Mo＃36 結果発表「USJ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）」

Tanka Place Moでは
新月と満月の日に歌会を更新しています。
今回は「USJ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）」の短歌への投票結果とコメントを発表いたします。

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1.
右近ですスリム麻紀ですJoeyデス U.S.Jのコント くりぼー
陀弥阿　１点

純「意味は全くわからないのですが、面白かったので。」１点
猪之丞「USJではコントをやっているのですか？「くりぼー」って何だろう、マリオのクリボーの事かな？お題の「行ったことある人も行ったことない人も、思い出や理想を詠ってみてください。」はありがたいです。この細やかな一言で広義のUSJを詠えるから。そう思えば何でもありかもしれません。」
陀弥阿「ユニバーサルスタジオジャパン。めちゃくちゃ難しいお題でした。」


2.
社員旅行で行ったユニバーサルジャパン　手帳持ちのOTと三人で裏ワザ使って巡りまわったな！
阿竹亭呆然

猪之丞「「手帳持ちのOT」とは何でしょう？「裏技つかって」は倫理的にどうなのでしょうか。」
阿竹亭呆然「手帳とは、障がい者手帳の事です。
歌にはなってないかとも思いますが、まあ、新短歌はこんな感じで！」


3.
不可逆な時の流れにこの花をそっと包んで君へ贈ろう
猪之丞　１点

福良　椋（ふくら・むく）「初句が好きです。」１点


4.
眩暈のやうにUSJから海遊館へ　ジンベイザメに会ひたいわたし
乙女　３点

田中大貴「恋人とデートにきていた。２時間ならんだハリウッド・ドリーム・ザ・ライドにもうすぐ乗れるぞって階段を登り切る。そこで、この歌と出会いたい。今はあなたに振りまわされていたいから。」１点
猪之丞「詰まり、あまりUSJには興味が無いのですね。造り物の世界は私も好きではありません。心ここに有らず、既に目線は海遊館へと泳ぎ出している。「やうに」「わたし」は余計な感じで、「会ひたい」気持ちだけを詠んだ方が強調できると思います。混沌のUSJにジンベイザメが迎えに来てくれて、その背に乗って海遊館へ移動してしまう（白昼夢を見た）…など。」１点
ゆかり「浮遊感がいいと思いました。眩暈とUSJから海遊館、ジンベイザメとふわふわと回遊する感じが出ています。USJから海遊館へ行きたいわたしは少しUSJでは浮いていたのかもしれないなと思いました。それが、魚類(鯨以外)最大の生き物であるジンベイザメの孤独や存在感と響いているように思いました。」１点
花曇り「歌の一番の見せ場が分かりにくいと感じた。旧かなの「会ひたい」はいいですね◎」


5.
ほいなってだけの返事があり秒でむかうでっかい浮いている地球
田中大貴　８点

斎川都「また大阪に住みたい理由の１つ」3点
純「くだけた言葉遣いから、返事をした相手との関係、気心の知れた仲なんやろなというのが自然と伝わって、ユニバの象徴でもあるあれを「でっかい浮いてる地球」とそのまんま言ってるのもすごく良いと思います。」２点
南さよ「USJが近い2人の仲の良さが感じられて楽しい。」１点
冬不純黄昏「返事してすぐ向かって入ればすぐ目に飛び込むでっかい浮いている地球、そしてこれから始まる思い出になるであろう1日を思い浮かべるまで、すごいスピード感、すごい勢いで、詠んでいて心地よいです。」１点
アーイ・アイ「関西弁を使っているところが素敵だなと思いました。」１点
乙女「ユニバーサルスタジオの入り口に浮いている地球かな?ほいなと言う言葉の掛け合いが楽しい。早く来いよ!待ってるぜ!ほいよ!」
猪之丞「非日常に期待して即座に高揚する気持ちは表現できているけれど、詩情は何処へ行ったのか？」
田中大貴「この気持ちはどこかにあって、これはふわふわしながら詠んでしまえた。」


