たぬきの弟子育成講座・民法

たぬきの弟子育成講座、民法編です。全5回にわたり、以下のテーマにそって、講義を行います。

⑴概要
①要件事実的思考・総則(H23)
 民法の答案は要件事実の思考によって大枠が決まります。まずは、訴訟物を考えて、その請求原因、抗弁、再抗弁…などと考えていきます。そして、その要件を判例に基づいて解釈しなければならない場面が論点なのです。

②物権(R1)
 物権変動を考えるにあたっては、2段階で考えるとわかりやすいです。第1段階は意思表示による権利の設定、第2段階は対抗関係です。個別の論点がどの段階の話をしているのかを意識することが肝心です。

③契約責任(H26)
 平成29年改正で大きく考え方がかわったところです。ドイツ法的な「不能」と過失責任によって規律された契約法が、フランス法的な「契約責任」に転換しました。ここでは、いかなる契約上の義務を負うか、そしてどのような責任追及手段が法定されているかを分析する必要があります。とくに前者の契約上の義務といえるかどうかをどのように考えるかは、司法試験でも近年特に頻出ですから、処理手順化する必要性が高いところです。

④譲渡担保(R3)
 担保権と物権の話が交錯する応用的場面です。譲渡担保では、私の自説としては所有権的構成をベースとした折衷説を採用しており、これが判例の結論を一番よく説明できると思います。この観点から、判例を整理し、処理手順を抽出します。

⑤担保物権(R2設問2、H24設問1)
 担保物権を理解するためには、まずは担保としての性質(優先弁済的効力、不可分性、付従性、随伴性、物上代位性)を押さえた上で、次に物権としての性質(2段階の物権変動)し、抵当権や留置権といった個別の担保物件がこれらの性質をどのように修正しているかという視点からかんがえることをお勧めしています。

⑵講義

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