見出し画像

白鳥プロ・亜樹プロのオーラス黒子徹底選択がやっぱり好き【麻雀最強戦】

こんばんは。
場末フリー雀荘出身の田ノ倉です。

先日行われた「麻雀最強戦2024 読みの神髄」が非常に面白い対局でした。

何より決勝戦オーラスでの園田プロ・松本プロによるテンパイノーテンの読み合いは、
まさに「読みの神髄」というテーマに相応しいものでした。
ぼくの雀力では解説の3割くらいしか理解できませんでしたが。

解説の軍師勝又プロもご満悦の様子。

満足すぎて両サイドに素早く話し掛けずにいられない軍師

問題のオーラスについては、
ラス親でトップ目の園田プロと、
微差で二着目の松本プロのデッドヒートとなっており、
白鳥プロと二階堂亜樹プロは役満縛りくらいの条件となっていました。

一応、条件がないわけではないので、
白鳥プロも亜樹プロもひたすら役満を目指して打つという選択ももちろんあるのですが、
二人の選択は、黒子に徹して場を乱さないように打つ、というものでした。

試合後のインタビューで白鳥プロは下記のように語っています。

白鳥プロ「麻雀プロの美学的なところがあって、やっぱりなんか、ああいうときに、なんか、邪魔したくない、っていうのは変ですけど、」

小山氏『二人で決めてくれよ、みたいな』

白鳥プロ「(頷きながら)っていう、気持ちがやっぱりね、役満条件くらいだと勝ってしまうんで。諦めていたわけじゃないんですけど、なんか終わり方的にはね、そうしたことによって最後、賢ちゃんが見事伏せて、もう『読みの神髄』通りの、なんかまあ、いい作品になったからいいかな、っていう気持ちと、めちゃくちゃ悔しいなっていう気持ちと。まあどっちもあるんですけど。まあなんか、楽しかったです」

麻雀最強戦2024 読みの神髄 決勝戦インタビュー

トップ取り麻雀の最終戦で完璧に黒子として立ち回ったということでいうと、
BEASTオーディションのときの内田みこプロが記憶に新しいのですが、
このときは完全に存在を消すような打牌をしていて、
さすがプロだなあと非常に感動しました。

一度でも何かしらの大会で「目無し」を経験し、
オーラスでの立ち回りで死にそうな思いをしたことのある人ならわかると思うのですが、
僕のような雀力の打ち手だと、優勝争いをしている人たちを邪魔しないような打牌をする、というのは非常に難しく、地獄のような時間になります。

それをこんな大きな大会の決勝卓で、
「麻雀プロとしての美学」
「争っている二人の邪魔をしたくない」
ということで黒子に徹するという決断をするのは、
さすが麻雀プロという感じです。

オーラスの道中、亜樹プロが長考してやむなく園田プロに放銃し決着が1本場に委ねられたシーンがありましたが、
あれも本当にしんどいだろうなと思いました。

苦悩する亜樹プロ
苦悩する白鳥プロ

でもやっぱりいかにも麻雀プロの対局を見ているという感じがして、
黒子に徹するという二人の立ち回りは見ごたえがあって本当に好きです。

ちなみにこの日の白鳥プロ、亜樹プロは遠目からモニター見るとほぼ完全に一致してます。一瞬どちらの手番かわかりません。


ただ、白鳥プロの「麻雀プロの美学」がたまたま「優勝争いしている二人を邪魔したくない」というものだっただけであって、
とくに連盟の白鳥プロの後輩プロの方々みんなが、麻雀プロの実質目無しオーラスはこうあるべきだ、と型にはまってしまうのは違うと思います。

別のベテランプロなら「麻雀プロの美学」として「可能性がほんの少しでもあるなら誰に迷惑をかけても自分の優勝を最後まで目指す」という設定をしているかもしれません。
これはその人その人の価値観であって、こうあるべきだと強制されるようなものではないでしょう。

あと何より大きいのが、与えられた機会は貴重で常に全力で挑んでいる、
と当人たちは本気で思っているとは思うのですが、
やはり普段まったく放送対局に出られないようなプロが最強戦予選に出るのと、
いろいろな放送対局に呼ばれ、Mリーガーとして活躍し、他のプロに比べて予選出場機会も非常に多いトッププロの白鳥プロ・亜樹プロが予選に出るのとでは、「役満条件」をスパッと諦められるかどうかというところで、
めちゃくちゃ大きな差が出るはずです。


最強戦の放送対局に出られるなんて千載一遇の機会だというようなプロの方々は、
本来自分の麻雀プロとしての美学が「実質目無しは黒子に徹する」であっても、
潔く役満条件を捨てて黒子に徹することができるかというと、
相当難しいところでしょう。


どちらが良い、悪いではなく、もちろん最後まで役満条件を狙って打ち、
テンパイを入れて盛り上がるというパターンもあるでしょう。
これはぼく個人的には黒子に徹するというパターンが好きというだけです。

ただ今回に関しては白鳥プロがインタビューで語っていたように、
まさに「読みの神髄」というテーマに相応しい、
最高の全員ノーテン終了という結果になりました。


道中完璧な立ち回りをしていた村上プロが役満条件の他家2名にオーラスで役満テンパイを入れられ、
結局役満をツモられてまくられてしまうみたいな派手でドラマチックな展開もいいですが、
今回のように微差でヒリつくような読み合いの展開もとても面白かったです。

予選での白鳥プロの大マクリや亜樹プロのルックスが完成しすぎているなど、
オーラス以外にも見どころが盛り沢山の、ここ最近の最強戦の中でも屈指の名勝負だったと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?