今宵思うこと〜"護られなかった者たちへ"を観て〜

画像1 遠い夏休みに観たヒロシマ・ナガサキと重なった。夜、怖くて寝られないと泣いていたものだ。ひどい、と一言で終わらせる事もできるが。それでは到底語るに足りなさすぎる。喪失感、失望、自暴自棄の嵐。そんな中で、阿部寛さんが精神的な太い幹。彼でなければあの変人で図太く心温かい刑事役はつとまらなかっただろう。賠賞美津子さんの老婆の演技…私はあれは演技とは思えなかった。とても自然だった。これが本物の俳優の姿か。三國蓮太郎さんを彷彿とさせるような。初めからずっと画面を夫婦が静かに見守っていた、数少ない日本映画のひとつです。

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