作品作りについて

作品を作ることについて考えてみた。私は絵を描くのが上手いわけでも、器用なわけでもない。ものを作ることに理由がない。ただ作りたい。理解するのが面白い。理由がないのに私は理由を探している。楽しいから。面白いから。とか考えてみるがよくわからない。

今は漆の乾漆という技法で春をテーマとした作品を作っている。私の思う春は新しい出会いの季節だ。私はその出会いに対して猫を被って人と接する。なるべく棘が出ないように。優しい自分であることに努める。そんな優しさという建前でなかなか自分を出せない私を非常にもどかしさを感じる。そんな季節。でも、桜が散るように タンポポの綿毛が飛んでいくように それはどこかに飛んでいくものだろう。そんなことを考えて「猫を被ってても良いよ。いつかは被らなくてもよくなるし、大丈夫。」という思いの作品を作っている。人の顔に猫の仮面をつけたヴィジュアルの作品。奇妙に見えがちなものになるのをどうにか防ぎたくて、可愛らしく美しく作ることを大事にしている。良い作品にしてあげたい。

私は私の思考回路が好きだし、面白いものを作れると思っている。だが、最近もうちょっと息を抜いて作ってもいいんじゃないとおもう。そう思ったのは同じ専攻の子の作品を見たからだ。彼は冬をテーマとしてカエルの冬眠を表現した作品を作っている。何枚かの葉っぱの中にカエルの頭が見えていてすごく可愛らしい。愛らしい。ほっとできるような、深呼吸したくなる作品。彼の優しいところ、動物に対する愛が込められてて美しい。そんな作品を私も作りたいと思った。私はいつも頭が固くなってしまい、作品もガチガチだ。今度は彼のようなふっと息が抜ける作品を作ろう。




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