6.
USJアトラクションは移ろへど褪せぬシーンは思ひ出の君
シモムラ アキラ　２点

シモムラ アキラ「オープン当時に行きましたね」
花曇り「変わりゆくものと変わらないものの対比が好い。後半に重心を置く構成なら「褪せぬ過日の君の横顔」とか最後に解像度を上げると印象的かなと思った。」１点
酒井則仁「おそらくは恋人とUSJに訪れた思い出が鮮明に色濃く脳裏に刻まれたのでしょう。」１点。　　　　　　
猪之丞「以前から何回も通っているのですね。君の思い出だけが鮮明なんて。その君が一体誰であるのか、何通りにも読み取れます。時間的経過と固着した記憶の対比を目指す歌意は理解できます。」


7.
急に来た
寒さに震えるゲストたち
ゾンビダンスで
盛り上げちゃうぜ！
すーさん@ヘタレドライブ　２点

すーさん@ヘタレドライブ「去年の11月、急に寒くなりましたね。USJ名物、ハロウィンホラーナイト
ゾンビのダンサー達も対抗してヒートアップしたことでしょう。」
冬不純黄昏 「人を楽しませることを楽しんでくれていることが暖かいです。」１点
猪之丞「興奮が伝わってくるぜ！興奮しても、興奮した詩であって欲しいぜ！過激な感じが面白いぜ！「急に来たさに」は文として不明。「急にUSJへ行ってみたくなった」の意でしょうか？」１点
乙女「舞台の出演者たちは寒さで震えているんだね。言葉は軽いが弾んでいるリズムが楽しい。」

8.
甘い甘いビールの泡でヒゲをつけ君と大人になるＵＳＪ
ゆかり　６点

花曇り「情景が浮かぶ可愛らしいお歌です。「大人になる」という表現に無邪気さと親密さを感じる。」１点
乙女「ロマンチックと哀愁に満ちた歌・・ヒゲダンスで踊りだしたいね。」１点
冬不純黄昏「ビールを飲んだこともなければ、USJに行ったこともないので、全ては想像ですが、本当に楽しそうだと感じました。USJのビールは甘いのでしょうか、それとも苦いビールも君とUSJで飲めば甘く感じるものでしょうか。」１点
シモムラ アキラ「お酒が飲める歳になった記念USJなのでしょうか」１点
しゅくるん「バタービールでちょっと大人の気分🎶
飲んでみたいなぁ(*´︶`*)」１点
アーイ・アイ　１点
猪之丞「キター！ハリーポッター！しかも君と共に大人に成る！ルーモス・ソレム！甘い時間よ！そう、あれは旅立ちと成長の物語だから。泡の髭を互いに舐め合うと、もう子供には戻れなくなるでしょう。」


9.
閏年ドラゴンエリア天昇れ鎮まれ地龍天地人にて
酒井則仁　　　　　　　　

猪之丞「う～ん、USJとの関係性は良く分かりません。２０２４年は辰年、までは分かる。巫覡による祭祀、あるいは四股を踏んで地を鎮める、などをイメージしました。」
酒井則仁 「元旦から能登半島地震其の後もアチラコチラでその折にお祈りを捧げにとUSJを掛けてみました。」


10.
幻想はゆめとうつつの化かし合い嘯（うそぶ）く世界を今は楽しめ
福良　椋（ふくら・むく）　４点

無名の歌人あふろ姫「うそぶくっていうのがなんだか良い！
みんなのUSJが光ってるなかダントツって感じたこの歌に全ての持ち点を捧ぐ！」３点
アーイ・アイ　１点
乙女「そうか、usjは夢とうつつの化かし合いの場所であったんだ。とてもシニカルな歌で、現実はこんなもんだよと作者は言う。」
猪之丞「話は分かるものの、詩としてはどうなのか…？一例として「親は子を育ててきたと言うけれど 勝手に赤い畑のトマト」 は俵万智さんの『たんぽぽの日々』の一首。何故詩を感じるのか？「育てて来た」話の流れに「言うけれど」「勝手に」で感情的な反論を乗せ、更に「赤い」で鮮烈で高彩度な映像を重ね合わせている。緩やかな上の句と、圧縮されて高圧な下の句の、対比が鮮やかに視覚野に刺さる短い詩であると思います。」
福良　椋（ふくら・むく）「「ＵＳＪ」にあまり思い入れも知識も無いので「テーマパーク」に変換して。」


