西日が当たっているマンションを見るのが好きだ

6月(1)
月曜日
スーパーでトマトが安い気がしたので買おうかと思ったが、いや、野菜はうちの畑で調達してなんぼだろうと思い、かわりにお買い得になっていたバゲットを買って帰る。材料がシンプルなのがいい。原料を加工すればするほど値段が上がっていくことを理解してきた。以前はスーパーに行くと、菓子パンや惣菜などに目を奪われていたが。西日が当たっているマンションを見るのが好きだ、と自転車を漕いでいて思う。住んでいる人は暑くて困っているのかもしれない。

火曜日
引っ越しに際して、不要になった家具を市の担当の人に引き取りに来てもらう。リサイクルに回すためだ。事前情報で引き取ってもらえないかもと思っていた鏡台について、Fが「これはどうですかね?」とその人に聞くと「――かっこいいじゃないですか、かっこいいっす」。そうか、かっこいいっすか……って引き取ってもらえるかどうかを聞いたつもりだったのだけど。朝食のパンを1枚残してみる。炭水化物の食べ過ぎで食後だるくなっているんじゃないかと考えたからだ。

水曜日
やや腹痛。放送大学の人類学の講座を聞く。人間の祖先の類人猿の時代は家族というものがなかく、父親はどの子が自分の子かわからなかったそうだ。その後、父親を子育てに参加させるべく核家族ができたという。自分の子を認識するかどうかはかなり大きなターニングポイントなのではないか。Fは外出なので、昼ごはんにご飯を鍋で炊いて食べる。

木曜日
かなり腹痛。食べるとお腹が痛くなるので、1日を通してスープとみそ汁を少し飲んだだけ。

金曜日
すごく腹痛。これはちょっとやばいと思い、身もだえながら服を着替え、最寄りの医者に行く。1人だったので、倒れたりする前にタクシーか救急車か呼ばないとまずいかなと一瞬思ったけど、なんとか自転車に乗れた。下り坂だけで200メートルくらい。新しくできたクリニックが近くにあってよかった。病院に着くとほっとしたのか、状態も落ち着いた。帰りにスーパーで補水ドリンクを買う。いくつものメーカーから出ていて驚いた。熱中症予防で需要があるのかもしれない。医者によるとウィルス性の腹痛で、とにかく出してしまうことが肝心だそうで、少なくとも水分はもっとしっかり摂るべきだった。

土曜日
法事。長く会ってなかったいとこと久しぶりに話す。親世代の間で将来のお墓をどうするかという問題が持ち上がっていて、面倒なことになったらいやだなと心配していたけど、いとこ同士でちゃんとコミュニケーションが取れたことで安心した。何が起こっても建設的な話ができる環境があればそんなに心配することはない。腹痛は回復して、生もの以外の料理は全部食べた。

日曜日
大学院の入学説明会を聞きに行った後、梅田で眼鏡を買う。先日、寝起きに踏んでしまい、レンズが割れてしまったからだ。駅前ビルの地下の居酒屋のような店に初めて入って、定食を食べた。駅前ビルは庶民的で手ごろな価格の店が多くて重宝する。第1ビルから第4ビルまであり、地下階もB1からB3まであって、どこに何があるのか全貌を把握できない感じがいい。

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