文章の書き方

「文章の書き方について教えて下さい」という相談がたまに来るのでnoteにまとめておきます。

今回紹介する文章の書き方は「ロジカルに文章を書くにはどうすれば良いか?」という問いに対して解を与えるものであって、プレゼンテーションやビジネス文書の作成に有効です。ストーリーテリングには使えません。

また、本noteは文章構成について扱っていますので、リサーチの方法やPowerPoint、Wordの使い方など、それ以外の要素についての説明はありません。

では、初級編、中級編、上級編に分けて解説しますね。上級編については他のnoteのリンクを貼って説明をそちらに任せるので、このnoteでは初級編と中級編までを扱うことにします。

画像が見えづらい場合は、あまり気にせずに大雑把に内容を把握して次に進んで下さい。

初級編

まず、文章を速く正確に、そして読み手にわかりやすく書くために必要なことはフレームワークを頭に叩き込むことです。フレームワークを頭に叩き込んでそれを使えるようになれば初級編はひとまずクリアです。

それでは、文章構成のフレームワークは何があるのでしょうか。
主に3つあります(他にもありますが今回は割愛)。
SDS法とSCQA法(SCQ法)とPREP法ですね。

①SDS法
S→Summary(まとめや全体像)
D→Detail(詳細)
S→Summary(まとめや全体像)の繰り返し

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②SCQA法
S→Situation(状況や背景情報の説明)
C→Complication(複雑化=状況や背景から生まれた問題点)
Q→Question(問題点から生じる疑問=問題に対処するにはどうすれば良いか)
A→Answer(疑問に対する結論)

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③PREP法
P→Point(結論)
R→Reason(理由・根拠)
E→Example(具体例・データ)
P→Point(結論)の繰り返し

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この3つです。

ただ、これだけだと文章を書く上では不完全ですね。
そこで、これら3つのフレームワークを組み合わせて、SCQPRES法というフレームワークを使うのが良いという結論に至りました(自分で考えたものなので調べても出てきません)。

SDS法の最初のSにSCQを入れ、DにPREP法のPREを入れ、最後のSはそのままです。入れ子構造になっているということです。
つまり、①状況や背景情報の説明→②そこから生まれる問題点→③疑問→④結論から話す→⑤理由を説明する→⑥理由を裏付ける具体例やデータを提示する→⑦最後にまとめる
という順序ですね。
⑦以外はバーバラ・ミントのピラミッドストラクチャーと同じです。

文章にすると次のようになります。

①状況や背景情報の説明:近年、経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命などにおける男女格差が国際的に問題視されています。2017年にWEF(世界経済フォーラム)が発表した「世界ジェンダーギャップ報告書」によると、日本の順位は前年の111位から順位を下げ、144か国中114位となりました。ここから分かるように、日本のジェンダーギャップ指数は他の先進諸国と比較しても低水準にあります(状況や背景を数量的に示している)。
②そこから生まれる問題点:もしこの傾向が続くと、日本は次の3つの問題を抱えることが予想されます。(1)~、(2)~、(3)~
③疑問:想定されるこれら3つの問題に対処するにはどのようにすればいいでしょうか?
④結論(解決策):数ある解決策の選択肢の中で、(1)に対する解決策はA、(2)に対する解決策はB、(3)に対する解決策はCが最も改善効果が高いと結論付けられます
⑤理由を説明する:理由はそれぞれに対して3つずつあります。解決策Aが有効であると考えられる理由は、(a)~、(b)~、(c)~です(BとCも同様に説明する)
⑥理由を裏付ける具体例やデータを提示する:次に、これらの理由を裏付けるデータを提示します。こちらは、○○が発表したデータ(政府資料や研究機関の資料など)です。また、解決策A,B,Cを実行した場合、改善効果としてはジェンダーギャップ指数が○%上昇することが予測されます(ここでグラフを使って推移を示す)
⑦最後にまとめる:以上より、想定される問題点に対する解決策はA,B,Cが有効であると結論づけることができます

