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【俳句】【短歌】の記事

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俳句・短歌関係の記事をまとめました。
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#春

【俳句】弟の句をよむ 令和六年春 

 我が兄弟航路は、実の兄弟の二人組である。共有のアカウントを舟に見立て、文学の大海原にしがない航跡を描いている。  だが、昨年の七月に次女を授かった弟は、育休を宣言し、二人の娘の父として日々奮闘している。近々、新しい住まいに引っ越すようで、まだしばらくは、腰を据えて執筆する余裕はなさそうである。  そんな中でも、筆者の作品を航海する直前は、弟が必ずこの舟に戻ってくる。最初の読者という、唯一無二の役割を担うためである。  感想にしろ、指摘にしろ、それは実に朴訥たる、短い言葉

【俳句】続・春の句をよむ

 今年は、五月二日が八十八夜、五月六日が立夏になります。早くも惜春の候を迎えて、日によっては夏を先取りしたような汗ばむ陽気です。  前回に引き続き、春の句をいくつか紹介したいと思います。私の解釈が本筋から外れていることもあるかもしれません。ご参考程度にお読みくだされば幸いです。  「隙のなき」の言葉で、どこまでも広がる空の青を実感できます。夏をむかえようとしている朝は果てしなく爽やかです。  山の斜面につくられた田のまわりには、つつじが咲いています。日をうけて光輝いてい

【俳句】春の句をよむ

 だんだんと暖かくなり、春を実感できる日が増えてきました。花は咲き、草々は芽吹き、虫を目にすることも多々あります。雨が降れば山々は潤い、盆地では田畑の準備が着々と進んでいます。  万葉集の”石ばしる垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも”と詠まれたように、山滴る時へむかう躍動感ある季節です。  本稿では、春の句をいくつか紹介し、私なりの感想を述べたいと思います。解釈が本筋から外れていることもあるかもしれません。ご参考程度にお読みくだされば幸いです。  周囲を見渡