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ディ●ニーアプリのゲーム理論

今回のお話は、ゲーム理論です。
僕はゲーム理論がなんか好きなので、その面白さ的なサムシングが伝わったら多分嬉しいなっておもって、書いてみます。

ゲーム理論とは?

発表資料ゲーム理論note用4-14.001

そしてなんとすごいことに、社会・経済のあらゆる問題は、全部「ゲーム」という数理モデルで表すことができるらしいです。すごいですね。

とは言え、今の説明だけでゲーム理論がなんなのかがわかるのは超能力者だけなので、次に代表例である囚人のジレンマを用いてゲーム理論を説明していきます。


代表例:囚人のジレンマ

発表資料ゲーム理論note用4-14.005

発表資料ゲーム理論note用4-14.006

発表資料ゲーム理論note用4-14.007

発表資料ゲーム理論note用4-14.008

このような状況を、表に書き起こしてみるとこんな感じになります。

発表資料ゲーム理論note用4-14.009

この図はどういう風に見るかというと、

発表資料ゲーム理論note用13改.001

って感じで、かっこの中の左側はAが受ける罰、右側はBが受ける罰となっています。(「罰」はすなわち「マイナスの利得」です。)

ここでナッシュ均衡を求めていくのですが、どういう風に求めるのかというと、
(復習:ナッシュ均衡とは、全プレイヤー最適な戦略を選んでいる状態)
まずAの視点に立って考えます。

Aは相手(B)が黙秘した場合、黙秘と自白どちらの行動をとるのが最適でしょうか?

代表例:囚人のジレンマ.001

Bが黙秘したとき、Aは黙秘をすると懲役3年の罰を受け、自白をすると無罪となります。
まあそりゃ懲役3年受けるより無罪の方がいいんで自白しますよね。

つまり、Bが黙秘した場合、Aは自白という行動をとることになります。

じゃあもしBが自白した場合、Aは黙秘と自白どちらの行動をとるのが最適なのでしょうか?さっきと考え方が全く同じなので、わかる人はもうわかるかもしれませんが、答えは自白です。
つまり、Bが自白した場合、Aは自白という行動をとることになります。

わからなかった人のために一応解説しときます。

代表例:囚人のジレンマ002

Bが自白した時、Aは黙秘すると懲役10年、自白すると懲役5年となります。
懲役10年より懲役5年の方がまだマシなので、Aは自白という行動をとることになります。

つまりまとめると、

AはBがどんな行動をとろうと、
自白という行動をとることが最適な戦略になります。

そしてこれは、Bの立場に立って考えてみても全く同じです。すなわち、

BもAがどんな行動をとろうと、
自白という行動をとることが最適な戦略になります。

つまり結果として、どこがナッシュ均衡となるかというと、

発表資料ゲーム理論note用4-14.010

「AとBがどちらも自白する」

という状態がナッシュ均衡となります。


ゲーム理論ってのはこんな感じのことをやります。なんか雰囲気掴めてきたでしょうか?わかるようなわからないようなって感じでしょうか?
多分囚人のジレンマの話を聞いて、
「へーお互いに自白するんだ、だから?」
みたいな気持ちになってる方が多いのではないでしょうか?
そこでディ●ニーランドのゲーム理論です!
なんと我々の身近なところにゲーム理論は潜んでいたのです。


ディ●ニーランドでのゲーム理論

さて、皆さんディ●ニーランドは行ったことありますか?シーの方でも構いません。
あそこって開場前からめちゃくちゃ並んでるじゃないですか。んで開場した瞬間ファストパスを求めてパーク内をダッシュして、スタッフの方に「走らないでくださ〜い」って言われるところまでおなじみの光景じゃないですか。

なんとそこにゲーム理論が潜んでいるのです。すごくない?

どんな感じにゲームなのかというと、

・プレイヤー:来園者
・戦略:走る or 歩く
・利得:ファストパスが手に入って嬉しい(嬉しさ3)
      or 全然手に入んなくて絶望(嬉しさ4)
※みんな歩いている中で走ると、確実にファストパスゲットできてもっと嬉しいから嬉しさ4

って感じです。

これをさっきの囚人のジレンマの時みたいに利得表に書き起こすとこんな感じになります。(ただし便宜的に来場者は2人としています。)

発表資料ゲーム理論note用22-28.001

ここでさっきと同じようにナッシュ均衡を求めると、
(求め方:Bが走るとき→Aは「走らない」より「走る」方が嬉しさ(利得)が高いので、走る。Bが走らないとき→Aは「走らない」より「走る」方が嬉しさが高いので走る。よって、AはBがどんな行動をとろうと走る。Bについても同様。)

発表資料ゲーム理論note用22-28.002

「AもBも走る(来場者みんな走る)」というのがナッシュ均衡となってしまいます。


でも、当然ディズニーとしては怪我人出てもらっちゃ困るから、走って欲しくないですよね。
解決するために考えられる手段は、

ディズニー改善利得表

ところで、そういえば最近ディ●ニーのアプリでファストパスが取れるの知ってます?
このアプリを使えば、ファストパスの発券所まで行かなくても、遊びたいアトラクションのファストパスをアプリの中で取れちゃうんですよ。
つまり、アプリによって、開場直後走らなくてもファストパスを確実に取れるようになったってことです。

さっきの利得表で考えてみると、

ファストパスナッシュ均衡.001

この時、ナッシュ均衡はどうなるかというと、

ファストパスナッシュ均衡.002

「みんな走らない」

がナッシュ均衡となります!!


つまりまとめると、ディ●ニーのアプリでファストパスが取れるようになったのは、ゲーム理論的に説明してみると、

ファストパスが発券所からしか手に入れられない状況では、みんなが走ることが各々にとって最適な戦略(ナッシュ均衡)となってしまうので、アプリでもファストパスを手に入れられるようにすることで「走らない」ことへの利得を高め、みんなが走らないことがナッシュ均衡になるように仕向けた

ということです。


今回の話は以上です。楽しんでいただけましたか?もし楽しんでいただけたならめちゃんこ嬉しいです。

分からないことがありましたら、コメント欄やサポートにてお聞きいただければ僕のわかる範囲でお答えしますので、なんなりと〜

(また、間違いが含まれている可能性は全然あるので、「ここはこうだよ」みたいな指摘もこっそりとしていただけるとありがたいです...!)

これについて書いて!とかこれどうなの?とかリクエストがあれば、反映されるかもしれないかもしれないかもしれないです