このような構成にすると読み手からしてみれば非常に分かりやすいのではないでしょうか。
文章作成に取り掛かる前に上記のような簡潔な骨格を作成しておくと、後は肉付けしていくだけですからスムーズに進みます。素早く書き上げたい人は骨格を作ることから始めてみて下さい。

次の図も参考になるでしょう。

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「根拠とデータの違いが分からない。同じじゃないのか?」と言う方もいるでしょうからそこについても補足しておきましょう。簡潔に言うと、根拠は意見でデータは事実です。意見と言うのは、「私はこう考える」ということですね。あくまで根拠は個人的な主観に過ぎないわけです。一方で、データは「売上が○%上昇した」「今日は自分が住んでいる地域の気温が18度だ」「羽生結弦は歴代記録保持者だ」などの事実ですね。

具体例をあげます。
「私は数学が得意(根拠)だから頭が良い(結論)」というのは主観に過ぎません。自分より成績が低い人と比較すれば得意ということになるでしょうし、自分より成績が高い人と比較すれば苦手ということになるでしょう。
一方で、「私は高3の駿台全国模試で偏差値70(事実)だから数学が得意だ(根拠)。したがって、私は頭が良い(結論)」と言うのであれば事実に基づいていると言えます。しかし、根拠と結論が主観に過ぎないことは変わりないですし、飛躍がありますね。

ここまでで基本となるフレームワークについて理解できたのではないでしょうか。

ただ、SCQPRES法はあくまで基本となる型に過ぎないので、状況に応じて変化させる必要があります。

SCQPRES法を実際に文章構成に使えるようになればひとまず初級編はクリアですので、臨機応変な対応については中級編で扱うことにしましょう。

まずは反復練習によってSCQPRES法を使えるようにして下さい。

中級編

中級編で扱う内容は大きく分けて2つあります。

①SCQPRES法を使用するにあたっての注意点
②状況に応じた臨機応変な処置

①SCQPRES法を使用するにあたっての注意点

まずは①から説明していきましょう。
注意点は4つあります。

(1)常に読み手の立場に立つ:「この用語は分かりづらいだろうから意味を説明しておこう」「この表現だと誤解するかもしれないからもう少し具体的な表現にしておこう」「この順序で説明すると返り読みをすることになりそうだから伝わりやすい順序に並べ替えよう」「ここは反論されそうだからもう少し根拠やデータを加えておこう」といったことです。読み手の立場に立って、文章を読んだ相手がどう思うかを絶えず先読みしていき、それに合わせて推敲していきます。(2)~(4)で扱う注意点もこの「常に読み手の立場に立つ」という原則に基づいたものです。

(2)網羅性:結論に対して根拠が網羅的であること、そして根拠に対して数値データやファクトが網羅的であることです。つまり、相手が「その根拠からその結論を導くのは飛躍してない?根拠が不足してない?」「そのデータからその根拠を導くのは飛躍してない?データが不足してない?」と反論する隙を与えないことです。
難しいことではありますが、網羅的であるかどうかでパフォーマンスにかなりの差が出ますので、極めて重要なポイントとなります。
網羅するのは難しいですが、Q&A方式を利用することで格段にやりやすくなります。読み手の立場に立ってQuestion(疑問点や反論ポイント)を箇条書きでできるだけ多く書き出しましょう。「読み手は結論を聞いたときにどんな疑問を思い浮かべたり反論してくるのか?」「読み手は理由を聞いたときにどんな疑問点を思い浮かべたり反論してくるのか?」といったことですね。メモ用紙でもコピー用紙でも何でも良いです。選別は書き出した後に考えれば良いので、とりあえず最初は思いついた反論ポイントを迷わずに全て書き出しましょう。

(3)定量的に書くこと:初級編で挙げた具体例では、状況とデータ提示を定量的に書きました。このように、定量的に書くことによって説得力が大幅に上がります。データ提示の箇所で定量的に示すことは多くの人がやっていることでしょうが、状況と複雑化と疑問、結論も定量的に書くことができます。具体例を書きます。

