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新年、開口よい言葉で始めたい。親戚が集う、旧友と会う。仕事のかたもいるかもしれない。去年と今年の境目は、自然科学の目でみれば、連続したひとつの点だが、何か特別な瞬間をみいだすのが文化である。文学である。 俳人の虚子(正岡子規の弟子)は、「去年今年貫く棒の如きもの」と詠んだ。棒は時間軸の意のみならず、伝統文化の本義、その地で生き続けてきた人々の志を表しているように思えてならない。宮中の歌会始もそのひとつだろう。 言葉は情報の単なる伝達手段に過ぎないだろうか。万葉時代の歌