11.
着膨れた大人を脱いでしまいたいUSJという異世界で
花曇り　１０点

酒井則仁「何もかも大人の煩わしさを忘れ童心に還り只ひたすらに楽しもう。」２点。　　　
しゅくるん「童心に帰れる場所ですね。」２点
南さよ「USJの非日常が上手くすくい取られている。構えている部分が開放されて素に戻る。そんな時間があっても良いさ」１点
乙女「この歌も大人たちを皮肉一杯に描いているね。」１点
福良　椋（ふくら・むく） 「確かに脱ぎたい時はある。」１点
シモムラ アキラ「着膨れという比喩が良いです」１点
阿竹亭呆然「詩的。とても良く言い得ている。」１点
ゆかり「納得したお歌でした。わたしたちは普段現実社会にまみれて随分と大人という衣で着膨れてしまっているのかもしれませんね。主体が異世界ではのびのび過ごせているといいなと思いました。」１点
猪之丞「歌意は分かります。「着膨れた大人」は喩法として面白い。「脱いでしまいたい」ならば、それも序でに脱いでしまって、子供に戻り燥ぐ気持ちを併せて表現して欲しい。」
花曇り「いつか見た夢の続きで会いましょう」


12.
ミニオンも
ハリーポッターも
知らないよ
そんな自分も
楽しめるかな
しゅくるん　１点

しゅくるん「USJは行ったことありません。
映画を知らないので、アトラクション楽しめるのかどうなのか？」
阿竹亭呆然「その気持ち良く分かる。自分もそうでした。でも行ったら楽しかった。」１点
猪之丞「少しひねくれた人ほど嵌りやすいかも。この歌の場合、疎外感を詠いたいのか、自身に向けた疑義を詠いたいのか少し曖昧。パーティス・テンポラス！」


13.
USJウルトラスペシャル絶好調                                    
ときめきざわめき宇宙WORLD
無名の歌人あふろ姫　２点

田中大貴「読後の多幸感に惹かれる。この作者はもっと詠むことができる気がします。」１点
シモムラ アキラ「勢いがあります」１点
猪之丞「USJを客観視すればこうなりますよね。状況を説明した後、その先を詩としてどう表現するかが課題と思います。文言の羅列に見えてしまうから。」
酒井則仁「只ひたすらにUSJの素晴らしさを詠った。」
無名の歌人あふろ姫「出来た！自信作！〝推敲〟して完成させた！「短歌」とは……の記事を読んでみてその後第１作目(笑)」


14.
銀行に言い間違える事がある
恋しくて　憎らしいユニバ
P_P　４点

乙女「銀行に言い間違えることがある??銀行に言い間違えるたあ意味不明ながら、「恋しくて憎らしいユニバ」の言葉の省略の軽さときめきに惹かれた。」１点
福良　椋（ふくら・むく） 「意表をつかれました。確かに。」１点
阿竹亭呆然「思わずクスリとした。確かに言い間違える事ある。」１点
陀弥阿　「絶妙なあるあるな所を突いてきて今回1番好きだった歌」１点
猪之丞「わかる！UFJとUSJは似ていますから。現状は適示ですので、相反する感情を如何にして詩に変換するかに及んでいれば面白いと思います。」
P_P「（言い間違える事）ありません？」


