仕事のお誘いをもらう

 今は光学レンズを削る作業員をやっている私に、組込系ソフトのプログラマをしないかという電話がありました。

 電話をくれたのは2年前に就職活動した際に、面接していただいた個人事業主の方。その方の話は面白かったので覚えています。組込系ソフトは家電や自動車・設備などの機械の中で動くソフトウェア。ソフトウェアが完成すると工場でマイコンにコピーされて、それぞれの機器の中に組み込まれて出荷されていきます。

 私が過去に経験した開発では、パソコンでプログラムを書くのですが、電気信号を見るためのオシロスコープや導電確認するためのテスターなどの計測機器を使ったり。半田+コテで基盤に素子を付けたり回路をつなげたり。細い電線を切って専用線を組み上げて試験環境を作るなど、プラモデルを作るような楽しさがありました。

 試作機から始めるので、どこで何がどう間違えて動かないのか、さっぱり見当がつかないことは多々あります。ソフトが悪いのかハードが悪いのか。試験環境が悪いのか作業方法が悪いのか。解析はたくさんの時間を取るし、わからないことがとにかく多くて、うーんうーんと唸ることも多々あります。

 そういう世界にもう一度どうか、というのです。

 他人に話をしたらドン引きされそうですが、私は面白そうだから乗っかってみようと思っています。変に夢を見ることもありませんし、できる自信があるわけでもありません。大変なのも簡単に想像できますが、失敗したらまた仕事を探せばいいから、機会があるならやってみようと。この2年で勉強するってどんなことなのか少しは理解したからです。

 安易に決めるのもどうか、ということで近日面接してくれるそうです。ずっと会社員だった私が個人事業主になるかも知れません。こういうのって、できるかどうかじゃなくて、きっとやるかやらないかの選択なんでしょう。

 先のことはわからないので、明日の仕事を頑張る、今はそれだけです。

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