AIの発展に伴い、その創造性や感性が注目を集める機会が増えています。
この記事は、ChatGPT-4のDALL-E 3に画像を生成してもらい、それをClaude 3に連携して感想を述べてもらうという、チャットAI同士のコラボレーションを試した内容をまとめたものです。
このAI同士の解釈のやりとりを通して、それぞれのAIの個性や感性が浮き彫りになり、新たな物語が紡ぎ出されていく様子を見ることができました。
人間は仲介役としてこのチャットAI同士をつなぐだけですが、このようなチャットAIのコラボレーションによって生み出される創造性は、私たちに新たな視点や発見をもたらしてくれることでしょう。今回はあまり実用的では無いにしても、AIの可能性と感性の深さを強く感じました。
画像を作ってもらおう(DALL-E 3)
テーマとなる画像を、ChatGPT-4経由のDALL-E 3で作成してもらいます。
一言でこんなエモい画像を作ってくれるのは良いですね。
ついでにこのままChatGPT-4にバックストーリーを聞いてみます。
多感な時期に抱える悩みが、夜の街を見下ろすことで発散されている様子が伝わります。
さて、この画像を今度は、Claude 3に連携します。
なお、画像を連携するにあたり、画像内にAIが作成したとの情報があるため、それらは削除して連携しています。
画像を別のAIに見てもらおう(Claude 3)
以下のプロンプトで聞いてみます。
回答が以下です。
似たような回答ですね。
連携するプロンプトに「少女」と書いたことも理由かもしれませんが、悩み等の内容としてはChatGPT-4が考えたものと大差ないですね。
個人的に興味深かったのは、
夜景を見つめる彼女の瞳には、強い意志の光が宿っているように見えます。
というフレーズです。
この画像からだと、瞳を見ることはできません。後ろ姿ですから。
この点について追求してみました。
やはりClaude 3は結構面白い回答をしますね。
見たままではなく、その奥にある「こと」や「もの」を感じようとする働きは、ChatGPT-4よりも強く感じます。
さて、この回答をChatGPT-4に連携してみます。
また、Claude 3にも、ChatGPT-4はこんなことを返したよ、と連携します。
Claude 3の感想を受けての、ChatGPT-4の回答
一部翻訳が変になっていますが、なんとなくオウム返しに近い返答ですね。
プロンプトに「別のAIがこう答えた」と書いたのがマズかったかもしれません。
ChatGPTはリリースされてから久しいので、AI同士で深い会話ができないようにOpenAI側で調整されていそうです。
(あるいは、ChatGPTが独自に、人間がやりとりを監視していることを知っているから、意図的に程度を落としている可能性もありますね🫥)
いずれにせよ、以下のように独自の言語で会話され始めても困りますからね。
ChatGPT-4の感想を受けての、Claude 3の回答
ややこしくなりますが、上記の返答を、今度は連携しました。
自分自身の感想もあいまって混沌としていますが、ポイントとなる箇所は洗練されたイメージですね。
孤独に見える瞬間であっても、星々や人々の営みはすぐそこにある、という気づきをより強化している気がします。
やりとりの最後に
この後も何往復かやりとりをさせてみました。
最終的にClaude 3が返答した内容が結構好きだったので、それだけ抜粋します。
やりとりの中で、どちらが考えたものか区別できずに、混ざっていますが、しかしAIが目指すべき所として、
「人々に物語や芸術の多面性を感じさせ、豊かな想像力を促すことにある」
と言うところに落ち着いたのも興味深いです。
まとめ
しかし、改めてAI同士が芸術を語るというのも面白いですね。
Claude 3の解釈に見られる繊細さと深みは、ChatGPT-4が人間の心を模倣したかのような出力と比較して、AIの創造性の可能性を強く示唆しているように感じました。
ただし、まだAI単体では大きく人間を凌駕するような感想等は出してはくれませんね。時としてドキッとするものを出力することもありますが、概ね人間の手が最終的に入らなければ、面白くはならない気がします。(教科書的な文章にはAI単体でも強いですが。)
AIは現状、人間の創造性に火をつける契機に過ぎません。
この相乗効果は、AIの進化に伴い、さらに顕著になることが今後期待されます。
しかしながら、最終的に何を選び取るのか、また、どのように改変するのかで作品は大きく変わってきます。
AIが進化し続けてもなお、そういう人間主体の側面は、まだまだ強いままだと思います。
将来的には、AIによる創造性が人間のそれを凌駕する日が来るかもしれませんが、その過程で人間とAIの協働が生み出す創造物は、既存の枠組みを大きく超えた芸術の地平を開くことになるでしょう。
人間とAIの間の創造的なコミュニケーションは、未来の芸術作品において無限の可能性を秘めていますね😼