BONDプロジェクト決算書分析Ver1.0

※下手な誹謗中傷は絶対ダメ!法人に対して疑問に思ったら正しい手順で踏み込んでください


キッズドアの件で、NPOも情報開示と資金使途の厳守は意外ときちんとやってんなぁと思った次第です。

そんな中、おもしろそうなNPOを見つけたので例によって決算書を分析したいと思います。情報が不足しているので、私がわからない部分を知っている方がいましたら教えてください。

百聞は一見にしかず、まずは決算書を見ましょう

※データをくれた、きゆさんに感謝

6期連続B/S


6期連続P/L。画像のタイトルが5期になっててすみません。

2019/10期から補助金収入が急に増えて、そこからさらに2.5倍もらえるようになったようですね。では例によってB/Sから見ていきましょう。

B/Sの増減チェック

①現金預金の増減

2020/10期から潤沢なキャッシュがある。前期比+65M
未収入金▲18Mと自殺防止対策補助金の前受金+43Mが原資とみて間違いなさそう。

左から2018年

2021~2022年まで、キャッシュはどんどん増加。この2年の利益は41M程度で、キャッシュは2020年対比で+139Mなので、そのうち98Mは利益以外が原資です。
2021年は確実に前受金見合い。2020年比キャッシュ+47Mに対し、前受金+57Mです。あれ、2022年は2021年比+92Mですが前受金は+17M。
未収金減少分は▲34Mなので、足しても41Mのキャッシュが他から発生してますね。P/L通ったものは利益としてB/Sに足されるので、寄付や助成金ではない。

きゆさんの連続B/Sから拝借

あ、仮受金か。23Mも返還用の助成金があるのか。この規模でそれはおかしくないか・・・?ここ最近の最高でも売上(全収入)が177Mしかない法人で、なんでそんな返還する必要があるほど受け取っているの???
ここは疑問な点です。詳細は不明です、仕方なく次にいきましょう。

②前受金
この法人のB/Sで一番気になるのは、前受金です。
普通、次年度予算として補助金等を前受けしたら、次年度のP/Lの補助金項目に計上されて、前受金が消える⇒また同じ年度で前受けする、という構造でB/Sにずっと残るのはおかしくはないです。P/Lに計上される年度とお金が入る年度が1年ずれているだけの話です。

年度を並べたほうがわかりやすい。

これで見れば、例えば2021年度の前受金107Mは2022年度の補助金118Mとほぼ見合ってます。ということは、次の年度に使えるお金ということですね。
あれ~~???キャッシュで残ってないとおかしいですよね?次年度の経費のための予算ですよ。さらにいえば仮受金23Mも返還義務のある債務ですよね?
2023年度前受金108M+仮受金28M=136Mのキャッシュが手許に必要です。最低でも。81Mしかないんどすえ。55Mどこにいったんや。答え合わせは次項で。

③やっぱり土地代ですよね~
散々他の方から指摘があった、土地代に使っちゃいましたね。

土地代59Mは2023/10期に登場

純資産も39Mあるから、これ見合いなんだと言う人もいるかもしれません。
でも前受金と仮受金の性質上、その分の預金はないとおかしいでしょ。
いわゆる財務アンバランスに近い状態だな。本来見合うべき資産と負債が見合っていない。
そもそも他の固定資産(建物とその他固定資産)で12Mあるんだから、純資産のうち見合うのは27Mまででしょ?28Mは流用と思っちゃうな、個人的には。「今期も使って良い」補助金等であれば、今期のP/L通さないと合わないからね?

これが良い事か悪い事かは補助金の詳細がわからないし、土地も「自立支援用地」らしいので、まだ批判はしちゃだめですよ。問題提起までにしてください。この補助金と土地について詳しい情報がある方は教えてください。

P/Lも見てみよう

B/Sの歪な点は前受金・仮受金でしたね。P/Lにも不思議な点がないか見てみましょう。

①補助金収入

2019年度は前年比+38M、2022年度+46Mと、数年で急激に得られる補助金が大幅に増加しています。若年女性支援事業とか自殺対策とかその辺の補助金ですかね。2018年なんてほとんどなかったのに。
その割には利益はたいしたことがないですね。2023年度は赤字ですし。

何かにお金を使ったから利益になっていないんですね。何に使ったか見てみましょう。


②とりあえず人件費?

