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婚活先生スーパー戦隊全制覇への道vol.3「忍風戦隊ハリケンジャー」

どうも!『サブカル婚活先生』タンクガールです。
結婚相談所を運営する本職の婚活アドバイザーで、普段は婚活についてのアドバイスを記事にしています。

サブカル婚活先生らしい話題をということで始めたこの企画もいよいよ3回目。

今までの記事はこちらから


第3回は2002年放送の「忍風戦隊ハリケンジャー」をゆるりと語っていこうと思っております。

二つの戦隊が登場!地球の命運をかけたスーパー忍者バトル

みんな大好き忍者は定期的にフューチャーされており、1994年放送の忍者戦隊カクレンジャーに続いて二度目。2015年放送の手裏剣戦隊ニンニンジャーと計3回モチーフにされています。

本作のあらすじをざっと説明すると
約500年の歴史を持つ忍術の疾風流はライバルの迅雷流との対抗戦を控えていました。過去の対抗戦に勝利した結果、疾風流は沢山のOB・OGを輩出して各界に送り込むなど、華々しく活躍。一方の迅雷流は疾風流の影に甘んじ続けてきました。
しかし、対抗戦当日の朝、疾風流の養成学校忍風館は謎の宇宙忍群ジャカンジャの襲撃を受けて、学校も生徒も消滅してしまいます。落ちこぼれ三人組の椎名鷹介・野乃七海・尾藤吼太は朝礼をサボっていたために難を免れます。その後、3人はなんとか生き延びたがハムスターの姿から戻れなくなってしまった、館長の日向無限斎とその娘で忍者学校の先輩であるおぼろと合流。200年間伝承者が途絶えている伝説のハリケンジャーとなり、ジャカンジャとの戦いに身を投じていきます。

一方、迅雷流にも生き残りが居ました。流派からも危険人物とみなされていた父親に育てられたはねっかえりの霞一甲・一鍬の天才兄弟です。彼らもまた迅雷流では伝説となっていたゴウライジャーとなる力を身に着けています。ハリケンジャーは一緒にジャカンジャと戦おうと呼びかけますが拒絶されます。一甲・一鍬は父が長年追い求め、ジャカンジャも狙っている「アレ」を手に入れることで、疾風流の影であることを強いられてきた自分たちこそが宇宙一の忍者であることを証明しようという思惑があったからです。

こうして、ハリケンジャー、ゴウライジャー、ジャカンジャという3つの勢力によるスーパー忍者バトルが幕を開けます。

前半のストーリーは落ちこぼれ忍者たちの成長物語がメイン。後半に進むにしたがって「アレ」の正体が徐々に明らかになり、地球の命運を賭けたシリアスな物語が描かれるようになっています。

5人編成のスーパー戦隊が続いていましたが、今回は1988年放送のライブマン以来久しぶりの3人編成。ライブマンでは中盤から2人が新たに合流し、5人になるという展開がありましたが、ハリケンジャーは最初から最後まで3人です。

その代わり今作では一つの作品の中に二つの戦隊が登場するというチャレンジをしています。それが電光石火ゴウライジャーの二人です。
序盤から登場しますが、自分たちを影と蔑んできた疾風流に対する確執があるため、序盤から中盤にかけてはジャカンジャと共闘。ライバルポジションとしてハリケンジャーを何度も窮地に追い込みます。
しかし、幾度もの戦いを経る中で和解し、流派の枠を超えた信頼と絆で結ばれた真の仲間として共に戦っていくという流れです。

中盤以降、実質的には5人戦隊になるのですが、二つの戦隊を登場させるという手法は非常に斬新で、2018年放送の快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーでより洗練された形へと昇華されることになります。
スーパー戦隊シリーズを余り見ていない人ほど、「毎年同じことをやっているマンネリ」という批判をしがちです。しかし、実際は伝統と革新が常にせめぎあう中で新たなチャレンジを続けています。
それが二つの戦隊を登場させる手法からもうかがえるはず。チャレンジなくして、日本で最長の特撮ドラマシリーズ作品(しかも4クール放送)を継続させることなんて不可能ですから。

もちろん、忍者がテーマなので、キャストの方自らが体を張ったアクションに取り組んだり、忍者の動きを再現するために、CGを使ったアクション(影の舞)や、空蝉の術や、パラグライダーなども使用。創意工夫が随所にちりばめられているのも見どころです。
スーツのシーンではキャストが頻繁に顔を出す(顔出しマスク着用)のがとても印象的。他の戦隊では、強敵との戦闘でマスクを破損して顔出しというのは「お約束」になっていましたが、顔出しが常なのは珍しいかもしれないと思ってます。変身後の姿はスーツアクターが演じているので、それだけコストの掛かることをしているのは、視聴者にキャストのことを印象付けたいという制作陣の想いを感じます。

