハミルトンが提唱した『POP論』-”11のポップ”とは、以後、”ヤッピーたちのビジネス根幹”になり、A.ウオーホールを経て、アメリカの「大衆消費社会構造」へ至った。
『通俗的、一過性、消耗品、安価、大量、若々しい、しゃれた、セクシー、見掛け倒し、魅力的、大企業』
 この”POP感覚”とは意味性ではなく表層性と装飾性を楽しむ表面の魅惑にとらわれること。
-「ホスピタリティとサーヴィス」;
-ガッゼット・マルチ現象 / コンサヴァティブなスノッブ現象; 

*”21世紀らしさ”を求めるために。/「創造のための概念」を求める。:
新たな”イマジナリーボヤージュ”へ旅立つ。ー「ネオ・グランツーリズム。」ー我々は現実によってイメージを創造するための旅立ちを。

*「ポスト・ポストモダン現象」を考える。;
―「イメージの消費化」がリアリティを必要とし始める。
-イメージよりも「リアリティ/ テクスチユアー」をシルエット化。
-差異化としての「ヴィジュアリティから3D、フォルムへ」
-テクスチュアーと分量をどのように「バランスのデザイン」をして新たなシルエットを出すか。

*最後に;[質疑応答];

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<参考/「考えられる可能性」いくつかのキーワード的に、;
[ポスト・ポストモダン社会以後の社会。]/Micro-pop=popの泡沫化。
「ポスト・ポストモダン社会」―――「現象の跳ね返り」社会が再び、保守性を濃く帯びた状況下へと進化(?)し始めたこの21世紀始め。―’90年代初頭と類似。=”社会性と社会現象”。
[時代はリ・バーシブル] /”時代は螺旋階段を上る。” 
ー‘93年、湾岸戦争。――’02、’03年アフガン戦争、イラク戦争、ーー‘04年G.ブッシュの再選、[宗教の介入]
[不確実性の時代] /”すべて、確実なるものの不在。”
ー「現象の跳ね返り」ー「女が主役」から「男が主役」の時代へ: 
EX.「ロマンティック・イデオロギーの崩壊」後の現象は?
純愛もののブーム。
[ロマンティック・イデオロギーの願望]化現象としてのブーム。
火付け役は40代女性。(ここがポイント。)
保守化の根源は、「根っこ・ルーツ」の再確認もしくは、確認化。

「価値が機能性でなくなるとき、
モノはただ、ひたすらに”フォルムの差異”の戯れの中でお互いに差異を競い合う。」=[悪趣味化現象]

文責/平川武治:
初稿/2008年:

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