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十年前に、、、 #308

 久しぶりにここに書き残したい気持ちになりました。
 読んでいただけましたら幸いですm(__)m。

 十年前に、『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)を読んでいた。
 図書館の本であったから返却しなくてはならなくて、読んでる途中に琴線に触れた文章を書き留めていた。最近、その書き留めたノートを開く機会があって、再び目に留まり、深く深く胸に刻み込んでいる。
 これは、いま必要な方が他にもいらっしゃるのではないだろうか? 
 そんな衝動に駆られ、私は伝書鳩のごとく、ここに引用します。田口ランディさんどうかお許しください。

「必死に世界を探そうとしたわけです。自分の本当の世界が必ずあるはずだと思ってね。四苦八苦、七転八倒しながら狂って、狂って、その時初めてわかったんだな。俺は不知火海の海辺の女島という小さな漁村に生まれ育って生きてきた。生かされてきたということがね。これこそが実は俺の命の物語そのものだったと気づくんです。その<物語に従う>というか、そこにとどまってシステム社会のほうに行かないで、俺は水俣に還ってきたんだと思うんです。俺自身がこの不知火海やこの山々のひとつだ、ということに気づかされたんですね」 

『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)より

「だれというか……。自分を超えたものです。けっきょく自分でどんなにあがいても、お釈迦さまの手のひらにいる孫悟空みたいなもので、なにか大きなものに動かされてるって感じなんですよ」

『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)より

 

「(略)二十代の頃は苦しくて苦しくて自殺したかったり、いっそのことチッソもろとも爆死なんていう自爆テロのような衝動を必死で抑えてた。そういう死にたい衝動が何十回どころか何百回と襲ってくるわけですよ。だって生身の人間にはそこまで言えませんからね。それにもう人間とは言葉が通じなくなっているんですよ。気が狂ってるんだから、しょうがありません。だからね、言葉が通じないものに投げかけるんです。草木や、空を飛んでる鳥であったり、海であったり、魚であったりね」

『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)より

 

「答えはくれないです。でも慰めてくれるというかやわらげてくれる。いっしょに案じている。自然のほうからはけっして拒絶しない」

『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)より

 

「深い次元で対話をしているんですね。自然と。しかも一方通行じゃなくて相互通行が成り立っているんです。(略)深い深い心の底でつながりあってる。この大自然とね。そういうってのはやっぱり好かれちょるんじゃないですか。この空間から。好かれちょるってのは惚れられちょるってことですから。にんげんが大自然から惚れられちょる。なにものにもかえがたいかけがえのないもの、無償の価値っていうんですかね。そういうものがあるんです。金にはかえられない」

『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)より

 

「金の価値観というのにとらわれずに生きたい。そういう金の支配する世界を脱したい(略)いくらかの生活費というのはどうしてもいるわけなんですが、それでもそのことを自らの必要さ、自己決定ということに重きを置いて。コマーシャリズムに乗せられないで自らの主体的な判断、意思決定、その必要さを自己決定していくことが大事だなと思ってきました」

『サンカ―ラ この世の断片をたぐり寄せて』(田口ランディ著)より

 
 note の世界もまた大自然の中のひとつ、ふか~いふか~い心の底でつながっていると言えるのではないかな~、私にはそんな風に思えています。


 最後まで読んでいただきましてありがとうございましたm(__)m


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