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屋根裏部屋

2016年4月まで福岡県北九州市の小倉に住んでました。ここで結婚し、子供も生まれました。18年間住んだ忘れられない街です。

2人目が生まれることになり新しい部屋を探すことになりました。そこで見つけたのが屋根裏部屋のある物件。賃貸マンションなのに屋根裏部屋がある?今思い出しても不思議な物件でした。

実は不動産会社もこの屋根裏部屋の存在を把握してませんでした。ダイニングキッチンの天井を見上げると四角い枠のようなものがあり丸い鍵穴みたいなものも見える。あれ?これ何だろ?と不動産会社の人が言って、壁に立てかけていたフック状の長い棒を天井の鍵穴に入れて回すと、なんと昇降式の階段が出てきました!

するすると階段を伸ばしオソルオソルのぼる不動産会社の人と私たち家族。
「あ、これは…」思わずみんな言葉を失いました。

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10畳のフローリングの部屋が出現し、壁一面には備え付けの書棚がありました。「もっと家賃高く設定してもよかったな」と不動産会社の人がつぶやいたのが聞こえましたが後の祭りです(^^)。速攻で契約しました。

子どもが小さかったこともあり、ここは私専用の部屋になりました。無印良品で買ったのはシンプルな木製デスクとワーキングチェア、そして「体にフィットするソファ」の大と小。屋根裏部屋に持ち込んだのはこれだけ。あとは書棚に好きな本を並べて完成です。無印良品の「体にフィットするソファ」の大と小を並べるとちょっとしたベッドのようになります。小さいほうがちょうど足を乗せるオットマンみたいな感じで大小合わせると体が包み込まれて気持ちがいい。この状態で本を読みながら寝落ちしてしまうのが無上の幸せでした。

子供にも遊び場として開放してやりました。コカ・コーラのアルミのスリムボトルをボーリングのピンに見立てて遊んだりもしました。ボールを転がすとピンの倒れるガシャンガシャンという音が響くのですが、屋根裏部屋だから周りに迷惑がかからないので平気です。友達を連れてくるとみんな喜んで屋根裏部屋で遊んでいました。

ユースケ発案のドライヤーサッカーも当時を思い出す遊びです。ドライヤーを2つ用意してそれぞれ延長コードをつなぎ、ピンポン玉を前に向かい合い掃除機をかけるような姿勢でドライヤーを構えます。試合開始と同時にドライヤーの風でピンポン玉を転がし相手ゴール(壁)まで持っていくと得点!というゲームでした。思うようにボールが動いてくれないのが面白くて親子で盛り上がって遊んでいました(^^)。

本棚を見ればその人がわかるとよく言います。どんな本を書棚に並べていたか載せてみたいと当時の写真をずいぶん探しましたが出てきませんでした。あの頃はあれがずっと続くと思ってたのでしょうね。写真を撮ることもしなかった。代わりに出てきたのは北九州を離れる前の書棚がからっぽになった写真だけ。これから先もう二度と屋根裏部屋のある部屋なんて出会わないだろうな。あの頃のあれこれを思い出す一枚です。

このあと行く先々の住まいで大量の本の置き場に困ることになるわけですが、それはまた別の話ということで(^^;


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