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とってもとっても怖かったこと

9年か10年くらい前のことです。

その頃関東の端っこの方の町にある団地に住んでいました。
引っ越したばかりでちょっとだけ心細い気持ちでいました。

大切な用事があって以前住んでいた東北の町に子どもを連れて行くことになったのですが先にこっちに住んでいた主人が私と子どもが住んでいた東北の小さな町に帰って来る時いつも夜行バスを使っていたのでそのバスを使おうということになりました。

でも私はまだそのバスに乗るための土地勘がなくて不安に思っていました。

関東に出てきてから一度もその団地から遠出をしたことがなくて近くのスーパーマーケットとか量販店くらいしか行ったことがありませんでした。

子どもがまだ小さくて学校から帰って来るのが早かったし、いろんな事情でとても疲れていたので遠出したいという気持ちにもなれなかったからです。

それを聞いた主人は
「じゃあ下見を兼ねて一度みんなで東京にあそびに行ってみないか?」
と言いました。

子どもも喜ぶかもしれないと思ったので思い切ってみんなで電車に乗って出かけることになりました。

その行き帰りのことはもうずいぶん前のことなので思い出すことができません。

バスに乗る場所に交通機関を使って一度行ってみるということをやり終えてから主人が行ってみたいと言っていた場所に行きました。

その日小雨が降っていてなんとなく雰囲気がさみしい感じだなと思いました。
主人はその場所に行って嬉しそうでしたが、私はなんとなくつらくって早く帰りたいと思っていました。
その理由はわかりません。

そして一通り用事を済ませて帰りました。

実際にバスに乗る場所に一度行けたので安心できて嬉しかったということもあったし、なんとなく居づらかったその場所から帰ることができるのも嬉しくてほっとしていました。

ところが、、、
団地に帰って次の日くらい、、、、、
子どもを学校に送り出し主人も仕事に出ていて一人になった時、

雑踏を沢山の人たちが歩いているような音が聞こえてきて、
「-------子どもを取り上げてやる・・・・・・・・・」
っていうものすごく怖い声が何回も何回も何回も何回も聞こえて動けなくなってしまいました。

現実のこととはとても思えなくてどうしたらいいのか全然わかりませんでした。

(それは何日か続きました。ものすごくこわかったのでそれ以来主人や子どもと一緒にいった場所には一度も行っていません)

その状況が終わりになったきっかけは本当に本当にとても意外なことでした。

その頃たまたま図書館で借りてきていた黒柳徹子さんの本を開いて読んだ時、(そこには黒柳さんが経験された戦争の頃のことや黒柳さんが外国で見て聞いてこられた戦争でつらい思いをした子どもたちのことが書かれていました)その声がふっと消えてそれ以来全く聞こえなくなったんです。

その後少し経った頃テレビを見ていたら私たちが行った場所が戦争の時空襲で大変な被害を受けたということが言われていました。

・・・・・・・・・・・、


沢山の人たちがどうしようもに理由で亡くなっていたことは本当に悲しいことです。

平和な時代に生まれることができて本当によかったと思うばかりでした。

・・・っていうささやかな私の経験した、怖いお話でした。


終わりです。




ありがとうございます。 嬉しいです。 みなさまにもいいことがたくさんたくさんありますように。