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君だけを守りたい #木曜日ノ木之瀬

ウルトラマンが好きだ。

言わずと知れた円谷プロの特撮映像作品のシリーズ。もはや出逢った頃のことなど覚えていない。そもそもは親が「男の子だし好きだろう」と独断で買い与えてくれたものだ。ほんとによかった。ありがとう。

映像作品だが、私は図鑑っ子だった。映像そのものを観るよりも好きだったかもしれない。
というか、最近でもたまにDVDなんかを借りてきて観たりするけども、結局ストーリー自体はあんまり記憶してないのだ。
細かいことはいいからとにかく怪獣のデザインを見してくれ、ってことか。
図鑑フェチ。

↑読み潰したマイ図鑑。

成田亨さんによる初期怪獣たちのデザインは、私が初めて触れた“前衛”である。
バルタン星人、レッドキング、メフィラス星人、ゼットン……。大人になって見返すほどに、ゼロの状態からこれらのデザインを生み出していることがもう奇蹟といえる。このゼロというのはシリーズとしてのこと(『Q』という前進はあれど)もあるが、世間的にも怪獣/怪物のイメージは未だ存在しないなか、ってことだ。
よくぞ美術家・彫刻家の成田さんを起用してくれた。

↑宇宙恐竜ゼットン。こえーよ。

形としていちばん好きなのは「ブルトン」だ。名前からしてシュルレアリストの詩人、アンドレ・ブルトンからきてる。長らく図鑑でその姿を観ていて「この物体はどうやって動くんだ…?」と思っていたが、後年、映像で観たら想像より何倍も気持ち悪い動き方をしていた。ブルブルしてる!
戦い方、というかこいつは別名「四次元怪獣」なので、時空を捻じ曲げて敵を翻弄するのだけど、その映像的にまさにシュルレアリスムな画面づくりは、実験とかいう域を超えてどうかしちゃってた。

とまれ、成田さんのおかげで私は不条理を愛する人間になったのだとおもう。

↑四次元怪獣ブルトン。きもすぎ。

あとは世代として、ティガ・ダイナあたりを観るといまだに胸の奥のほうがムズムズする。
おそらくこの辺をリアルタイムで視聴しながら過去のビデオを観たりしていたから、原体験はやはり平成シリーズのほうにある。
ダイナとか特に、赤/銀/青(ちょっと金)ていう配色、巨大さを感じさせる微スローな戦いのシーン、カラータイマーの光そして音、どれをとってもツボで、というか原体験だけに私の原子はこれで形成されているのだなぁと感じる。

↑まだCG黎明期な光線もエモい。

定期的に、大人向けにウルトラ関連の雑誌(ムック本)が発売されていて、見かければ必ずチェックし購入している。
最近だと『僕たちの「ウルトラ怪獣」ランキング』(2014年)って本がいちばんクレイジーだった。当時の最新シリーズ『ギンガ』までの中からアンケートで人気怪獣が決められた本だが、合間に挟まるゲストインタビューの1人目がなぜか増子直純(怒髪天)さんだったりする。ほかにもいただろ!最高かよ!そのインタビューもちゃんとボリュームがあって熱量凄い。

あとは『ウルトラマン the 45thコレクション』っていう全ウルトラ戦士のかっこいい撮り下ろしグラビアの本の最後に江頭2:50が突如出てきたり、

↑神々の競演。

2011年と2012年にそれぞれ出てる『pen』のウルトラマン特集がほぼ同じってか最新情報をちょっと足しただけの焼き直しだったり、とかく円谷、なんでもありの様相を呈している。

↑瓜ふたつ。

役者の端くれである私の唯一と言っていい夢は、「ウルトラ作品に出演すること」。もしそんな日が来たら死んでもいい。ただ怪獣に襲われ崩壊する街を逃げ惑うエキストラとかでもいいが、どうせならば「調子に乗って霊験あらたかな岩を動かしたせいで古代の怪獣を呼び起こしてしまい警備隊に救助される情けない大学生」みたいな役。

まあでも欲を言うなら変身してえーーーー。
大きすぎる力に苦悩してみてえーーーー。
正体を隠していたけれどもなんやかんやあって最終的にはヒロインの前で自ら覚悟して変身してえ最後の戦いに挑みてえーーーー。


#ウルトラマン #円谷プロ #怒髪天 #増子直純 #ウルトラマンタイガ

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