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仏教と禅の関係①

最近マインドフルネスや坐禅が流行ってますが、「仏教」と「禅」ってどんな関係にあるのか、皆さんご存知ですか?



まず、仏教と禅についてざっくり示すとこんな感じです。

仏教はインドで生まれたものですが、禅は中国で生まれたものです。
仏教が中国に伝わった際、形を変えたものが禅です。
つまり、禅は仏教の一派ということになります。
その証拠に、仏教も禅も、”悟り”に至ることが目的(ゴール)になっています。

では、なぜ仏教は仏教のまま中国に伝来せず、禅という形に変化することになったのでしょうか?それは、中国の人々の”気質”が関係しています。

当時の中国の人々は、極めて実践的でした。現代ぽい表現で言うと、「現実主義者」とでも言うべきでしょうか。あらゆる考え方や思想は、自分たちの日々の生活を営む中で落とし込んで暮らしてきたわけです。中国土着の思想である儒教が、極めて実践的な哲学(処世術)であることからも伺えます。

そんな彼らのもとにやってきたのが、インドからやってきた仏教の教えです。当時はお釈迦様が亡くなってから時間が経ち、弟子たちによって神格化されたお釈迦様の教えや神秘主義的なエピソードの数々がモリモリに伝えられたわけです。当時、中国の偉い学者さんたちは、サンスクリット語で書かれたその経典を一生懸命漢語に翻訳し中国国内に広めようとしましたが、現実主義で生きてきた彼らには「何じゃこりゃぁ・・・」としか映らなかったことでしょう。

そんなわけで、彼らは「悟り」の教えを中国の人々の日常生活に当てはめて解釈する独自の方法を編み出し、深い精神経験の表現法として「禅」を生み出さざるを得なかったのです。禅を生み出す過程で、中国土着の思想である儒教や道教の影響を受けたであろうことは容易に想像できます。
(この辺は別途ポストします)

中国の人々の「現実主義」が生んだ「禅」が日本に伝わり、いまや世界で最も進んだ思想哲学の元になるとは、何とも不思議な感じがしますね。

禅と仏教や道教については今後も色々と書いてみようと思います。

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