今作の悪役である宇宙忍群ジャカンジャも例にもれず魅力的です。宇宙の様々な星々を滅ぼしながら暴れ回っている凶悪な忍者集団です。首領のタウ・ザントは重厚感のある典型的なボスキャラなのですが、彼の側近に当たる暗黒七本槍の面々は個性派揃い。悪役ながら、ついつい感情移入せずにはいられません。
フラビージョとウェンディーヌの女性二人は、見た目もキュートで、ガオレンジャーのヤバイバとツエツエと同じく狂言回し的な役割をつとめます。

エンディングテーマの前に、その回で登場したジャカンジャの中忍(怪人枠)や暗黒七本槍やタウ・ザントなどのデータを紹介する宇宙忍者ファイルも面白い試みです。意外な性格や趣味が明らかになったりもするため、短い登場期間のキャラを印象深くすることに成功しています。

独断と偏見に基づく登場人物紹介

忍風戦隊ハリケンジャー
「人も知らず、世も知らず、影となりて悪を討つ!」


椎名鷹介(ハリケンレッド)


「風が鳴き、空が怒る。空忍ハリケンレッド」。忍風館空忍科の第507期生で館長自らがスカウトされ忍風や肩潜在能力は非常に高いのですが、生活態度が不真面目で落ちこぼれ。同期で水忍の七海、陸忍の吼太とは仲良しトリオ。いつも一緒に行動しているおかげでジャカンジャの襲撃を免れ、200年途絶えていた「伝説の継承者」ハリケンジャーとなり、戦うこととなります。

落ちこぼれの成長ストーリーという本作のレッドらしく、未熟ではあるが、明るく前向きで人懐っこい性格。ハリケンジャーのリーダーを自称するが、熱血直上型なので、慎重派の吼太とはしばしば衝突する。一方、長きにわたる両流派の確執から敵として対立していたゴウライジャーの霞一甲と真摯に向き合うことで、信頼を得て、流派を超えた仲間となることに成功します。これは彼が落ちこぼれで、いい意味で疾風流に対するプライドと迅雷流に対する偏見を持っていなかったことがプラスに働いています。
普段は派遣社員として働いていますが、当時は労働市場の規制緩和がなされた直後で、同じ氷河期世代として世知辛さを感じます(当人は至って明るいですが

キャストの塩谷瞬さんは後に、大物モデルを巡る二股交際で一時お茶の間を賑わせたことで有名ですね‥(笑)

野乃 七海(ハリケンブルー)


「水が舞い、波が踊る。水忍ハリケンブルー」。忍風館水忍科の第507期生。ハリケンジャーの紅一点。朗らかなムードメーカーで衝突する鷹介と吼太の緩衝材的な役割もはたします。ジェットマン以来の女性ブルーになります。普段は演歌歌手として営業活動をしていますが、ことあるごとに彼女の歌が挿入されるため、見終わる頃にはみんな歌えるようになっていること間違いなし。
訳あって敵であるフラビージョとアイドルユニットを結成したりなんてします。
優しく純真な性格こそが彼女の魅力で、霞兄弟の弟・一鍬も惹かれます。御前様に一生懸命つくったおせち料理を振る舞うシーンにも彼女らしさが出ています。

当時10代の長澤奈央さんの若さ溢れる等身大の演技もあいまって、終始生き生きしており、見ているだけで元気をもらえます。可愛い!


尾藤 吼太(ハリケンイエロー)


「大地が震え、花が詠う。陸忍ハリケンイエロー」。忍風館陸忍科の第507期生。ハリケンジャーの良心。心優しい慎重派で突っ走りがちな二人を抑える縁の下の力持ちポジション。それゆえ、考えるより先に行動する鷹介とは衝突を繰り返す。その後に、お互いの良さを認め合うこととなる。
普段の仕事は介護士。介護保険制度の施行間近である放送当時の時代背景を感じずにはいられません。
両親を事故で亡くしており、妹と共に養護施設で育った生い立ちもあり、妹が登場するエピソードが2あります。ひょんなことから、亡くなったおばあちゃんが若返って蘇るというお話があるのですが、とっても可愛いです(笑)

電光石火ゴウライジャー
影に向かいて影を斬り、光に向かいて光を斬る。


霞一甲(カブトライジャー)

