嘘つき助くん。

いつから嘘をついて生きて来たのかわからない。きっと今まで僕が出逢った人のなかで僕が相手に一切嘘をついたことのない人なんていないと思う。

」って悪いことなのはわかってるけど、本当のこと言えばいいだけなのに僕の口からは勝手に嘘が出る
嘘をつこうと思って話してるんじゃない。いつの間にか本当のことみたいに口が勝手に動くんだ。なんの罪悪感もなく、鉄くずみたいにボロボロと、いかにも自然に。でも幸い、まだバレたことはほぼないみたい。このことに気づいたのは最近。友達と話してて思ってもないことをスラスラ話してる自分を見つけたから。「あー、また嘘ついてんなこいつ」って自分のこと見てる感覚。

一番古い嘘をついた記憶は、幼稚園の年中さんのとき。将来の夢を聞かれて、仮面ライダーって答えたら
女の子は仮面ライダーになんてなれないのよ
って先生に言われたときだったと思う。周りにいた子たちにも変なの〜なんて笑われちゃって、なんだかすごく恥ずかしくなって居た堪れなくて
本当はおジャ魔女どれみ
なんて言った気がする。思ってもないのにね。先生は
ほら、仮面ライダーなんて嘘だったでしょ、やっぱりかわいくて強い女の子になりたいよね
なんて言った。
僕の『本当』はあっという間に『』になった。
でも、嘘をついたら褒められた、仲間に入れてもらえた。
家では、失敗や悪いことをすると親に怒られた。怒られるっていうのは怒鳴り散らされること、死ぬんじゃないかって思うくらい殴られること、存在価値を否定されること。それを逃れるのに必要なのは嘘だった。パパやママからみたら良い子でいるため、失敗なんてしないため、理想の女の子でいるため。綱渡りみたいな嘘つき大会。

あぁ、書いてたらなんかわかって来たかも。僕には生きるために嘘が必要だった。それだけのことかも。
でもねそろそろ僕気づいたんだよね、嘘をつくのってすごく疲れる。なんの感情も感じないって言ったけど、心のスイッチ切ってただけ。気づかない、見ないふりしてただけ。たぶんそう。
つらい、くるしいって言ってる自分にもきっと嘘をつき続けてただけ。

ねぇ、僕そろそろ辞めたいよ。
意識して辞められるもんなのかな。
せめて友達と話すときくらい、
嘘のない会話をしたい。

#嘘つき #見ないふり
#自己 #トランスジェンダー

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