2021年度東大ロー未修入試(解答・解説)!

 こんにちは!めいりです!
 私は、2021年度の東大ロースクール(未修)を受験して合格しました。その際、小論文の対策の仕方など一切わからず、情報もあまりなかったので、自分なりに対策するしかありませんでした。そこで、今後、ロースクールを未修で受験される方向けに、2021年度の私なりの解答例と解説を公開したいと思います。解答例は実際に私が試験場で書いたものをベースとして、表現方法、構成等、多少修正しています。一応の目安として使ってください。

 東大では未修とはいえある程度の法的な思考力、論理構成というのは評価の対象になっていると思われます。この点、大学入試でよく問われる小論文とは異なりますので、対策には注意が必要です。
 なお、解答例は私が個人的に作成したものなので、大学とは一切関係ありません。

1.本番での印象
 第一問は比較的平易な問題で、法的思考力がそのまま問われている印象でした。対策している人はすぐに思いついたんじゃないかなあと思います。
 第二問はかなり難しいという印象でした。課題文が曲者で、前半と後半で、それぞれはなんとなく意味がわかるけれども、そのつながりが見えにくい。多分、その場で筆者の論理を正確に把握できた人はほとんどいないんじゃないかと思います。私は、拾える論理だけ拾って、大外しはしないように心がけました。

2.第一問(解答・解説)
(1)設問要旨

○テーマ 
 課題文として2者の会話が掲載され、そこでは被災地におけるボランティア活動に従事する人の被災者に対する責任が、片付け業者の責任と比較しながら議論されている。
 
○小問1
 被災家屋の片付けをしていた者の不注意から生じた損害について、(それを弁償する)ボランティアの責任を片付け業者の責任よりも軽くする法律を支持する立場から立論する。(300字以内)

○小問2
 長期的に見れば、ボランティアというのは無償の行為でなく、助け合いの互酬性に基づく等価交換であり、さらに無言の同調圧力によって自発性を欠く場合もあり得る。どのような意味で自発的なのかを踏まえ、ボランティアと片付け業者が同じ責任を負うべきか否かを論じる。(300字以内)

(2)解答例
○小問1
弁償責任の根拠は、片付けの際の注意義務に違反して被災者に損害を与えた点にある。そして、片付け業者はかかる義務を報酬を得て被災者との契約により負っている。一方、ボランティアは相互扶助精神の自発的な発揚としてかかる義務を引き受けたに過ぎない。そうだとすれば、片付け業者は報酬を得ている以上、無償の場合に比べて強い義務を負い、ボランティアは無償であることに加え道徳的に責任が減少している。また、現代社会では、伝統的な地域共同体における助け合いが失われ、都市に若者が流出し個として浮遊する現代社会にあっては、制度的に相互扶助の精神を肯定し、若い労働力を被災地に供給する必要性がある。以上のように、本件法律は必要性、許容性を有し、作られるべきである。(300字)

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3,630字

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