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明日できることを今日やるな

最近上司が新卒採用の面接官でのグループディスカッションで「大手マスコミの採用戦略を考えよ」的なお題を出したという話の中で、「某マスコミの会社は忙しいイメージで学生から人気がなかった」という話になった。

一昔前はテレビ局や広告代理店あたりは人気上位の常連だったし、今でもランキングでは人気が高いのは事実なので、少し驚いて「今の若い人の価値観にはホワイトなイメージが不可欠だし時代を感じますね」と言ったのだが、よくよく考えてみるとコンサルティング業界も忙しいイメージの代名詞なのだよなぁと思った。

しかしワンキャリアのこのデータを見てもやはり人気は圧倒的にコンサルティング会社に軍配が上がっており、上位の10社には自分が在籍経験のある会社がなんと3社も入っていた。

ではなぜ同じ忙しいイメージの会社なのに、マスコミよりもコンサルティング会社が圧倒的に人気なのか?どうもそこにはキャリア感や実力主義に関する若者の価値観があるように感じる。

昔自分がコンサル会社に初めて転職した時に、上司から言われたのは「明日できることを今日やるな」だった。自分は祖父母から口酸っぱく「今日できることを明日に伸ばすな」と言われて育ってきたので、この言葉はすごく衝撃を受けた。

真意を問うてみると「コンサルはやることが五万とある。その中で最も重要なものから手をつけていかなければならないのだから明日できることを今日やらず、今日やらなければならないことにフォーカスせよ」という教えだった。今でもこの言葉は大事にしている。

自分の実力でアウトプットを出さなければならない世界。しかも労働集約的な部分も未だに大きいコンサルの世界ではこういう価値観が大事だと思うし、全てを完璧にこなすなんてことは不可能なのだから取捨選択することが大事になってくる。

マスコミや広告代理店は考えてみるとビジネス的な実力以外の要素も大きい。親のコネや人の繋がりが大事な旧来的な和を大事にする要素が多分に濃い。

どうも最近の若い人はその辺の感覚が鋭いのではないだろうか。前にもnoteに書いたが最近の若い人は本当に地頭が良く優秀な人が多いと思うから、そういう優秀な若い人は能力やスキル以外のコネや家柄みたいなものでしか勝ち残れない社会を本質的に避けているのではないかと感じている。

だからこそ自分もマネジメントをする際には、徹底して丁寧にちゃんとしたビジネススキルを若手に教えることにこだわろうと思っている。

本気で寝ないで死ぬほど働いてきたコンサルを知る最後の世代として、如何に今の世代に合う形でスキルや考え方を伝えていくのか、人事コンサルとしてもこの実践がいかに自分のチームで出来るのかに拘っていきたい。

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