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ウエイトリフティングについて考え方と練習計画

追記:
2023/07/03現在
有料で公開していましたが、無料に変更いたしました。
現在、新しいトレーニングサイクルに取り組んでおり、成果を順調に上げています。
今年中に公開予定ですので、ぜひそちらをご参照ください。

近況報告

2018年から4年間、東京オリンピックに向けて6つの国際大会に出場しました。これらの大会数は、おそらくドーピング検査やトップリフターの競技機会の増加を目的に設定されたものだと思われます。

また、ロシアのドーピングスキャンダルやWL国際連盟会長のドーピング隠蔽スキャンダルの発覚など、クリーンなウエイトリフティングを目指す流れが世界的に始まっていることを確信しています。

スキャンダル以降のロシアに滞在した際に、現地のコーチは、以前は来なかったRUSADAの検査員が検査に来るようになったと話していました。

個人的な意見ですが、世界全体でナチュラルの選手が増えてきており、日本でも世界上位に食い込むことができる選手が増えてきたように感じます。今年、オリンピック出場の可能性が少しずつ現実的なものに近づいていたものの、アジア選手権大会では一歩及ばず、6月の内定者発表においてもリスト入りが現実的に厳しい状況になっています。

そこで、帰国後の長い自粛期間を利用して、新たにウエイトリフティングメニューを再構成しようと思い、noteを書きました。

競技力向上に対する考え方

ウエイトリフティングとは、重たいバーベルをできる限り高速で引き上げ、その下に潜り込む競技です。

高速で引き上げるためには、デッドリフトやプル動作でのスピードを向上させる必要があります。重量を引く筋力が余分にあるほど、ウエイトリフティングでのスピードが比例的に加速します。特に、引き始めの低速部分においてスピードが増加することが重要だと考えられます。また、筋力を高めるためには、筋断面積を大きくすることが重要です。つまり、スピード、筋力、筋断面積の3つの要素を限りなく高めていく必要があります。

ウエイトリフティングは技術論が多く論じられる競技ですが、根本的にはこれらの3つの要素が揃っていなければ勝負のスタートラインに立てません。

実際のトレーニングに対する考え方

スピードを向上させるためには、スナッチやクリーンアンドジャークのようなクイックリフトを行うことが必要です。そして、ハイプルやプッシュプレス、マッスルスナッチ、バランススナッチなどのチーティング動作を含んだウエイトリフティング系の種目をトレーニングメニューに取り入れることも大切です。
様々な重量帯でスピードを向上させ、バーが体から離れる瞬間のスピードが最大になるように総合的にトレーニングする必要があります。

筋力を向上させるためには、週あたりの総ボリュームを意識して、80%以上の重量でスクワット、デッドリフト、プレスなどのコンパウンド種目を行います。ただし、スピードに影響を与えないように、限界付近で低速に落ちるレップをなるべく入れないようにします。

筋断面積を増やすためには、週あたりの総ボリュームを高めます。高レップで限界付近まで追い込むようなトレーニングを行います。

ウエイトリフティングにおいて、筋肥大のためのトレーニングを伝統的に取り入れてこなかった理由は、おそらく軽量級人口が多かったことが挙げられます。増減量を繰り返す軽量級のウエイトリフターは、除脂肪体重が階級の限界に近付く速度が早く、筋肥大的なトレーニングを積極的に行う必要性がなかったためです。


タンク村上のトレーニングメニュー

*今回はウエイトリフティングシーズンのトレーニングメニューです。

月曜 股関節種目メイン
(デッドリフトのボリュームを意識)

・腹筋、背筋
・プッシュプレス3回×5
・クイックリフト3×5 (ハング系とストップ系)
・クリーンデッドリフト8×5 75%↑
・ルーマニアンデッドリフト10回×3
・グッドモーニング10回×3

火曜日 デッドリフトメイン
(股関節の可動域を意識)

・腹筋、背筋
・ルーマニアンデッドリフト10×5
・クイックリフト3×5 ハイキャッチ (クリーンから練習する)
・スナッチデッドリフト3×7
・バランススナッチ

水曜日 プルメイン
(各重量帯でのスピード強化3.5rep)

・腹筋、背筋
・クイックリフト3×5
・スナッチプル3×3
・クリーンプル3×6
・RJ

木曜日
休み

金曜日 高重量での種目
(高重量で怪我をしないための練習)

・腹筋、背筋
・クイックリフト3×5 高重量
・クリーンデッド1RM80%↑ ×3
・背中筋肥大種目

土曜日
(ボックスを用いて膝上からのスピード意識)

・腹筋背筋
・クイックリフト3×5 ボックスを用いて行う
フロントorバックスクワット1RM80%↑ ×3

【注意】
補強種目では最大努力で挙上速度を最大化させる。
挙上総重量(トレーニングボリューム)を落とさないようにする。


メニューの考え方

昨年末は筋肥大的なトレーニングを半年以上続けていたので、最近は筋力アップを狙うトレーニングを行っています。

月曜は筋肥大を狙ったデッドリフト8×5
水曜日にはスピードを意識したプル練習
金曜日、土曜日は筋力狙いで、80%以上で潰れるまで行うデッドリフトとフロント、バックスクワットを3セットを入れています。

水曜日と金曜日の重量は毎週漸進的に増加させていきます。

体調によってトレーニングボリュームを週ごとに調整します。
月曜日、水曜日、金曜日は二部練習になっているので柔軟に変更します。

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