見出し画像

一人旅

一人旅が好きだ。

一人っ子なので一人で過ごすのが得意だというのもあるが、なんせ一人旅の気楽さと行き当たりばったりに色んなものに巻き込まれる感じがとても性分に会うのだ。

一人だと、多少予定が狂おうとも、道や乗り物を間違おうとも、苦労して行った先がいまいちだったとしても同行人のご機嫌を気にする必要がない。
自分の腹の中で納めてしまえる。
予想しない展開に乗っかるときも、多少の危険に飛び込むときも、止める者がいない。
万が一なにかあっても自己責任の自業自得で済ませられる。
そこが良い。

初めて一人旅をしたのは、20才くらいの時。
飛行機に乗って、青森の寺山修司記念館に行った。

寺山修司記念館のまわりはめちゃくちゃ大きな公園みたいになってて、間違っても徒歩で行くべきではないのだが、私は青森の公園の広さレベルをナメていたので、行きはタクシーで行って、帰りはワンチャン頑張れば街に出られるだろうと思って大きな荷物を抱えて歩き始めた。

歩けども歩けども何処にも辿りつかず、行き過ぎる車の運転手さんがみんな驚いて振りかえるような状態。
さすがにこれは間違えたと思ったとき、一台の車が止まっておじさんが乗っけてくれた。

おじさんは私をホテルまで届けてくれ、翌日また車で観光に連れていってくれるといった。

普通はこの誘いには乗らないのだろう。
しかし、このときの私は「やったー!」となって、翌日おじさんの車に乗せて貰うことにした。

おじさんは、車に私を乗せて青森から行ける観光地に色々と連れていってくれた(竜飛岬はすごかった)。その上、色んなものを食べさせてくれ、お土産もたくさん買ってくれた。
さすがに最後「度の日程のばして一緒にホテルに泊まらないか」と誘われたが、断ったらあっさり引いてくれたので、結果無傷である。(絶対に真似しちゃいけないし、私は助手席でずっと鈍器にもなる折り畳みナイフを握っていた)

金比羅山に行った時も、喫茶店で一眼レフをいじってたらカメラ好きのオジサンに話しかけられて、そのおじさんの車でカメラ屋さんに連れてってもらったあと海辺で写真撮らせてあげたらお礼にいっぱいお土産買ってくれた。

人に話すと「ぜったい危ないからやめなさい」と言われるんだけど、結果無事に生きてる。
まぁ、流石に人にオススメはしないけど。

「一人で出かけるのムリ」て人の気持ちがわからないんだよなぁ。

特に女性はちょっと出かけるにしても「1人は嫌だから、あんまり仲良くない人でもいいから誘って連れてく」て人が多い気がする。けど、私の場合は「あの人と会う」がまずイベントとして1番に来ないと「誰かと一緒に出かけよう」とはならない。

一人で損するのって、宿が取りにくい以外なくない?
だいたい一人の方が得しない?
お店も1人の方が席取りやすいし、色んな場面で優しくしてもらえたり、助けてもらえたりしない?

一人旅は、好きなだけ好きな場所に居続けたっていいし、思いつきで変な道に入っていってもいいし、急に道に寝転がって写真撮り始めても「やめてよ恥ずかしい」なんて言われない。
思いつきで急に出かけられるし、思いつきで行先変えたっていい。
誰に断る必要もない。

なににも縛られず、気も使わずに全てを自分で決められるのが好き。

できれば、ずっと一人旅みたいに生きたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?