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生花ってもったいない?

生花って、枯れるからもったいない。
と言われることがある。
確かに食べられるわけでも無く、ただ飾って水換えしながら終わらす。
無事に奇麗に終われば良いけど、うっかり水換え忘れて臭いで気がつくとゲンナリしてしまう。
部屋をきれいにしているどころか、汚してる有り様。

花教室を主宰していても、たまに起こる。たまにね。

「ぼくたちに、もうモノは必要ない。断捨離からミニマリストへ」佐々木典士さんの著書を読んだ。

モノを溜め込みあふれた中で生活していた著者がモノを捨てることによって気がついたこと、変化について綴っている。
著書の中に55の捨てる方法がある。
花教室の目線から読んで印象深かったのは
「捨てたから忘れない」
「感謝して捨てる。感謝の気持ちまで捨てない」
という2つだ。

「捨てたから忘れない」
フラワーアレンジメントを習っていた頃、気に入った花はドライフラワーにして残した。
ある日、ふと見ると色褪せた花は、こんなだったかなと思うほどくたびれて見えて悲しくなった。
それからは終わった花は奇麗さっぱり捨てることに。
そうすると花が終わっていく様子をよくよく見るようになったのだ。
その様は印象にずっと残る。
捨てるからこそわかる、気がつくことがあると思うのだ。

「感謝して捨てる。感謝の気持ちまで捨てない」

フラワーアレンジメント教室の生徒だった頃。講師資格をとるのに実技のテストがあった。
スピードと正確さが必要で、かなり練習しないと受からないテスト。
アレンジメントを3回作ったら、ブーケを作る。
練習終わる頃には花びらがボロボロ落ちた花たちが残る。
花をこんなにしてまでと思う日もあり、先生に相談したことがあった。
「感謝すればいいんじゃない」
目の前の課題だけに夢中で、ボロボロの花たちには感謝の気持ち無く捨てていたのだ。心が痛むはずだ。
それからは、ありがとうと心の中で言いながら処分すると不思議と苦手な手技ができるようになった。
心の中も掃除されたのだろうね。
それを教えてくれた先生にも、もっと感謝することが出来た。

モノやコトには旬がる。
花はもったいないけど捨て時を分かりやすく教えてくれる。
そして捨てることでもらった、買ったときのありがとうやうれしいの気持ちを強く印象に残してくれる。

だから生花を人は贈り続けるのかもね。




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