ファイナルファンタジー15

 ファイナルファンタジー15をクリアできたので、私個人の感想を書いておきます。面白かった。

 まだ周囲の目が気になる思春期の男の子が主人公なので、ゲームの最初ではちょっとした抵抗感があったけど、そういう年頃の子だと思えば納得。落ち着きがないのは好き嫌いが分かれそうだけど、ありふれた若者を主人公に据えたなって印象。それでも一緒に旅する仲間には腹が据わった人物がいるので、全体がフワフワすることなく進むし、決断を繰り返すことで精神的に成長する主人公を体験できる。

 ストーリーは複数章に区切られていて、前半は世界の広がりを感じらる自由で開放的な感覚を体験でき、後半はストーリーに集中するように作られていた。メインストーリーだけを追い続ければあっという間に終わりそう。自分はサブクエストをたくさんこなして、作り込まれたこの世界を堪能した。

 ゲームシステムは随分と変わった。その後発売される7リメイクの実験的な段階にも感じられる。過去作は13を最後に遊んだけど、それと比べると今時な感じのゲームに変わっていて、戦闘は複雑なコマンド入力を要求しないアクションゲームだった。

 コマンドバトルでは戦う・魔法のゴリ押し脳筋バトルだった私だけど、この作品は相手を見て避けながら攻撃する場面も多い。避けからのパリィ(反撃)をきっかけに相手を崩して、畳みかけるように連続攻撃をするなんて戦い方は過去のシリーズではなかった。MPを行動力として使うのも良い発想だと思った。
 行動パターンが増えた分の皺寄せなのか、魔法の種類がずいぶん減った。火・氷・雷の3系統×2段階のみ。召喚がほとんど呼べなかったのは私のバトルシステムに対する理解不足だと思う。敵のサイズは通常・巨大・超巨大とあり、デカイの相手に戦っています!という感覚はある。

 マップはとにかく広く移動のメインは車なんだけど、体感的には電車に乗ってるような感じ。速度をあげることはできないので、固定された時間は窓の外を眺める以外にやれることがない。一方でゆっくりと世界を見渡せる機会になる。世界がキレイに描かれているので序盤は風景を眺めることで満足していた。ただ車は車道しか走れない。車道以外は自力で走ることになる。チョコボに乗れるようになるとまた開放感を得られる。車はガソリン給油しないと手で押すことになるのでガソリンタンクは要確認。チョコボは日数レンタルなので、こちらは残日数に注意が必要。

 ストーリーは後半になって急展開していき、個人的にはもう少し補完してほしかった。ヒロインとの交流はもう少し描いて欲しかったし主要キャラには敵味方関係なくストーリーを感じさせて欲しかった。浮ついていた主人公も終盤にはいろんな意味で落ち着いてくれて、最後には安心して見ていられる。ただ切ない終わり方なのでもう少し幸せになってほしかった。クリア後にはゲーム最初の画面デザインが変わっていて、絵の意味を考えると嬉しかった。

 総プレイ65時間。前半で50時間使ってたくさんのサブクエストをこなした結果キャラクターが強くなり、後半は割り箸を折るように敵を倒し続けることができた。ホテル・モーテル・キャンピングカーの定置宿泊施設の他に、キャンプができることもあり、釣りやアイテム拾い、鉱石集めや調理素材集めで随分と時間を使った。それだけ楽しんだってこと。

 2021年8月現在では目立った不具合もなく、バグによってリセットすることはなかった。発売当初は非難する人も多かったようだけど、今は調整も済んでいるので気楽に遊べる。手放しにいいよ!とは言えないけれど、安価になっているので他人の評価で躊躇している人は遊んでみて欲しい。

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