ドラマの１話目だけを見たようなもの

Oct. 2022 

月曜日
夕食にアジの干物を食べる。そういえば朝、ラジオでも干物の話題をやっていて、市場の人もやっぱりアジが一番と言っていた。今の製法での干物の歴史はそれほど長くない、かつては丸干しが主流だった。そんな話をしていたと思ったけど、今ちょっとネット検索してみてもそういう情報は見つからない。

火曜日
街で外国人の旅行者らしい家族が何かを探している様子だったが、声をかけそびれてしまった。こういうとき反射的に声をかけられるかどうかで、自分の心の状態がわかる気がする。

水曜日
賛否がある映画『Fukushima 50』を観る。この映画がとくにそうだというわけではないけれど、一人ずつ順番にセリフを言うと芝居っぽくなるんだなと思う。仕事で文章が硬いと言われる。

木曜日
甥っ子とバトミントンする。運動したいこっちが付き合ってもらった感じ。終わった後、彼は苔リウムがやりたいと言っていた。

金曜日
昨日はイチローのチームvs高校女子選抜の野球の試合も観た。女子野球は、いい意味で球の動きの遅さが魅力だと思う。すーっと伸びていくライナーをより長い時間楽しめる感じ。女子スポーツ全般に言えるかもしれない。ボールの物理運動を眺めるのが好きな人にはいいと思う。

土曜日
めずらしく朝早く畑に行ったら、スギナについた水滴がきれいだった。街の生活だけじゃないものも自分にとって必要なのかもしれないと少し思うようになった。アマゾンプライムの無料期間のうちにと、普段見ないアニメをいくつか観てみた。バックパッカーでいろいろな国にいったけど、あれはアニメやドラマの１話目だけを見たようなものだなと思う。深いところは全然わからないけど、世界観はなんとなくつかめた気がする、みたいな感じ。

日曜日
交差点で少年野球の子供が転んだのが見えたので、大丈夫かと寄って行ったら、自分のバッグを蹴りながら悔しそうに何か叫んでいる。先に道を渡った子たちに悪さをされたらしい。転がっていたバットを拾ってあげて「がんばれ」とだけ声をかけて離れた。別の言葉のほうがよかったかもと、あとから思った。なんだろう、「いいバット持ってるね」とかだろうか。よけいに怪しいか。