意思決定の時間軸
なぜ、組織で新しいITツールがうまく機能しないかのお話。
大昔、病院内で、ドクター間の連携を良くしようというもくろみで、病院内ソーシャルネットワークのサービスが導入された。現場の若手から上層部、病院長、事務方のトップも参加して、お互いの交流が実現できるはずだった。
— medtoolz (@medtoolz) March 3, 2020
このツイートから始まる一連の書き込みで私が普段なんとなく感じていることが見事に言語化されている。medtoolz先生の能力に嫉妬と羨望の思いを強く感じると共に、また彼の文章が読めるようになったことに大きな喜びを感じている。
組織の風通しが良くなること自体は、道徳的には正しい。でも意思決定を下す上層部と、現場でのたうつ若手との間で、時間の感覚がずれてしまうと、風通しを良くする道具は、むしろ混乱をもたらしてしまう。
— medtoolz (@medtoolz) March 3, 2020
上層部の人たちは当時は会議や報告書の時間軸で、物事を考えていた。一方、若手のドクターは、その頃誰もがTwitterやLINEを使っていて、そのスピード感で、コメント欄で議論を重ねた。結果として、上層部と現場との断絶は、SNSの導入でむしろひどくなり、あるいは悪い形で可視化された
— medtoolz (@medtoolz) March 3, 2020
今の政府は、「会議」の時間や「報告書」の時間よりもさらにゆっくりな、「宴会」の時間軸で物事を動かしているように見える。宴会で物事を決断する人は、恐らくは会議室や報告書の形式ばった議論には、自分の判断を変更するだけの価値を見いだせない。
— medtoolz (@medtoolz) March 3, 2020
宴会の時間軸で決断する人は、自分の懐に入ってくれる人を選んで、たとえばお酒を入れることで無礼講の空気を作り、記録から自由な空間で、公式のには公開できない裏事情も打ち明けながら、近い距離での会話を通じて、自分の意思や言葉を固めていくのだと思う
— medtoolz (@medtoolz) March 3, 2020
SNSの側から見れば、政府の思考は「遅く」見えるけれど、宴会の時間軸からは、いや、これは「深い」のだという反論になる。SNS世間の決断は「早い」けれど、宴会場から見たそうした決断は、おそらくひどく「浅く」見えるのだろうと思う。この断絶をどうすればいいのか
— medtoolz (@medtoolz) March 3, 2020
現在起こっている危機に対して、「宴会」の人たちが、自分たちのやり方の中での最速チャレンジをしている状況と認識している。幸いなことに大きく巻き込まれてはいるもののギリギリのところで俯瞰して状況把握をする余裕が私とその周りにはまだ残っている。引き続きウォッチしつつ、目の前の課題を1つずつ確実にこなしていきたい。
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