6年で2倍以上

基本は人件費増加に見合っている。売上高対人件費率で検証してみましょう。

2018  2019  2020  2021  2022  2023
66%   55%   52%   43%   42%   55%

だんだん下がっていくのは謎ですが知名度向上でボランティアでも増えたのでしょうか?(適当)2023年度は売上低下したので比率が上がっています。給料は一度上げると下げにくいので。
うーん、人件費は絶対値は増加していますが、比率で見るとむしろさがっている。ということはそれ以上に他の経費に使ってますね。次は家賃です。


③なぜか変動する家賃(笑)

どうやら色々施設を増やしたようなので家賃が増加したのかと思いきや、むちゃくちゃ変動しとるがな・・・今まで何百と決算書を見てきたけど、こんな法人みたことないぞ・・・。
増加はわかるけど毎年増えたり減ったりはおかしいでしょ。上記は事業用の家賃なので本部の家賃も見てみましょう。

もっとおかしい、ゼロって笑

ゼロってなんなん、公園とか道路で事業やってたん?苦笑
考えられるのは何かしらの要因で減免してもらってた可能性かな。コロナ禍では確かにあったけどこんな長期じゃないよ苦笑

これは本当にみてもわけがわかりません。誰か教えて笑

③答えは全体の増減にあった!

増えた補助金が何に消えたのか、その答えは全体の増減から見えてきました。やっぱり人件費でした。なぜそうかというと、P/Lの全体増減をみると約40M補助金が増えた分、経費が同額程度増えていて、それがほぼ人件費だったんですよ。ということは、その分別の収入が減ったんです。
そう、請負事業です。直近では▲18Mです。これのせいで利益率が悪化してるんです。
もしかしたら今まで請け負い事業でやっていたものが、とある人物の活動で補助金事業になったからかもしれません。って、結局中身変わってないじゃん!!その中で1つの問題点が浮上します。

④保護費とか増えてねーじゃん!!
人件費が増えて活動範囲が広がると、人件費以外のコスト=保護したり支援した人に係るコストが増えるはずです。みてみましょう。

微増、微減。

え、保護活動は細々とやってるの?シェルターとか増やしとるんやないの?
ほな人件費が増えただけで支援対象に金まわってないじゃん。保護したら食事とか光熱費とかかかるでしょ?もしかして消耗品費とか?

ま、増えてはいるな。運搬通信費のほうが高いけど笑。
でも6年前から補助金1億円以上増えたのに、これだけ・・・?
マジで何してるの?中身がまったく見えてこない。誰か活動内容にどんな変化があったのか教えて

⑤最後の謎・福利厚生費等

この法人の一番特殊なのは、本部給料ゼロなのに法定福利費とかは発生しているのよ笑 しかも近年どんどん増加。
いままで給料じゃなくて「謝金」という謎項目で人件費?役員報酬?を賄っていたけど、社会保険料削減のためじゃないよね?もしかしてそれが認められなくなって計上し始めたとかじゃないよね?よくわからん。
確か15%は経費で認められるから逆算すると59M相当の給与に対して発生してると思われるんだが。
・・・社員の給料って、月に数万とか十数万だったよね?これだれの給料見合い?人数も常勤15人くらいじゃなかったかな。仮に15人で平均年収出すと5,259千円。私の若手銀行員時代より高い。キッズドアとか350万くらいだよ、これが事実ならホワイトですねぇこのNPOは。(人数はよくわからんので絶対に批判したりしないこと!!批判していいのは人数を特定した人だけ!!

まとめ

・B/Sは前受金等がアンバランス。説明を求めたい。求めないけど笑
・土地は何に使うんですかね。自立支援?その土地、費用対効果大丈夫?
・P/Lは変動性家賃に吹いた笑 けど、急速に集金能力が上がってますね。
・人件費と支援費絡みが見合ってないですよ。比率等で見る限りは。
・給与体系が謎過ぎて混乱した。だれかおせーて

以上です、いかがでしたでしょうか。もうバランスしてないB/Sとか笑うしかなくて、これ以上事業報告書とかと付け合せるのは苦行だったので途中で放棄しました苦笑 情報提供があれば追記していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?