見出し画像

あの世のメッセンジャー


6年前、前世療法(ヒプノセラピー)の世界的権威であるブライアン・ワイス氏のワークショップに参加した時のこと


隣の人とペアになって手を繋ぎ、暗闇のなかで浮かんできたイメージを伝えあうというワークがあった


隣の方は上品な佇まいの40代くらいの女性


軽く自己紹介をし、わたしがイメージを伝える番になった


照明が暗転し、音楽が流れた

ワイス氏の誘導により

目をうっすら開けて一点に集中し 

ぼおっと脳裏に浮かんだものを記憶した

イメージワークが終わり、見えたものを相手に伝えた



「まず、一輪の花が咲き乱れていました。そのあと、青い看板みたいなものに八王子って書いてありました。場面がかわり、森に囲まれた湖の向こう側に2匹の鹿がこちらをみていました。つがいのようでした。」



わたしにとってはなんの繋がりもないイメージばかり。記憶から捻出したのか、真新しい絵ではなかった。



しかし、彼女はハッと目を見開き、突然わぁっと泣き出した。

「どうしました?」と声をかけると、



「わたし、主人を亡くしてるんです。八王子はお墓がある場所なんです。そして、娘がアメリカにいるのですが、家の前に湖があり、時々鹿を見かけるんです。」



と言った。



わたしは唖然とした。 
彼女はこの体験を全体に発表した

すると、ワイス博士がこう言った


「それは亡くなったあなたのパートナーからのメッセージです。鹿のつがいは、ずっとあなたのことを想っているから幸せになってほしいと彼女を通して伝えたかったのです。」

それを聞いた女性はその言葉のすべてを受け取り、穏やかな、とても豊かな表情に変わっていた。


ワークのあと、彼女が話してくれた。


「わたし、寂しさと不安で主人にもういちど会いたくてこの前世療法を学び始めたんです。お墓参りも毎週のように行っていました。でも、今回のメッセージで執拗に求めなくてもいいんだとわかりました。だって、いつでもあの人はわたしの中にいるんだもの。これからは幸せを選んで生きていきます。メッセージを伝えてくれてありがとう。」 


そう言って写真を撮ろうと言ってくれた。
あとでその写真の自分の顔をみたら、全く別人のような顔つきだった。


その日のことを振り返ってみた。高速バスが30分遅れたり、タクシーが捕まらなかったり、開演ギリギリでほぼ満席だったのになぜかポツンと目についたのが彼女のとなりの席で、まるで導かれたようにそこに座る運命になったのだ。

これも彼の仕業だったのかもしれない。



あれから6年。
「初めて会う相手」「亡くなった身近な人」「タイミング」という条件が揃ったとき、


イメージや言葉を伝えることで相手が変容していくさまを見届けてきた。


わたしは中身がからっぽ(?)だから、媒体として使いやすいのだろう。

いいのか?わるいのか?
だからじぶんが定まらないのか?わからないが、じぶんを〝通した〟あとはなかなか清々しくスカッとする。


やれと言われてもできないが、やれと言われたことがないのでできないだけかもしれないし、やってみたらできるかもしれないが、、


きっとわたしの役割を果たせてくれるご縁がある人とはこれからも必然的にばったり出会うんだろう。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?