「真紅の稲妻」。迅雷義塾角忍科の503期生。血も涙もないさサイコパスな父親に育てられた迅雷流のはねっかえり。天才兄弟の兄。豊かな才能とたゆまぬ努力によって自らを鍛え上げた超一流の忍者。迅雷流崩壊のどさくさにまぎれ、500年もの間封印されていたゴウライジャーの力を手に入れる。長年、疾風流の後塵を拝してきた迅雷流こそが最強であることを証明するために、アレを手に入れようと画策。序盤はハリケンジャーとの共闘を拒み、ジャカンジャと共闘し、強敵として立ちはだかります。忍者として完成されたゴウライジャーに対し、未熟なハリケンジャーは、何度も苦渋をなめさせられることにます。
しかし、余りに残酷なアレの出現条件を知り、本当に大切なものを思い出した一甲は一鍬と共に改心し、ハリケンジャーと力を合わせてジャカンジャと戦うことになります。

本作の私の最推しキャラ。寡黙ですが、強く優しく頼りになる「兄者」。父のゆがんだ教育のせいで心が闇に染まっていた自分を救ってくれた友・鷹介のためであれば自分の命をもかける熱い漢。弟である一鍬のことを大切に思う余り、時々暴走気味になるのが面白いです。
疾風流側の三人は、迅雷流に対するわだかまりが全くないのでフレンドリーに接しようとしますが、500年積もりに積もった鬱憤を彼らも受け継いでいる最初霞兄弟は素直になれません。こういったところにも、蔑まれ続けてきたマイノリティの感情がリアルに表現されていると思います。
あと毒親問題も描かれていたりと、霞兄弟のバックボーンには社会問題が投影されているような気がしてなりません。


霞一鍬(クワガライジャー)


「蒼天の霹靂」。迅雷義塾牙忍科の505期生。一甲の弟で彼と並ぶ天才忍者。クールで迅雷流に対する強い誇りを持つが、精神的に未熟な面が目立つ。ハリケンジャーと和解してからも、おぼろさんに迅雷流のことを冗談で擦られたりするとブチ切れたり、父親が残したいわくつきの妖刀で力を得ようとしたりするエピソード語れます。言い方を変えれば、高い実力と未熟な精神との不均衡が彼の魅力であり、人間として、成長していく姿が描かれていきます。

兄者のことがとにかく大好き。兄者も一鍬のことが大好き。典型的な毒親である父親に育てられたのに、よくこんなに純粋な子に育ったと思う(笑)
敵の攻撃で七海に惚れてしまうのですが、とても不器用なところに萌えます。顔がいい!


天空忍者シュリケンジャー


疾風流と迅雷流両流派の奥義を極めた流派宇宙統一忍者流の忍者。いわゆる追加戦士。英語交じりの珍妙なしゃべり方をしますが、実力は折紙付き。おぼろと共にシノビマシンを開発したりと知性も優れています。「アレ」の謎を知る御前様の直属として動くが人情家である一面も。
シュリケンジャーの特異なところは素顔が不明なところです。毎回彼は、市井で動くために、男性に変装するのですが、過去の歴代スーパー戦隊の男性キャストが客演するという形を取っているので、知っている作品のキャストが出てくるとニヤリとできます。


日向 無限斎&おぼろ


忍風館の館長とその娘。無限斉はハリケンジャーの師匠に当たるがジャカンジャの襲撃から逃れるため、ハムスター化。戻る方法を忘れてしまったため、最後の最後までその姿のままで登場します。
おぼろはハリケンジャーの先輩である忍風舘の卒業生。天才と言われる彼女は戦闘ではなく、シノビマシンやからくりボールの開発などにその才能を遺憾なく発揮します。関西弁バリバリで喋ります。
よく親子喧嘩をしますが、なんだかんだで仲良し親子なのがほっこりします。

フラビージョ


暗黒七本槍一の槍。宇宙コギャル。報中忍や同僚の働きを採点するのが役割で「赤点」はお約束。とにかく可愛い。前作のツエツエとヤバイバが好評だったこともあり、狂言回しポジションを務めます。
同じくのいちである七海をライバル視することが多く、ひょんなことから一緒にアイドルユニットを結成するお話もあります。

フラビージョを演じる山本梓さんは「動きやすい格好」とというオーディションのレギュレーションを無視して、ブーツとミニスカとのギャルファッションで現れ、この役を勝ち得たというエピソードが残っています。
役に本人が逆輸入されたというイメージでしょうか。
ゆるーい演技もキャラとあってて良し!


