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【俳句】【短歌】の記事

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俳句・短歌関係の記事をまとめました。
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2020年10月の記事一覧

【随筆】第二十三回俳句甲子園・個人表彰句の鑑賞

 角川『俳句』10月号によると、2020年8月23日、第二十三回俳句甲子園の審査結果発表が行われたそうだ。俳句甲子園は、全国の高校が俳句の出来を競い合う大会である。いわゆる団体戦と個人戦があり、今年は団体での優勝は開成高等学校である。開成高校と聞くと、たいへん頭のいい学生の集まる学校であるから、やはりそうかと思えてくる。とはいえども、三年ぶりの優勝であるらしい。また、国語の先生であり、俳人でもある佐藤郁良(さとういくら)氏の指導実績があるだろうから優勝しても何の不思議もない。

【短歌】誠の言の葉と詩情

詩を論ずるは神を論ずるに等しく危険である。持論はみんなドグマである。(西脇順三郎著『超現実主義持論』より) 事件的真実と「詩」とは本来別次元のものである。「詩」はいつでも純粋に、個々の要素に従って真実でなくてはならない。 (秋葉四郎著『完本 歌人佐藤佐太郎』より)  本稿は、歌人の佐藤佐太郎氏に師事した文学博士・歌人、秋葉四郎氏の論考(戦時下の光と影―第三歌集『しろたへ』論)をもとに、短歌を一流から二流、三流へと落としてしまう一要因を私なりに述べたものである。秋葉四郎氏の