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「水曜日のおじさんたち」と、最近の色々を見て思ったこと

誰かが亡くなったというニュースが流れた時、SNSで”その方との思い出”を綴った文章をよく目にする。
大きな存在だった方が亡くなったときほど、身近な親しい人たちだけでなく、1度だけ会ったとか、ずっと憧れてたという人からの熱のこもった言葉もたくさん流れてくる。

最近の高橋幸宏さんや鮎川誠さんもそうで、本当にとっても素敵な方だったんだなと思ようなエピソードが次々と溢れてくる。
忘れられない一言とか、あとから気付いたその方からの気遣いとか、テレビやライブで見たエピソードとか、たくさん。


そういう色々を目にしていたのとちょうど同じくらいのタイミングで、力一さんが「水曜日のおじさんたち」という番組のゲストに出てらして、「水曜どうでしょう」ディレクターの藤村さん、嬉野さんとお話されていた。

すごく心に残る、良い番組だった。
皆さんから深くて興味深いお話が聞けたのも良かったんだけど、なにより藤村さん嬉野さんの気遣いや言葉のかけ方の丁寧さ、優しさに驚いた。

力一さんの回を見たあと、舞元さんの回も見たんだけど、どちらの回でもほんのちょっとした所に気づいて「気にしないでね」ということをさり気ない言葉で伝えたり、話を相手に戻して「だから君は素晴らしいと思ったよ」とまとめたりを自然にサラッとされていた。
「面白いね」「良いね」「好き」「今すごく良い経験をしてる」という言葉が何度も出てきた。
当たり前にそれが出てくるのは、常にそうしてきた方だからだろう。

力一さんの丁寧さや、誠実に相手の言葉に向き合うところ、臆せず1歩踏み込んで話すところも素敵だったし、舞元さんの空気の掴み方や、相手の波長に上手く乗りながら話を広げる感じもかっこよかった。

ここに出てる人たち全員が、それぞれの才能があって、かっこいい大人で、良い人間なんだなという気持ちよさがあった。


前に何かで「いくら才能があっても、顔が良くても、人間性がダメなやつは消える」と言ってるのを聞いたことがある。
単純に「一緒に仕事をしたくない」と思われたら仕事が来なくなるというのもあるだろう。
それ以上に、細やかなことに気付けて、それを良い方向に表現出来ることや、良いと感じたことを直ぐにちゃんと言葉や行動に移せることが「良いものを作り続けられる人」「人の心を動かせる人」なんだと思う。

横にいる人の心を掴めない人が、大勢の人の心を掴めるはずないもんね。

良いと思ったものが伝わらなかったことなんて、誰でも何度でもあるだろうし、良かれと思ったことが裏目に出ることだってあるだろう。
そんなのは、普段の言動も、作品も、なんでもそうで、1度や2度そんな事があっても「良いと思うもの」は表現し続けないと届けたい人に届かない。


後から「素晴らしい人だった」と語られる人に、良い人になろうとか、皆によく思われようと思ってた人はいないと思う。
ただ、良いと思ったことをやり続けてきたんだと思う。
そして、「良いと思うこと」に「他人のモノサシ」が入ってないから、迷わずに出せるんだと思う。

自分もそうありたい。
けど、他人の基準を入れずに「良いと思うもの」を固めるのって難しいよな。

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