15.
夢みたくUSJは遠ざかり此花大橋バスで渡れば
純　５点

南さよ「遊び終っての後の満足感と寂しさを固有名詞を巧みに使って表現出来た」１点
猪之丞「分かりやすい。後ろ髪を引かれながら橋を渡る。有料の夢だけど、演出された空間は催眠効果があるのでしょう。夢が覚めて行く経過に着目したところはユニークです。」１点
花曇り「言葉の意味と歌意が微妙にズレているような印象を受けた。音数を使うUSJと此花大橋の取り合わせを活かした方がいいと思う。「夢みたく」「バスで渡れば」が説明っぽく感じてしまう。着眼点はとても良い歌なのでもっと化けるはず。」１点
陀弥阿「夢みたいなUSJと此花大橋バスというどっぷり現実のものが並列されてるのが良い。」１点
ゆかり「此花大橋という名前とUSJがよく響いていると思います。楽しかった場所を後にして振り返るのにピッタリな橋の名前だなと思います。徐々に現実に向かっているけれど、まだ夢のように思い返しているのかなぁと思います。」１点
純「日雇い派遣をしていた頃、桜島駅前でバスに乗り、USJの外をぐるっと回って此花大橋を渡り、舞州のでっかい倉庫に行ってました。」


16.
違う班　魔法の城や未来でもそんな輩に歯を見せやんで
アーイ・アイ

乙女「違う班たあなんだろう???」
猪之丞「分かった様な分からない様な感じです。「見せやんで」は「見せやがって」の意でしょうか？クラスの気になる女の子が、他の班になって仕舞って妬いている…修学旅行の思い出とも受け取れます。要素を盛り込み過ぎてやや散漫な印象も感じます。」


17.
まわるまわるサメとサメ撃ちのお姉さん世界が終わるまでここにいる
斎川都

斎川都「あのサメとお姉さんはどこにも行かないで、「サメだァ〜〜！！」を永久に繰り返しているんです。」
猪之丞「状況の説明よりも現象の描写が必要かもしれません。「世界が終わるまでここにいる」のが誰なのか曖昧。そこには多分、見物している「わたし」が居るのでしょう。」
田中大貴「あの頃のままのサメとサメ撃ちのお姉さん。わたしもあの頃のままで世界は閉じるのだろうか。」
純「ちょっと切ない感じがあって良いですね。」


18.
旅鴉飛んで大阪USJ人造ワールド見下ろしてみた
南さよ

南さよ「行ったことがないので取り敢えずカラスになって見下ろしてみました(苦笑)」
乙女「飛行機でUSJの上を飛んだんだね。「旅烏」の言葉に詩情がある」
猪之丞「鳥の目で見えて来た物は何か？上空のカラスやトンビは地上のBBQの食材の種類を見分ける目を持っていると聞きました。鳥の目に成り切って詠んでいれば更に面白い。人間による空疎な営みを嘲笑う目線で「お前たち、金を取られてそんなに嬉しいのか？」と。」


19.
大勢の学校創立記念日を祝う声で静かな木曜
冬不純黄昏　２点

田中大貴「「祝う声で」までUSJにいるわたしが、「静かな木曜」でそこから遠いところにいたのだと感じられる。他の歌と並べるとその静けさは際立っていた。」１点
陀弥阿　「学校の学年単位で来ている生徒達の群れでしょうか？夢の国でも擬似、と言わんばかりに現実に連れ戻される何処の学校の人だか知らぬ祝う声が面白い」１点
乙女「一等意味不明の短歌と思った。」
猪之丞「休園日の静けさと開園日の混雑との対比を詠っている様にも受け取れますが、ガヤガヤと「大勢の祝う声」があるにもかかわらず、何故「静か」なのか良く分かりません。」
冬不純黄昏「カレンダー上では平日なのになぜかUSJに行っている若者たち。学校はどうしたんだ、学校は。」

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「USJ（ユニバーサル・スタジオ・ジャパン）」の歌会に参加いただきありがとうございました。
次のテーマは3月10日(日)に発表を予定しております。
どうぞよろしくお願いします。