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夢、もののけ姫を観る


「ここは特別な場所だから、通れば分かることがあります」とアナウンスが流れた。
モノレールのような乗り物に乗ってものすごい速さで荒れる海のスレスレや波の中を通り過ぎ、深い青い水と淡い青い空との隙間をくぐり抜け、やがて芝生の生えた晴れた高台に辿り着き、遠くを見やる。
あんなに大荒れだった海も今は静かに透明に輝いていて、遠くに小さく見えるトンネルの暗い穴の向こうにも、青い水面がキラキラと光っている。
私はその全てを見下ろしながら人生の秘密のようなものが確かに分かったのだけど、目が覚めたらそれがなんだったのか、すっかり忘れていて、今もどうしても思い出せない。

遅かれ早かれ人はかならず死ぬ。
事故や病気を恐れて死なないために何もせず家に閉じこもっていてもいつか死ぬ。
どんなに死なないように気をつけたって死なないように気をつけたまま死ぬ。

かといってただ生きるために生きるのは苦しい。肉体の終着点が死である以上、生きるために生きていると余白がなくなる。どん詰まる。

心が震えること。感動すること。
芸術と自然には魂の居場所がある。
音楽やアートや山や湖や。
人の中に芸術や自然があるときも。
原点は同じ。

調和と共鳴に、宇宙の星々に興味がある。
あと指揮者。


8月の頭に思いたってジブリ作品、メイキング、宮崎駿ドキュメンタリーのDVDを買い揃え出した。
私は宮崎駿作品がどんな映画よりも大好きで、そもそも宮崎駿が大好きで、この人が同じ時代に生きているということでどれほど救われてきたか、その「どれほど」は言葉を超えている。
今『もののけ姫』を見ていたらジコ坊が言った。
「人はいずれ死ぬ。遅いか早いかだけだ。肝心なことは死に食われぬことだ。」

持病が心臓なので生き死にのことをより強く思うのだけど、あまり強く思いすぎると動けなくなる。
死に食われぬこと。
今と未来は線ではなく点で繋がっている。

もし不安や恐怖から逃れられたら何がどう変わるか。アシタカに聞いてみたい。
今朝の夢の中で分かったことはなんだったのだろう。
思い出せないのがとても残念だけれど、あの海のある景色はどこまでも青く広々としていて、本当に美しかった。







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