DeepLで英訳本を出版してみた
前回の日記で、「いろいろ調整は必要だが、DeepLに翻訳させた英文をじっくり見直して修整していくだけでも、かなりちゃんとした英訳本になるかもしれないと感じた」と書いた。
その後、なんとか気合いを入れてやってみた。
日本ではまったく売れない『神は成長する』を英訳してみたのだ。
一応完成し、AmazonでKindle版とオンデマンドペーパーバック版を販売するところまでできた。
この「できた」は、作業としてはできたということであって、はたしてこの英文が英語ネイティブの人たちに受け入れられるのかどうかは自信がない。
内容が内容だけに、できあがった英文もかなり複雑で、関係詞の節がやたら出てきたりする。
DeepLが訳した英文をスンナリ読み解けない場合は、何が問題なのか検討して、直接直したり、元の日本文を変更して訳し直させたりした。
いちばん目立ったのは、主語の取り違えだ。日本語は主語を含まない文がたくさん出てくる。それをDeepLは主語を補って英語に翻訳するわけだが、Iのつもりの文の主語がyouになっていたり、theyのつもりがIになっていたりすると、前後がつながらなかったり、文章の意味が正反対になったりもする。そういう場面が何か所かあった。
動詞と主語がやたら離れてしまっている文は、元の日本文を分割して意味がはっきりするように直した。
あとは同じ語の繰り返しがしつこいので整理したり、単数形と複数形がしっくりこなかったりといった問題もあった。
しかし、その他は、ネイティブではない私にはほとんど分からない程度で、普通に読める英文だと思える。DeepL恐るべし、という印象を持った。
かなりの長文を瞬時に訳すのだから凄い。しかもこれが無料で使える。ありがたいのを通り越して気味が悪いほどだった。
世界中の誰もが、こうして簡単に本を世に出せる時代になったのだなあ。
もちろん、売るためには出版社の力がまだまだ大きい。だけど、出版社は売れる本しか出そうとしない。
売れる本はますます売れて、売れないけれどよい本は、作ることはできても、ますます埋もれていくのかもしれない。
しかし、今回の経験は、劣化していく老人の脳にはいい刺激になった。
今の自分にとっては、それがいちばん求められていることなんだろうな。
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こんなご時世ですが、残りの人生、やれる限り何か意味のあることを残したいと思って執筆・創作活動を続けています。応援していただければこの上ない喜びです。