状況→「近年、経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命などにおける男女格差が国際的に問題視されています。2017年にWEF(世界経済フォーラム)が発表した「世界ジェンダーギャップ報告書」によると、日本の順位は前年の111位から順位を下げ、144か国中114位となりました。ここから分かるように、日本のジェンダーギャップ指数は他の先進諸国と比較しても低水準にあります」「1960年代以降、学者たちの間で地球温暖化が懸念されており、地球の平均気温は次のように推移している(グラフを見せる)」

複雑化→「(新型コロナウイルスについての説明をした後で)このような状況により、我が社の売上は前年比30%ダウンすることが見込まれる」

疑問→「売上ダウンを前年比20%以内に抑えるにはどうしたらいいのか?」

結論→「○○事業に3000万円の投資をせよ」「○○社を3億円で買収せよ」

などですね。常に定量化できるわけではないですが、定量化した方が良いところで定量化しないと読み手(聞き手)に対する訴求力を大きく損なうので基本的に定量化する方針で行きましょう。どうしても無理そうだと判断したら定性的な説明をします。

(4)具体的に書く:「推進する」「検討する」などの曖昧な言葉は避け、具体的な表現に修正します。たとえば、「社内での新規事業を推進する」であれば、「市場動向の分析を行い、得られたデータから最も利益を見込める事業を絞り込み、設定した基準を満たす人員を配置して新規事業を立ち上げる」といったように書き換えることができるでしょう。

②状況に応じた臨機応変の処置

SCQPRES法では根拠やデータの提示に主眼を置いていましたが、読み手によっては根拠の説明は少しでいい場合もありますね。
中級編では、読み手の知識量やニーズに応じて提示する情報のメリハリをつけていく方法を学びます。

パターンとしては次の3つです。

①Whyを重点的に説明していく:読み手が結論を聞いた時に「何で?」と思うことが予想される場合は通常のSCQPRES法で大丈夫です。結論が読み手にとって斬新なものである場合はWhyを重点的に説明しましょう。

②Howを重点的に説明していく:読み手が解決策を聞いた時に「どうやって?」と思うことが予想される場合はHowを重点的に説明する必要があります。「その解決策が有効な理由は既に知ってるから具体的な実行手順を教えてくれ」というパターンですね。フレームワークとしては、SCQPPS法になりますね。1つ目のPはPoint(結論、解決策)で、2つ目のPはProcess(過程、実行手順)です。解決策の提示のみならず、具体的な実行手順やスケジュールを明示しましょう。

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このケースでは、5W3Hのフレームワークを使用すると素早く書き上げることができます。
・What(何を):解決策。
・How(どうやって):解決策の実行手順。Who、Whom、When、Where、How many、How muchに従って具体的な実行手順を埋めていく。
・Who(誰が):実行する人。プロジェクトに携わる人員など。
・Whom(誰に):文章を通して誰かに向けて解決策の指南をする場合、その解決策の実行に関わる人間が1人だけしかいない場合は空白で良いが、そうでない場合は埋める必要がある(交渉を持ちかける場合など)。
・When(いつ):いつからいつまでやるか。何か行動を起こす場合は必ず期限を設ける。
・Where(どこで):自明な場合はあえて記入する必要はないが、ミスリードを防ぐためにも明記しておいた方が良い。
・How many(どれだけ):どれだけの数量を実行する必要があるか。たとえば、商品Aを5個仕入れるのか、30個仕入れるのか。
・How much(いくらで):必要なコスト。

