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空気のようにとけた言葉

「読売新聞『編集手帳』傑作選」を読んでて、ある言葉に目が留まりました。

【指恋(ゆびこい)】という言葉、ご存知ですか?2008年の若者言葉らしいです。意味は「好きな人と携帯でメールをすること」だそうです。当たり前すぎて今ではその言葉もないんじゃないでしょうか?

当時はそれが新しいことで、それを説明する新しい言葉が生み出されたわけですが、時を経てそれが当たり前になり言葉が消滅するというのは、とても面白い現象だなと思いました。

言葉は生きものと言われるように、流行りすたりがあるのは仕方がないこと。でも言葉が使われなくなるのは、流行らなくなるだけではなく、当たり前になりすぎて意識されなくなる場合もあるんだと気が付きました。

例えば「ユビキタス」という言葉がありました。「いつでもどこでもネットにつながる」といった意味だったと思います。ユビキタス社会がやってくる!と言って騒がれてた時代があります。今では当たり前すぎてわざわざ「ユビキタス」という言葉を使う人もいません。

今なら「IoT(Internet of Things) モノのインターネット」あたりが、後の世に消滅する言葉の筆頭かも(^^;)

そうやって消えていく(消えていった)言葉を考えるのも面白いですね。「カラーテレビ」なんてのも懐かしい言葉だなあ。今でもカラーテレビであることに変わりないんだけど、わざわざカラーと言う人もいないよなあ。

空気のようにとけていった言葉たち、他にもたくさんあるに違いありません。思いついたら教えてもらえませんか?そういう言葉を並べたら、人類の文化史が見えてくるかも。

誰かこれをテーマに本書いてくれないかな。読んでみたい(^^)。

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