ビギナーズラック
「飴はいかがですか?」
「あ、じゃあもらいます。」
昨日はバイトの面接。
とてもお腹が空いていて
本当はサクッと終わらせる予定だった。
土日は入れないって言っているのに
責任者という名の
iPadをずっと上下に動かす人。
(名前は忘れた)
何度も「土日は厳しいんですね?」
と聞いてくる。
厳しいです。と何度も返してるわけで
そんなに渋るなら落とせばいいのに…
って思っていたけど
「午前中なら…」と言った。
1時間半くらいに及ぶ面接だった。
バイト募集で
「髪色自由・平日のみOK・1日4h以下可能」
そう絞って応募したバイトも
大体は髪色は茶髪のみで…とか
土日入れないと厳しい…だとかだ。
髪色ってそんなに大事なのか。
実はこの日の面接は
髪色は厳しいと聞いたことがあったから
わざわざ染めに行ったのだ。
ラベンダーアッシュ。
まぁ色が入ってたからこれは私のミスだが
色落ちした時も基本的にピンクがうっすら残る。
その写真をその面接時に見せた時に
「んー…微妙なラインですね…」
って何を基準に見ているのだろう。
金髪ならまだしも派手髪でもない
若干色が入っているだけの女の子に対して
汚れた印象があるのだろうか。
髪色に厳しい日本。
ってわけで帰りにお腹を空かせて
いい気持ちにももちろんならなくて
どうしようかな思っている時に
パチンコ屋が目に入った。
ずっとビギナーズラックを狙いたかった。
なんか18歳以下は入れません。
という文字が
いけないことをしているかのようで
ワクワクした。(22歳の私には全然悪いことはしていない)
どの台がいいのかもよくわからず
なぜか見かけたことのある
海物語というのに座った。
2000円まで。ハマるのが怖いから決めていた。
どうしたら玉を打てるのかさえもわからないし
どうしたら玉が出てくるかもわからないので
適当にボタンを押し続けた。
冒険だった。
最初は一投ずつ打った。
でもなんか違うなと察した私は
固定して右ハンドルを回した。
INするのになかなかビンゴにならない。
夢中になっている間に
終了のアナウンスが流れた。
50分ほどの格闘だった。
余った玉をどうするかも知らない私は
店員さんに助けを求めた。
カードを持ってカウンターにいる女の人に声をかけた。
景品がもらえるらしい。
お祭り気分で楽しかった。
おそらくこれを負けるというのだが。
ばかうけとルマンドとチョコを選んだあと
細かい数字が残った。
「飴はいかがですか?」
そのままもらった。
こんなシステムなのかと思いながら
ビギナーズラックは
営業時間に邪魔されただげだ。と思い
諦めきれなかった。
きっとまた時間が空いたらいくだろう。
2000円札もって。
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