③WhyとHowを両方同程度に説明する:読み手の知識が乏しく、「結論の根拠も分からないし具体的な実行手順も分かりません」と思うことが想定される場合、両方を同程度に説明する必要が生じます。問題なのはWhyとHowのどちらを先に説明するかですが、これは読み手のニーズによって決まります。たとえば、「詳しい理由は分からないけどとりあえず結論だけ教えてくれ」と思うような人に対してはHowから先に説明した方が良いでしょう。美容法について知りたい人が「肌が綺麗になる科学的根拠は知らないけどどんな化粧水を使えば良いのかだけ知りたい」と思うようなものです。Whyは「時間があれば読んでおく」程度のニーズしかないわけですから、スキップできるように先にHowから説明しておく必要があります。この時、先にWhyから説明してしまうと、「いつになったらやり方が説明されるんだ?」「もう読むのが面倒になってきたから読まなくていいか」と思われてしまい、肝心な実行手順について読んでもらうことができない可能性があります。このケースでは、フレームワークはSCQPPRESになります。状況→複雑化→疑問→結論(解決策)→過程(実行手順)→根拠→具体例やデータ→まとめですね。
一方で、「根拠をきちんと把握した上で実行したい」と考えてる人もいるでしょうから、その場合は先にWhyを説明すると良いでしょう。このケースでは、フレームワークはSCQPREPSになります。状況→複雑化→疑問→結論(解決策)→根拠→具体例やデータ→過程(実行手順)→まとめですね。「先に根拠を理解してから実行手順を聞きたい」と思ってる人に対して有効な伝え方です。
読み手のニーズをどのように判断するかは読み手の性格を観察することによって可能になります。現時点で分かっている情報や収集可能な情報から読み手の性格を分析していきましょう。


初級編と中級編の内容を実践できるようになれば上出来です。最後にここまでの話をまとめておきましょう。
STEP1,3,4で箇条書きで整理していくと素早く書き上げることができます。

STEP1:現時点で分かっている情報や収集可能な情報から読み手のニーズを捕捉する
STEP2:ニーズに合わせて文章構成のフレームワークを決定する
STEP3:フレームワークに合わせて簡潔な文章を作成する(初級編の具体例に挙げたような文章。理由やデータ、実行手順がわからない場合は「理由はn個あります」のような表現で仮置きして良い)
STEP4:情報収集を行い、4つの注意点を守りながら骨格に肉付けしていく
STEP5:実際に書き上げる

上級編

上級編では、イシューの設定方法や結論・解決策の立案方法について詳しく学びます。
イシューとは最重要論点のことですが、世の中の多くの会社はさほど解決する必要のないような問題点を問題点として扱って解決しようと躍起になっていますね。つまり、問いの設定(SCQのQ)を間違えてるケースです。

問いの設定を間違えると解決策を実行しても時間の無駄となります。
例えば、30個ほど問いが浮かんでそれら全てに解決策を与えるケースを考えてみましょう。解決策を実行するには時間とお金がかかりますから、全て実行した場合のリソースの消費は著しいものになります。そして、全て実行してみて「結局解決する必要があった問いは1つだけだった」という結論が得られた場合、最初から最重要な問いを見抜く力があればよかっただけの話になりますよね。

「どの問いに対して答えを出すか?」というのは時間の無駄を防ぐ上で最も重要なポイントであり、これを見分けられる人が優秀な書き手になることは言うまでもありません。

ここは本当に奥が深いのでこのnoteでは書ききれません。そこで、次の2つのnoteに譲ることにしました。

ちなみに、初級編から上級編までで説明している内容は文章構成に関わるものであり、つまりピラミッドストラクチャーの埋め方であり、実際に書き上げる段階でPowerPointやWordをどのように使っていくか、チームで書き上げる場合にどのようにすり合わせをしていくか、リサーチをどのようにしていくかについては書いてありません。そこは別途対策をお願いします。