ウェンディーヌ


暗黒七本槍四の槍。錬金術師の美女で、負けた中忍を巨大化させるのが主なお仕事。フラビージョとは張り合ってよくケンカしてますが、なんだかんだで仲が良い印象。かしましい二人で狂言回しポジションをつとめます。

彼女は作戦に合わせて、女教師など何度か変装して登場する回があるんですが、美人さんっぷりがいかんなく発揮される一方、ことあるごとに顔芸(鼻血とか)をやらされたり、顔をフリ素にされて可哀相(笑)


ファンとキャストに愛され、未開の10年後、20年後を切り拓き続ける先駆者

これまで色々と語ってきましたが、この作品で最も特筆すべき部分があります。
それは、1年で物語が完結するスーパー戦隊に「後日談」という概念を生み出したことです。
普通は1年終わったら次の戦隊が登場して、今の戦隊はほぼ役割を終えます(Vシネで次の年の戦隊とのVSシリーズが恒例になっているくらい)
それが、ハリケンジャーはなんと最終回から10年後を描いた「忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER」です。

よくあるハリケンジャーの後継者の活躍を描く続編ではなく、キャストはそのままに10年後の主人公たちの活躍を描くという内容です。
当然実写なのでキャストも10歳の年を重ねています。

この作品が生まれた経緯は非常に熱く、長澤さんらキャストの方々が東映に企画を持ち込み、直談判したことで実現しているんです。
スーパー戦隊に出演し、売れっ子になった役者さんや所属事務所が過去を「黒歴史」にするなんてことを聞いたことありますが、ファンはいわずもがな、キャストにも愛され続けている作品というのは感涙ものです。
誰の思い出の中にもあるスーパー戦隊を子供時代の思い出として、いつかは卒業させていくという流れだけではなく、私たちのような大きなお友達の存在を肯定し、一緒に成長するコンテンツとして定義付ける大きな一歩でもあるように感じています。

その後、ハリレンジャーに倣って、他戦隊でも10年後の世界を描いた続編が発表されるようになります。
その発展形として、宇宙刑事などのメタルヒーローシリーズとスーパー戦隊の最終回後の話を基にしたクロスオーバー作品である「スペーススクワッド」なんて作品もあります。

しかし、パイオニアであるハリケンジャーが本当に凄いところは現在進行形で走り続けているところです。
20年後を描く新作「忍風戦隊ハリケンジャーでござる!シュシュッと20th anniversary」が2023年初夏に公開されます。


自分たちが子供の頃に応援していたスーパー戦隊の20年後の活躍が観られるっていうのは当然前代未聞で、凄いことだと思っています。
ひょっとしたら30年後だってあるかもしれないと思えるのがハリケンジャーの凄さです。

では、最後に恒例の私が印象に残ったエピソードのお話をしましょう。

第9話「雷兄弟と砂時計」です。

タイトル通りジャカンジャ側についたゴウライジャーが大暴れする回です。が、印象に残っているのはこの回で登場したジャカンジャの中忍「繁殖忍者クッツク法師」

察しのいい方ならお気づきですが、ツクツクボウシをもじったいわゆるセミモチーフの怪人です。
彼の得意技は「宇宙忍法・蝉映し」。人間の首筋に幼虫を植え付け、糸でぐるぐる巻きにして身動きが取れなくします。やがて、宿主の栄養を吸い尽くし、クッツク法師の分身が羽化するという要領です。
劇中では100人の生贄に幼虫を植え付け、羽化させる作戦を実行。100人から羽化したセミがまた別の百人に幼虫を植え付けるという倍々ゲームで地球を腐らせて「アレ」を手に入れるという内容です。

クッツク法師は首尾よく街を襲い人々に幼虫を植え付けていきます。更に、ゴウライジャーの援護でハリケンジャーは足止めされてしまい、なす術がない危機に。しかし、クッツク法師を呼び寄せた暗黒七本槍・二の槍 チュウズーボはしきりに時間を確認しては焦っています。
そして、羽化寸前のところで事件が起こります。なんとクッツク法師が白くなって動かなくなってしまったのです。そう、セミの寿命が尽きてしまったのです。はかないですね!

クッツク法師の死にっぷりが非常にコミカルに描かれていますが、寄生した虫が宿主を食って羽化するというのは映画エイリアンなどと全く同じです。
真面目に作戦を練っていれば、確実に地球を腐らせることに成功していたような気がします。目の付け所は悪くなかったんですよ。知らんけど。

私はこの回をリアルタイムで見ていて非常に印象深かったです。よく考えると、子供のトラウマにもなりかねない内容ではないかと思ったりもします。

最後までお読みいただいてありがとうございます。

では、また次回「爆竜戦隊アバレンジャー」でお会いしましょう。

しーゆー!


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