言葉は世界と結びつかないと覚えられない
英語を勉強するのに、あり得ないシチュエーションの会話文を覚えても仕方がない。これまでそんなふうに思うことがしばしばあったけど、橋本陽介著『7カ国語をモノにした人の勉強法』を読んで、その違和感が理解できた気がする。
この本で中心となっている考え方は、言葉は実際に自分がいる世界と結びつかない限り覚えられないということ。だから単語帳だけを見て覚えようとしても覚えられないし、仮に覚えたとしても身につかない。そうではなくて、実際の生活の中で、これはこう言う、こういうときはこう言う、と知る必要があるという。
確かにそうかもしれない。だから、現実的ではない会話文を覚えても仕方がないのだ。
世界と言葉を結びつけるために著者の橋本さんが勧めているのは、ドラマを見る方法。実際、橋本さんもアメリカの「フレンズ」というドラマを見て、英語ができるようになったそうだ。その話を聞いていると、自分もできるような気がしてきた。
日本の英語教育は「音」をないがしろにしているというのが、著者の橋本さんの意見である。ドラマを見て音を聞き、英語のリズムに慣れ、現実的なシチュエーションを知ることで、英語を体得することができる。字幕を英語モードにして観るのがよいそうだ。さっそく、休みにドラマのDVDを借りてきて、それを見まくり、家庭内留学してみたい気になってきた。
そうやって短期集中で覚えるのが、語学では有効だ。語学の勉強は逆向きのベルトコンベアのようなもので、いったん覚えたつもりでも、しばらく時間が経つと忘れてしまって、元の位置に押し戻されてしまうという。そうならないためには、ベルトコンベアよりも速いスピードで、ある所まで一気に到達してしまうしかない。
実際、著者も1日に何本も集中してDVDを観たそうだ。ドラマは実際ハマる人もいるというし、観たら観たでおもしろそうなので、早く実行してみたい。
しかし、この著者の語学に対するアプローチは、この前読んだ『世界の英語を歩く』で書かれていた、「英語はツールとして開き直って使えばいいんだ」という考え方とは真っ向からぶつかる。言語は道具のように自分の外側にあるものではなくて、自分のなかに取り込まないとマスターできないと言っているからだ。
まあ『世界の英語を歩く』の著者も英語をマスターすること自体を否定している訳ではなく、ネイティブ志向もほどほどでいいんじゃないかと言っているわけだけど、どちらにしても英語モードを獲得して損はないと思う。
著者はこの方法で7カ国語をマスターしたという。とにかくドラマを見まくって音とリズムを体得してみたいと思ったのだった。
『7カ国語をモノにした勉強法』
『世界の英語を歩く』
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