最後に、ライティングスピードを上げるためのコツを箇条書きでまとめておきましょう。

①PCスキル
・ブラインドタッチの習得:ブラインドタッチの覚え方ですが、まずはホームポジションを覚えましょう(ぐぐったら出てきます)。ホームポジションを覚えたら、Wordやメモ帳などを使って「あいうえお、かきくけこ、さしすせそ、…ぱぴぷぺぽ」と打ってみます。何も考えずに指が勝手に動いてスラスラと打てるようになるまで、何度も反復練習しましょう。スラスラと打てるようになったら、次は寿司打やe-typingで練習したり、ブログやnoteを書いて練習しましょう。スコアとしては、e-typingで300を超えればライティングをするにあたって十分なスコアですね。最低でも200後半を目指しましょう。変な癖がついてしまうのを防ぐために、最初のうちはスピードよりも正確性を重視して練習しましょう。また、キーボードを見てはいけません。個人的な経験を踏まえて言うと、寿司打などのタイピングゲームで練習するよりnoteで文章を書くほうがタイピングスピード向上に繋がりました。
・単語登録200~300個:200~300という数にこだわる必要はないのですが、単語登録でスピードアップをしようとすると自然とその数になるかと思われます。よく使う単語や一回で変換できない単語は単語登録しておきましょう。たとえば、「地頭」という単語は一回で変換できないことが多いので単語登録をしてすぐに変換できるようにしておくと良いでしょう。単語登録は一気にまとめて登録するより、「この単語は登録しておいた方が良さそうだな」と思われるような単語に出会うたびにその都度登録するのが効率的です。ちなみに、キーボードをGoogle日本語入力にしておくと変換候補が自動で登録されるので(例えば、「今日の晩ごはんはハンバーグだった」と打つ→「きょうの」と打つ→変換候補に「今日の晩ごはんはハンバーグだった」が出る。ただし、変換はスペースキーではなくタブキーで行う)、ライティングのスピードを上げるならGoogle日本語入力は必須です。
・ショートカットキーを覚える:ブログやnoteで文章を書く人、Wordを使って文章を書く人、メーラーで文章を書く人など、PCで文章を書く場合はショートカットキーを覚えておくと時短に繋がります。
・スクリーンショットや画像の添付で手間取らないようにする:僕はnoteを書いてる時に画像の添付で手間取ります。エバーノートをスマホとPCで共有してスマホで撮影した画像をすぐに添付できるようにしたり、Google画像検索で見つけた画像をコピーしたり、工夫の余地はたくさんあります。
・音声入力を使ってスキマ時間(移動時間や風呂に入っている時間)に書く:あくまで個人的な見解に過ぎませんが、ライティングはまとまった時間に書くよりも、スマホのGoogle音声入力を使って移動時間や風呂に入っている時間などのスキマ時間を利用して書く方が生産的ですね。ただ、精度が悪いので後で修正する時間を取る必要があります。音声入力はショートカットキーやブラインドタッチと同様に、最初は「音声入力じゃない方が効率良いんじゃないの?」となります。ですが、慣れてしまえばキーボードでタイピングをするより音声入力をする方が遥かに文章を速く書けることに気付くので、慣れるまでの辛抱ですね。ちなみに、「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」という本はほぼ音声入力だけで出来上がったそうです。著者のシバタさんは、2016年頃から原稿の執筆に音声入力を導入して、著書の元となったウェブ(note)上の連載は、1本3000〜5000字で、週2本のペースで新作をアップしているそうです。1本の原稿は1時間ほどで仕上げり、30分でテーマを決めてデータなどを調査、30分で声でGoogle ドキュメントに原稿を執筆。その後、編集を手伝ってくれているアシスタントが誤字脱字を修正して完成させていくという流れで文章作成をしているそうですね。
②文章構成
・文章構成を考えるスピードを上げる:これは本note中級編の最後に紹介したステップ1~5を見てもらえれば大丈夫です
・思考速度を上げる:思考速度とは、書く文章を思いつく速さです。PCの操作スピードを上げても書くことが思いつかなかったり、思いつくのに時間がかかっていたら全体の作業スピードは遅くなります。ここは頭の回転の速さの差が出るので如何ともし難いのですが、文章がスラスラと出てくるようにするためには毎日文章を書いて脳の回路を形成するのが最も現実的な解決策だと言えるでしょう。
・ライティングのルール化:文章を書く前に先に骨格を作成する、パターン別の書き方(メール、報告書、契約書、ブログ、noteなど)を決めておく、など。
③作業環境
・集中できる環境で書く:言うまでもないことですが、環境次第で集中力が大きく変わり、集中力次第で生産性に2~3倍の差が出ます(集中力がないと1日で終わるようなタスクに2~3日もかけてしまう)。図書館やカフェ、コワーキングスペースなど、集中できる環境を自分で探してそこで作業するようにしましょう。
・集中できる時間帯に書く:これも言うまでもないことですが、自分がいつ集中できるのか把握しておきましょう。一日の後半になればなるほど脳の疲労が蓄積されていくので、文章作成のような認知負荷が高いタスクは寝起き2~3時間後などの最も頭が冴えてる時間帯に書くと良いでしょう。
・パソコンの設定を変えて高速化する:パソコンの動作が重いなと思ったら、不要なファイルを削除したりバックグラウンドで起動しているアプリを削除したりして設定を変えましょう。それだけで高速化します。
・仮想ディスプレイを使う:タスクをいくつも振られた時に一つの画面に多くのウィンドウを開くのは非効率ですよね。そこで、仮想ディスプレイを使用して作業効率を上げましょう。
④共同作業の場合
・外部委託する(ゴーストライターなど)
・(会社員なら)上司とのすり合わせを適宜行う


