絶対に押すなよ


この言葉が
こんなに重い響きを持つ1週間になるとは
誰が思っただろう

上島竜兵さんが亡くなった

どうやって亡くなったかは
敢えて書かない

ニュースやワイドショーで散々
色々な情報や過去を垂れ流しにされ
ご本人も気が気ではないだろう

これでは成仏したくても
し切れない

霊感なんて持っていないけれど
そんな気がする

「もうそっとしておいてあげてほしい」

切にそう思うが
情報番組は嬉々として
彼の亡くなった経緯や
過去を電波で流し続けている

そしてその情報と共に
彼らの知人もコメントをしているが

わたしはどうしても
そのコメントの数々に違和感を抱いてしまう

彼を長く知るある人物は
彼の死に対して「残念だよ」と言い

ある有名司会者は
「みんながこんな風に悲しむって、わかっていたの?」と呟いた


別に彼らに悪気がないことは
100も承知だが

あのような亡り方をした方に
そんな言葉をかける必要はあるのだろうか

みんなを悲しませたり
がっかりさせることなんて
じゅうぶんに分かっていたはずで

分かっていたけれど
もうのっぴきならないところまで
行ってしまわれたのだ

だから誰にも胸の内を明かすことなく
ひとりで静かに死んでいく決心をしたのに

それに対して
長年の知り合いたちが
このようなコメントを出す必要はあるのだろうか

「大変だったね
 苦しかったね
 相談のってあげられなくてごめんね」

私ならそう言う


文字通り
ご本人が「決死の思い」で
選んだ取り返しのつかない決断に
周りが「残念だよ」という態度を取るのは
あまりに無礼ではないか

そもそも
少しでも相談出来るような人間が周りにいれば
ここまで追い詰められることも
なかったかもしれない

「残念」「悔しい」と思うべきなのは
故人とそこまでの信頼しか築けていなかった
自分自身に対してであって

ご本人に対して向ける言葉としては
あまりに冷たい気がする

完全な私個人の解釈だが
日々更新されていく情報の中で
いくつか引っ掛かる点があったので
こちらに書かせていただいた

そして改めて

上島竜兵さん

ご冥福をお祈り致します

今までありがとうございました


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