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【漫画】『群青学舎』が好きな話

映画の話が続いたので好きな漫画の話をひとつ。

前段として、まずは私の漫画遍歴から。

小学生の頃にりぼんとなかよしが大好きで、毎月楽しみに読んでた。
その頃りぼんでは『ときめきトゥナイト』『ママレード・ボーイ』、なかよしでは『セーラームーン』『魔法戦士レイアース』など、いまでも根強いファンがいる名作揃いの年代だった。

年齢が高くなるにつれ、りぼん・なかよしは卒業、マーガレットや花とゆめなど、少女漫画雑誌と呼ばれるものは恐らくほとんど読んでいた。雑誌のみならず単行本も買い漁り、部屋にどんどん漫画が増えて行った。

そして、並行するようにジャンプも黄金期を迎えていた。
『スラムダンク』『幽遊白書』『ドラゴンボール』『ジョジョの奇妙な冒険』など、これ以外にも全部看板作品なのではという物凄いラインナップであった。あの頃は毎週追い掛けるのが忙しかったけど楽しかったな。
ジャンプは週刊だから部屋中がすぐいっぱいになってしまい、泣く泣くバックナンバーを捨ててたな。

そして成人してからは青年・女性向け漫画へキレイに移行していった。アフタヌーンとか、Cookieとか。やはり私の漫画はずっと傍にあった。

そんな漫画の英才教育を受けて育った私は、お気に入りの作家が年を追うごとに増えて行った。昔から大好きなのは聖千秋、いくえみ綾、マツモトトモなどの女性作家。井上雄彦、小山宙哉、鳥山明などの男性作家陣、このあたりは鉄板だ。

そんな中で異彩を放っており特別お気に入りな作家がいる。それが入江亜季だ。まだ読んだことのない方はぜひ一度は彼女の作品に触れてほしい。
なんと彼女は私と同郷、香川県出身なのだ。そこもまた推せるポイント。

そして彼女の作品で1番好きな漫画、それが『群青学舎』だ。

一応全4巻で完結しているが、1巻の中にオムニバス作品が何話も収録された形なので、是非また続きが読みたいとずっと願っている。

まず惹かれるのはその絵柄。少しレトロな雰囲気はあるものの、男女どちらも魅力的なキャラが多くて顔がいいキャラが多いのだ。絶対推しが1人は見つけられるはず。
物凄い画力で人物のみならず背景・風景も見ごたえ抜群。表紙を見てピンときたらぜひ迷わず購入してほしい。中身は保証する。

この本の中で彼女の描く物語は根底にファンタジー要素があり、まるで星新一作品を漫画にしたような不思議な気持ちになる物語もあれば、ロード・オブ・ザ・リングのような壮大な世界観の物語もある。
かと思えば、ある学校の何気ない日常を描いたノスタルジックな物語もある。とにかく多彩で読み飽きることがないのだ。

彼女の作品を知ったきっかけは、立ち読みで雑誌を読んだときだ。その時に収録されていた騎士と兵士のオムニバスが忘れられなくて情報を探しまくった気がする。なんだこの作家、なんか凄い世界感の人出て来たぞ!と興奮したのを覚えている。

たまにポツポツと描いて、まとまったら1冊出る。というスタイルだったので、今か今かと最新刊をいつも待っていた。
『群青学舎』はどこから読んでもいいし、いつ読んでも新しい発見をくれる素晴らしい漫画だ。たまにシリーズものもあったりして、登場人物の続きが見れるのも嬉しい演出。
壮大なスケールの物語も多くあるので、洋画好きの人とは相性がいいかもしれない。

そんな彼女は長期連載も行っている。こちらも負けず劣らずの名作『乱と灰色の世界』。魔法のスニーカーを履くとあら不思議、大人の女性に成長しちゃうというメルモちゃん形式の漫画だった。全7巻。

彼女はオムニバスこそ力が発揮できる作家と思っていたところ、長期もいけるんかい!とのけぞった作品である。
現在は『北北西に雲と往け』を連載中。舞台はアイスランド、車の話し声が聞こえる(!?)不思議な青年のロードムービー風の漫画。先行きが全く読めなくておもしろい。

もったいなくてあんまり人に教えたくない作家っていませんか?それが私にとっては入江亜季だけど、もっと彼女の漫画について色んな人と話したいのでここで布教しておく。


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