以上です。最後にこれまでのnoteの内容をまとめておきましょう。

●文章作成の6ステップ
ステップ1:現時点で分かっている情報から読み手のニーズを捕捉して、読み手のニーズから文章構成のフレームワークを決定する。ニーズおよびフレームワークは以下の4パターン。
このステップを高速化するには「この状況であればこのフレームワーク」というのを予めルール化しておき、秒速で決定できるようにしておくと良い。
①SCQPRES(状況→複雑化→疑問→結論→理由→具体例やデータ→まとめ):Whyのみ説明
②SCQPPS(状況→複雑化→疑問→結論→過程→まとめ)(過程はWho、Whom、When、Where、How many、How muchを利用すると良い):Howのみ説明
③SCQPPRES(状況→複雑化→疑問→結論→過程→理由→具体例やデータ→まとめ):Howを先に説明
④SCQPREPS(状況→複雑化→疑問→結論→根拠→具体例やデータ→過程→まとめ):Whyを先に説明
ステップ2:フレームワークに合わせてピラミッドストラクチャー(目次)と簡潔な文章を作成する。このステップを高速化するにはメモ帳に箇条書きでQ&Aを書くと良い。このステップでのチェック項目としては次の5点がある。次の5点を満たしているかどうかに注意してピラミッドストラクチャーを作成せよ。
①状況や背景情報が書かれているか(SCQPのS)
②複雑化が書かれているか(SCQPのC)
③イシュー設定が正確にできているか(SCQPのQ)
④イシューに対する結論が正確か(SCQPのP)
⑤Q&Aが網羅的か
ステップ3:情報収集を行い、網羅性を守りながら骨格に肉付けしていく。
ステップ4:Googleドキュメントで音声入力をして書き上げる(スマホかPC。隙間時間に書く場合はスマホを使う)。入力ミスがあっても気にせずに最後まで書き進めていく。
ステップ5:入力ミスしている箇所を修正したり、画像やリンクを添付したり、相手の立場に立って定量化や具体化を行う。このステップはキーボードでの作業になるので、ブラインドタッチ、単語登録、ショートカットキー、スクリーンショットや画像の添付の高速化、集中できる時間帯や場所で書く、仮想デスクトップを使う、外部委託により高速化が可能。
ステップ6:書き終わったら最初から最後まで読み返して間違いがないか確認する。


ステップ1と2が骨格作成
ステップ3が肉付け(3までがピラミッドストラクチャーを作るフェーズ)
ステップ4と5と6が実際に書き上げるフェーズ
です。

お疲れさまでした。

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