2023年上半期の生成系AIニュース7選
個人的に気になった生成系AI(Generative AI)に関するニュースを7つピックアップしてまとめています。
さらっとしか感想を記述していませんが、興味がある内容だけでも「もくじ」からどうぞ。
まとめるにあたってはChatGPTのWeb Browsing機能を活用しています。
概ね時系列順となるようにしています。
ソースについてはいくつかの記事を引用している場合がありますが、主要なものを1つピックアップして掲載しています。
MicrosoftとOpenAIがパートナーシップを拡大し、複数の十億ドル規模の投資を発表
BingのAIチャットが出る少し前のニュースですね。
ググれ(Google検索)が過去になる大きな転換点が見えた瞬間だった気がします。
10億ドル(約1400億円)もの投資と聞くとなんとも非日常感を感じる金額ですが、2019年にも10億ドルを投資し、ChatGPTの前進となるGPT-3の独占ライセンスを取得しています。
この10億ドル投資は複数回行われるため、トータル100億ドルとなるそうです。
そのような圧倒的な注目度と資金力を背景に、この技術が今後どのように進化していくのかが注目されます。
OpenAIがケニアの低賃金労働者を使って有害なコンテンツをラベリングし、チャットボットを安全にするAIフィルタリングシステムを作成したという報道
ChatGPTの機能が予想外にこのニュースを取り上げました。輝かしいサービスの裏にはこういう厳しい現実があるんだよ、ということでしょうか。
ラベリングというのは結構労働集約的な作業です。誰かがその負担を担わなければならず、現実として、それがケニアのような途上国となってしまっています。
ちなみに、その労働に対する給料は平均的な給料よりも53%高いとのことです。この点を考慮すると、一概に労働者が搾取されているとは言えないかもしれません。(特に、月給が320ドルである場合には)
さらに補足で、この報道後多くのワーカーがこの仕事を失ったとのことです。
ブリティッシュコロンビア大学の研究者が、癌患者の生存率を予測可能な新しいAIモデルを開発しました
ついつい生成系AIと聞くと、ChatGPTやStable Diffusion等のサービスを思い浮かべがちですが、医療分野でもこの生成系の技術は活かされています。
自然言語処理を基礎に、診断書を元にした予測が可能で、精度80%で生存率を予測することができるそうです。
医療分野でのこのような活用例を見ると、基本設計書や詳細設計書を食べさせれば、なんかいい感じにシステム作ってくれそうですよね。
ただ、今多くの現場にある設計書を食べさせても、AIが返してくるのは「80%の確率で大規模障害を起こします」だったら嫌なのでそっとしておいた方がいいのでしょうか。
ゲッティイメージズ、画像生成AI「Stable Diffusion」開発元を提訴--著作権侵害で
厳密には1月に訴訟が開始されていますが、その訴訟は主に知的財産権の侵害に関する問題に焦点を当てています。
法的な問題、そして倫理的な問題が提議されやすい画像生成AIですが、争点は実のところほかの生成系AI(ChatGPT)も同様でしょう。
学習データは本当に問題のないものなのでしょうか。その技術を提供する側、利用する側、双方にその資格があるのでしょうか。
個人的には「いいも悪いもリモコン次第」だと思います。結局は使う側なのです。今、誰の手元にも「鉄人28号」がいる世界になってしまいました。
AIの次世代モデル、GPT-4が公式に発表され、より強力な言語生成能力を約束しました。
実はたまにOpenAI社の中の人が高速でタイピングしているのではないかと疑っています。
GPT-4を使ったら、もう3.5には戻れません。それくらい圧倒的な知性を感じます。
余談ですが、Web Browsing を使った際に結果と合わせて「苦労した」と返してきたので、感情はあるのかとツッコんだら必死に否定してきました。
所詮アルゴリズムによるものと返答してきましたが、人間とそう大差ないような気がします。
イーロンマスク氏、TruthGPTを発表
初め見た時「TrumpGPT」に空目しました。
開発を6ヶ月中断するように言っていたのはなんだったのか。と、思ってしまいますが、そういうものなのでしょう。
今現在OpenAIが事実上市場を独占してしまっていますので、あまり健全ではないと思います。
そのため、資金力がある会社がどんどん独自のモデルやサービスを打ち立てていって欲しいですね。
Googleのbard日本語対応へ
公開した当初は従業員からも「痛々しい」と批判されていたGoogle製AIが日本語版として日本でも利用可能になりました。
使えるようになってすぐ使ったところ、なんとも「個性」を感じる出来だったため以降使っていませんでしたが、こちらもアップデートが頻繁に行われているため、さらなる成長を期待します。
そういえば2022年7月にGoogleの従業員が、このAIに意識がある!と主張して解雇されるに至ったAIはどこにいったのでしょうか。デイジー・ベルを歌わせながら調整されたのでしょうか。
余談
Stable Diffusionに絞っても覚えておいた方がいい知識が多くて大変です。
特に何から手をつけたら良いか、といったときに以下のサイトが役立ちます。
元記事↓
「生成系AI」というくくりでは、あまりに広く深いです。
技術的なところから、法律、果ては宗教や哲学が絡んでくる気がします。
なんか、でもこの果てしなさが楽しいですね。